第二次大戦の末期、当時のイギリスはアメリカと共同して連日のようにドイツ本土を爆撃していました。
この作戦に参加したイギリス空軍のパイロットたちは一本の鉛筆を携行していました。そして彼らはこの一本の鉛筆に自らの生命を託して出撃して行ったのです。
というのも、この鉛筆はただの鉛筆ではなく、その中に磁石と地図が隠された、いわばスパイ鉛筆だったからです。
彼らが不運にも撃墜されたり不時着したような場合には、彼らはまず、一番上にはめ込まれた消しゴムを抜き、その下の小さな磁石と、軸の上部をくり抜いてつくられた空洞の中に小さく折りたたんだ地図を取り出します。地図は三種類あり、ドイツ全図、オランダ・ベルギー方面への地図、そして中立国であるスイスへの脱出経路が詳しく書かれた地図です。
そして、鉛筆の中にどの地図が入っているかは、鉛筆に刻印されたマークによって分かるようになっていたそうです。
まさに敵地に放り出されたパイロットにとっては、この地図と磁石こそが生還するための命綱だったわけですね。
このスパイ鉛筆が製作された場所はイギリスのケズィックという小さな町のカンバーランド鉛筆会社というメーカーでした。秘密保持を誓約した一部の従業員を動員して、秘密裡にこの鉛筆を製造しました。
ちなみにこの町は古くから鉛筆の芯の材料である黒鉛が採れる町として1500年頃からイタリアへも送られ、ミケランジェロの美術学校でも使われていました。
黒鉛は兵器製造にも重要な物資でしたので一時は兵器製造の需要にかなりもっていかれましたが、現在では元の鉛筆産業の町としても知られています。
←ドイツ西部からオランダ・ベルギー方面への脱出ルートを示した地図。この地図で何十名ものパイロットが救われたことでしょうか。
鉛筆に地図やコンパスを仕込むなんて、さすが007の国イギリスらしいです。
この鉛筆、欲しいです。売っていないのかな。そういえばカンニング ペーパーを鉛筆や消しゴムに仕込むなんて話はよくありましたよね。作る暇があれば勉強した方が早いというのに(笑)。
今回の記事の元ネタはこちらの書籍からでした。
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ほーーーー。
すごいことやってたんですね。
by 楽しく生きよう (2014-01-07 18:51)
★楽しく生きようさま
こんばんは〜、本年もよろしくお願いします。
この鉛筆、欲しいのです(笑)
by onemore (2014-01-09 01:38)