さて、アニグランド製の「#AA-4010 中島G10N1 富嶽」を調べてみます。
◆中島G10N1 富嶽
富嶽とは太平洋戦争末期に計画された長距離爆撃機で、アメリカ本土へ直接攻撃することによって戦況の起死回生を狙ったものでした。計画はB-29を超える夢のような超巨大機です。
太平洋を横断してアメリカ本土を爆撃、そのまま大西洋を横断し、ドイツで補給を受け、再び逆のコース、または、ソ連を爆撃しつつ戻ると言う壮大な計画でした。
全長45m(B-29の1.5倍)、全幅65m(B-29の1.5倍)、爆弾搭載量20トン(B-
29の2.2倍)、航続距離は19,400km(B-29の3倍)、6発エンジンを目指しました。
しかしこれは計画段階で終戦となり、図面らしいものは全長・全幅・全高がわかる略図が残っているだけです。
模型としては、フジミから半塗装済み完成品で4種類が発売されましたが、あっという間に完売。現在も入手困難な品です。
さて、このキットについているボーナスキットは3機です。詳しい解説がないので自分で調べるしかありません。
左から 川西 特殊攻撃機「梅花」パルスジェットエンジン搭載/満州 キ98 or「閃電」/特攻兵器「神龍」です。
◆川西 特殊攻撃機「梅花」
海軍が太平洋戦争中に計画した特殊攻撃機です。海軍機種記号は不明で1945年7月より開発を開始したが、設計途中で終戦となりました。
形状はFi-103に似ており、パスルジェットエンジンと250kgの爆弾を搭載して特攻兵器として開発されました。
◆満州 キ98
満州飛行機「キ98」は九九式襲撃機の後継機となる戦闘襲撃機として1943年に満州飛行機で開発されました。形状がよく似ている「閃電」は日本海軍で計画されたレシプロ推進式・防空戦闘機(局地戦闘機)です。開発時期は早く、1939年に三菱十四試局地戦闘機(後の雷電)に引き続く高性能局戦として設計されました。
これ、調べると満州飛行機の設計した陸軍キ98と海軍の設計した「閃電」とよく混同されているんですが、見る限りではアニグランドはキ98のような気がします。キ98の方がやや小型だそうです。
推進式のメリットを活かして重武装、高速性を目指しましたが「震電」の開発が一歩先んじていました。
MENG Model プラモデル 1/72 満州飛行機 キ-98
◆特攻兵器「神龍」
海軍が太平洋戦争中に計画した特攻兵器です。機体の設計は逓信省が行ないましたが、設計中に敗戦を迎えて実機は完成していません。連合国軍によって「秋水」の改良発展タイプと伝えられています。
形状ですが、こちらも図面段階なので本格的な機体から簡素なグライダー型式とあり混乱している感じです。模型の方はデルタ型の最新鋭な形状ですが、かたや簡単なグライダーのものを「神龍」と呼んでいるものもあります。
→「かがわ東方見聞録」さまのブログ幻の特攻グライダー 神龍
この「神龍」は、簡素な木製グライダー型飛行機であり、材質も木・布・紙と簡素なもの。
桜花と同様の火薬式ロケットで30秒間だけ飛行できる計画でした。想定された攻撃目標は、本土決戦に際して上陸してきたアメリカ軍の戦車でしたが、訓練を行った操縦士は後に「当たったとしても戦車だから5、6人くらいしか巻きぞえにできないし、上空から向かって行っても戦車に撃ち落とされていただろうから、お国のためとはいえ、納得がいかない。なぜこのような乏しい作戦を立てるのか」といった旨のコメントを残しています。
購入はでじたみんさん が在庫を揃えていますが、これは品切中。「富嶽」人気ですもん。
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