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【模型情報】辛坊治郎を救助したUS-2の活躍と救助の仕方について

 

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US-2 海上自衛隊HP写真ギャラリーより 

 最近の話題の航空機といえば、MV-22オスプレイと、日本の誇る救難飛行艇US-2ですが、昨日はまた注目を浴びる活躍をしました。

 

  お二人とも無事に救出されてなによりです。そしてUS-2のウィキペディアにも救助例としてさっそく記載されています。誰だか知りませんが、仕事早すぎです(笑)。日本から1200km。P-3Cが発見、US-2が着水、救助したようですね。お金かかっただろうな。

→US-2 ウィキペディア

2013年6月21日、「ブラインドセーリング」プロジェクトで太平洋を横断中にヨットが浸水、ヨットを放棄して救命ボートで救助を待っていた辛坊治郎と岩本光弘を宮城県金華山沖1,200kmの海上で救助した。なお、救助時の状況は波高3~4m, 風速16~18mだった。

 

 波高4mというと、性能ギリギリの着水だと思います。パイロットの方々の使命感と勇気に敬服です。一度は波が高くて引き返したといいますから。しかし波高4mでも着水可能な飛行艇というとこのUS-2ぐらいですから、もっと世界に輸出してもいいですよね。2005年から製造していまだ4機しかありませんから、製造コストを下げるためにも数十機は欲しいところだと思います。

【US-2の救助の仕方】

 今回の救助もそうですが、救助要請を受けると、US-2はP-2JやP-3Cの哨戒機1機とペアを組んで出発します。先に巡航速度の速い哨戒機が現場に向かい、レーダーやカメラ、目視で要救助者・船を捜索します。

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 救難者を発見するとカメラで撮影、基地へ伝送すると共に、目印のマーカーを投下(必要ならば食料・飲料水などを投下)、無線通信でUS-2へ位置、気象情報、海面の状況を伝え、現場へ誘導します。

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 US-2は基地からも誘導を受け(遠距離の場合は哨戒機が中継連絡)、 現場海域到着後、着水前に海面状況を航空機搭載用波高計で計測・確認します。二次遭難を避けるため、機体が損傷を受けない海面状況であることを確認した後に 着水。今回はギリギリの判断だったのではないでしょうか。

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 着水後、機体備え付けのゴムボートで要救助者を救出し、救助後も哨戒機の誘導・基地からの中継連絡を受けて帰還するという段取りです。このように、哨戒機とペアを組むことを前提に開発された機体であるということですね。このように、連携した救援活動は、機体の性能だけでなく、日頃の訓練によるものです。日頃のたゆまない訓練に感謝です。

 このUS-2関係の開発の流れをちょっと整理してみますと、US-2はUS-1の性能向上型として開発されています。US-1自体も元々は対潜哨戒機のPS-1 ですので、時系列的にはPS-1→US-1→US-2 という流れですね。

 PS-1が対潜哨戒機としては電子技術の遅れから成功したとは言いがたく、そのころ導入をし始めたP-3Cの方が対潜哨戒機の性能としては良かったので、PS-1は23機で打ち切りになってしまいました。しかし長年の技術と開発費がかかってますので、この技術を活かした救難飛行艇US-1として生まれ変わります。PS-1の対潜装備の代わりに救難機器を設置し、陸上離着陸能力を持たせています。

 1976年から運用が開始されて、1981年からはエンジンを強化したUS-1Aが活躍します。20機ほど生産されて現在は3機あまりが現役で活躍中です。

そして、1996年からUS-1の性能向上型として「US-1A改」として開発開始。2007年から配属が始まり今に至っています。でも生産機数は未だ4機ですからちょっと寂しいですね。

 

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 4機という生産機数なら、プラモデルもない訳です。ハセガワあたりで出して欲しいですね。現在はレジンキットのA&W Modelsから1/144スケールと1/72スケールで発売になっていますが、やはり人気のようで在庫切れの店が多いです・・・。

関連したキットは4種類。1/72スケールのUS-2以外はすべて在庫無しがほとんどです。

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プラモデルでは、ハセガワから1/72スケールのUS-1Aが出ていますが、こちらも品切れのようです。以下のホビーサーチさんで画像やプラモデルの中身を見ることができます。入荷のリクエストは可能のようです。

→1/72スケール新明和 US-1 レスキューバード (プラモデル) 

→1/72スケール 対潜哨戒飛行艇 新明和 PS-1 (プラモデル)

 

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タグ:US-2 US-1
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