さて、今回で最後になります。香港のレジンキットメーカー、アニグランドのVarious-in-1Special SET(ボーナスinスペシャルSET)陸軍機編のレビューです。
#AA-3009 「決号作戦 本土防衛試作機セット Vol.2 陸軍機編」は以下の4機種です。
以下の4機がセットになっています。(クリックでWikipediaの解説ページへ)
・三菱 キ93試作襲撃機
・川崎 キ102b(乙)
・三菱 キ109
・三菱 キ167
◆三菱 キ93試作襲撃機
キ93は、日本陸軍の地上攻撃機(襲撃機)です。九九式襲撃機(キ51)の後継機として開発されましたが、試作機の完成が太平洋戦争末期だったために満足にテストも行えないまま終戦を迎えました。
この機体の特徴は、日本で初の6翅プロペラと重武装でしょう。戦車の上面装甲を狙うための胴体下部中央に57mm機関砲という大口径の機関砲を装備しました。更には翼内に20mm機関砲2門、後部席に 12.7mm機関砲も装備し、重武装と日本機らしくない独特のスタイルです。
◆川崎 キ102乙
キ102も、キ93同様、九九式襲撃機の後継機として開発されました。甲型・乙型・丙型の3タイプがあり、それぞれ高高度戦闘機、襲撃機、夜間戦闘機として開発されてます。
開発の流れは右図のようになります。
ベースとなる川崎キ45改「屠龍」の流れで、屠龍の性能向上型であるキ96がまず開発され、その技術を元にキ102が3タイプ作られました。
唯一実戦に投入されたものが、この襲撃型のキ102乙です。
この高々度戦闘型のキ102甲が更にキ108として開発続行されています。
関連記事
→アニグランド「キ91・キ108・かつおどり・火龍」/キットレビューその3
B-29迎撃の主力となった「屠龍」は基本設計が良かったのでしょう、様々な機体が開発されています。
◆三菱 キ109(「飛龍」対B-29高射砲搭載型)
キ109は、四式重爆撃機「飛龍」をベースに、口径75mmの高射砲を航空機搭載砲として装備し対B-29の邀撃機として開発されます。
「飛龍」は、「四式重爆撃機」という名称なのでついつい、四発エンジンの重爆撃機を連想してしまうのですが、曲技飛行もできる軽快な運動性を備えた双発の航空機で、防空戦闘機としても活用しています。 その優秀性から四式戦「疾風」と共に「大東亜決戦機」として期待され、重点生産機に指定されました。
このキ109は、終戦まで22機が生産配備され、試作1号機および2号機が実戦テストとして B-29の邀撃に参加しましたが、 高高度性能不足のため当初の目的である迎撃任務ではさしたる戦果をあげることが出来ませんでした。
◆三菱 キ167(「飛龍」特別攻撃専用型)
特攻専用型ですね。桜弾機(キ167) と呼ばれています。
「桜弾」とは、本機専用の直径1.6m、重さ2900kgの対艦用大型爆弾です。爆発威力は「前方3 km、後方300 mが吹き飛ぶ」と称されていました。
あまりに大型なため、そのままでは機体内部に収納しきれず、機体上部が膨らんだ形状に改造されているのが特徴です。
飛行第62戦隊に配備され、沖縄戦に実戦投入し1945年4月17日に初出撃するも行方不明となりました。戦果はなかったようです。
さて、以上でアニグランドの日本機を紹介していきましたが、どれもこれもマイナーな機種ばかりで、制作意欲を掻き立てるものばかりです。入手は困難になりつつありますが、大手のヨドバシカメラでも在庫がある場合があるので、一度見てみるのもいいかもしれませんね。
レジンキットなので通常のプラスチックモデルとは異なりますが、他のレジンキットメーカーに較べて組み立て安いと思います。
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富嶽や連山、そして深山もあります!
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【1/144アニグランド 】 G5N-1/2 深山/改 レジンキット AA-4037 |
<補足>アニグランドの日本機を調べてみました。
→レジンキットメーカー・アニグランド製の日本機を調べてみた。その1
→アニグランド「富嶽・梅花・キ98・神龍」/キットレビューその2
→アニグランド「キ91・キ108・かつおどり・火龍」/キットレビューその3
→アニグランド「深山 ・キ78 ・景雲・瑞雲」/キットレビューその4
→アニグランド「連山 ・夕号・剣・キ119・秋水改」/キットレビューその5
→アニグランド「蒼空・キ94-I・震電・桜花・キ88」/キットレビューその6
→アニグランド「本土防衛試作機セット Vol.1 海軍機編」/キットレビューその7
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