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飛行機の名前の付け方〜日本陸軍の場合

 前記事で海軍機の命名法を紹介しましたので、今回は陸軍機の命名法を。

◆キ番号
 旧日本陸軍は海軍と違ってシンプルで機体(キタイ)のキをとってキ◯◯◯で、機種やメーカーの区別することなく使用しました。

 キ番号は新型機の開発指示時点で付与されるものでしたので、試作段階や実用化段階に関わらず、同じキ−◯◯という命名でした。

 ゴロが良い番号ですと、愛称のように使われることもありました。例えば四式戦「疾風」はキ84でしたので「ハチヨン」と呼ばれることも多かったようです。

 当初は航空機全部にキ番号がつけられていたのですが、後にグライダーなどは「ク◯◯」とか、オートジャイロ機などは「オ◯◯」などがつきました。

 陸軍の面白いところは、航空機エンジンは発動機(はつどうき)なので「ハ◯◯」とか、機関砲(きかんほう) は「ホ◯◯」など名前をカタカナの1文字で表わしているところでしょうか。

 現代の電車でも「モハ◯◯」、「モハ」など呼ばれていますが、その名残りがあるのかもしれません。

◆正式名称

 さて、試作機が無事、制式に実用化されることになった場合、さらに名称は、「制定時の皇紀年号下2桁」+式+機種名がつきます。
 八七式重爆撃機は、1927年(皇紀2587年)の正式採用ということですね。ただ、1940年(皇紀2600年)制式の機体は海軍の零戦とは違い、一〇〇式というかたちになっています。どちらもカッコいいですよね。同じ日本軍なのにわかりづらいですけど(笑)。

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RAF博物館の一〇〇式司偵三型甲(キ46-III甲)Wikipedia

改修型名称

 エンジンの換装など大きな改修が有った場合は「機種名」の後ろに「型」をつけました。
一〇〇式司令部偵察機四型、九七式司令部偵察機二型とかです。
 さらに武装の換装や派生といった小改修型については「型」もしくは「機種名」のあとに「甲・乙・丙・丁」などをつけることにしています。

愛称は?

 陸軍の場合は海軍のように用途に応じた命名法はなく、国民への宣伝や広報のために分かりやすく「愛称」を付けることにしていました。アバウトです(笑)。
 例えば三式戦「飛燕」などですと、その液冷型のスマートな形から「ツバメ」に似ているから「飛燕」と呼ぶとか、「屠龍」ですと、 敵の大型爆撃機を屠る龍のような意味を込めてなど、センスがモノを言う命名法になっています。

Kawasaki_Ki-45.jpg
B−29撃墜に成果をあげた二式複座戦闘機丙型丁装備(キ45改丙)

 戦闘機では、一式戦「隼」、二式戦「鍾馗」、三式戦「飛燕」、四式戦「疾風」などですね。
 なんか、この頃の軍人さんってネーミングセンスが上手いように思うのですが、当時としてはかなり教養があったせいなのでしょうか。

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タグ:日本陸軍機
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コメント 2

hideta-o

onemoreさま
鉄道のカタカナ記号ですが、明治5年の新橋-横浜間鉄道開業以来のものですので、ひょっとすると陸軍のより古いかもしれません。ちなみに「モ」はモーター付き、「ハ」はイロハのハで3等車、戦後の等級変更後は2等車、現在は普通車を意味します。
by hideta-o (2014-04-03 12:55) 

onemore

★ hideta-oさま
こんにちは〜。
すると、鉄道の名称の付け方を、陸軍が真似た可能性が高いかもしれませんね。
陸つながりなのでしょうか?
貴重な情報、ありがとうございます!
勉強になりました ^^
by onemore (2014-04-03 13:11) 

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