複葉機の話をもうひとつ紹介していきます。エフトイズ「複葉機コレクション」では、前回紹介した「スパッドS.Ⅶ」以外に、ライバルだった「アルバトロスD.Ⅲ」、赤トンボで有名な「九三中練」、そして今回紹介する「ソードフィッシュ」の4機種が入っています。
一番人気はやはり赤トンボこと、九三中練ですが、管理人的にはこのソードフィッシュも大好きな機体です。
イギリスの軍用機には、見た目のイメージと名前のイメージが一致しないものが結構あるように思いますが、このソードフィッシュはそんな一つ。直訳では「剣の魚」ですが、これは「メカジキ」のことです。
←これ。全然イメージと合いません。
メカジキは魚のなかでも最速級ですので、皮肉を込めてつけているの?という感じですね。
1933年に初飛行ですから、第二次世界大戦時にはすでに古い部類に入りますが、終戦の最後まで活躍した唯一の複葉機といえます。しかも戦史の重要な場面で活躍をしています。
例えば、1940年11月のイタリア海軍の要港であるタラントを夜襲し、イタリア艦隊に重大な損害を与えたタラント空襲。1941年5月のビスマルク追撃戦ではソードフィッシュがビスマルクに対して雷撃を敢行し、操舵装置に損傷を与え、ビスマルク撃沈に一役かいました。
また、その搭載などの融通性からパイロットたちからは、ストリングバッグ(何でも入る買い物篭の意)と呼ばれ、 魚雷、爆弾、爆雷、ロケット弾など多種に渡る兵器を搭載して活躍しています。戦務も急降下爆撃から雷撃、夜間攻撃、Uボート狩りの対潜哨戒など他の艦上攻撃機では真似のできない活躍を見せています。
おまけに布張りの構造ですので、機銃で撃ちぬかれても意外と大丈夫。175箇所に被弾してボロボロになりながらも帰還した例もあります。
3人乗りとあって、意外と大型なのですね。Bf109と較べてみました。
Bf109は小型ですが、それに較べてもでかい。750馬力に600Kgの搭載量ですから、翼面積を大きくとる必要もあったのでしょうか。
ソードフィッシュは開戦から終戦まで第一線で戦い、しかも戦史に残る戦いでも重要な役割まで果たしました。見た目は古くても、英海軍にとっては、頼れる鋭い魚=ソードフィッシュだったのですね。
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