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生涯被弾は1発のみ〜イギリスの撃墜王、ジョニー・ジョンソン

 この冬に発売予定のハセガワ1/48スケール「撃墜王 蒼空の7人」に登場するエースについて機体と共に記事をアップしようと思います。

 まず第1回めはイギリスの撃墜王、ジェームズ・エドガー・”ジョニー”・ジョンソンから。

Cap 399.jpg
スピットファイア Mk.IX ジョニー・ジョンソン機
胴体に描かれた”JE-J”は彼のイニシャルです。



◆生涯被弾は1発のみ〜イギリスの撃墜王、ジョニー・ジョンソン

Cap 398.jpg

 ジェームズ・エドガー・”ジョニー”・ジョンソンJames Edgar "Johnnie" Johnson, 1915年3月9日 - 2001年1月30日)

 英空軍公認の撃墜数38機(うちドイツ空軍機34機撃墜)。RAF認識番号83267。
 1915年レスターシャーのラフベレに生まれ、ノッチンガム大学修了後、土木技師となりましたが、1939年空軍志願兵予備隊に入り、訓練中に開戦を迎えます。
 1940年8月パイロットコースを終え、最新鋭のスピットファイア部隊で有名な第616飛行隊に配属されたのですが、その時は病のため、有名なバトルオブブリテンには参加していません。

 初撃墜は、1941年の6月でBf109ですが、その後の撃墜はしばらくなく、1943年の3月にケンリ-基地のカナダ戦闘機隊127航空団司令に任命され、ヨーロッパ大陸に進出するようになるとメキメキと撃墜数を伸ばし始めます。
 この時の彼の愛機はスピットファイアMk.IX(マーク9)。実戦配置を解かれる同年9月のわずか半年間で総計25機を撃墜しています。
 1944年3月からは、カナダ戦闘爆撃隊の144航空団に復帰、空戦にも参加し同年9月27日までに38機のスコアとなりました。

 撃墜記録の全てが戦闘機であり、戦闘機のみの撃墜数では、ソビエトも含めた全連合軍の中でも最多の記録を誇ります。Bf110などの双発戦闘機はほとんどなく、Bf109,Fw190などの単発戦闘機を撃ち落としているのですからスゴイ腕。しかも、空中戦での被弾はたった1発であったといいますから運と腕の良さが伺えますね(フィンランドには更に上がいますが)。

Cap 400.jpg

 ジョニー・ジョンソン自身は、イギリス人ですが、傭兵のカナダ人部隊(第144航空団)を率いていたこともあり、その人徳から同隊のカナダ兵士たちからも尊敬されていたといいます。

 最終的な階級は少将で、1966年に退役しました。
 著書「WingLeader」は古典的な名著として知られています。


補足:イギリスでは、マーマデューク・パトルという、非公式ながら40機撃墜以上という人もいるのですが、1941年4月という早い時期に戦死してしまい、非公式のままになっております。もし本当ならこの方が西側諸国のトップエースです。
 

スピットファイアについて

さて、本ブログではあまり取り上げられなかった(というか、今回初?) ”スーパーマリン・スピットファイア
ですが、零戦、Bf109、P-51と並ぶ有名な戦闘機ですね。
 バトル・オブ・ブリテンでは、救国の戦闘機とまで呼ばれ、敵国のアドルフ・ガーランドに
さえ、「スピットファイアを1個飛行隊欲しい」とまでいわしめた優秀な戦闘機です。

 初飛行は1937年3月と古いのですが、その基本設計の良さから様々な改良、派生型が生まれ合計2万3千機の生産と1950年代まで使用されていたという実績を誇ります。ある意味、あのP−51を差し置いて最優秀戦闘機との呼び声もある位です。

 初期のMK.Iの1030馬力3枚プロペラから最終的には、
2350馬力の二重反転プロペラにまで進化を遂げました(グリフォンエンジン搭載シーファイア)。その間のバリエーションはざっと40近いそうで。ま、主要な量産型であるMk.I(マーク1)、Mk.V(マーク5)、Mk.IX(マーク9)の3つだけでも知ってるだけでも大まかな把握はできますが(笑)。

 そんな優秀な戦闘機、スピットファイアでも欠点はありました。この欠点は用兵の変更によって生じるのですが、第一には航続距離の短さでした。これはバトル・オブ・ブリテンで見せたBf109と同じ弱点なのですが、防衛の迎撃にはさほど問題にならない航続距離の短さも、こんどは侵攻側になって爆撃機の護衛などの任務になると、致命的な問題になります。
 この一点があって、最優秀戦闘機の座をP-51マスタングに譲ったといっても過言ではありません。

 第二の欠点は、特徴的な楕円形の主翼による生産性の悪さ。この点でも、生産性とコスパに優れたP−51マスタングに負けております。でも、この楕円形がスピットファイアの特長ですから仕方がありませんね。
 この主翼ですが、先端が簡単に取り外しできるようになっており、翼端カットの単翼型や高々度任務用の延長型など変更が容易になっているのも特長です。 

Cap 403.jpg





ハセガワ1/48スケール「撃墜王 蒼空の7人」

このキットでは、Mk.IX(マーク9)ですね。塗装バリエーションは、2種類。ケンリー航空団時のバージョン(下画像)と、第127航空団の時の乗機です。主翼及び胴体後部の白黒の縞模様「インベンジョン・ストライプ」が入っているバージョンだと思われます。


1/48スケール7機セット”撃墜王-蒼空の7人-”
現在のところ最安店は楽天市場のあみあみさんです。



1/48 撃墜王-蒼空の7人- (W.W.2 世界のエース7機セット)
プラモデル[ハセガワ]《12月予約※暫定》



さて、次回は、枢軸国イタリアのエースに行きましょう。

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コメント 2

ロートレー

内容の濃いとても良い解説記事で一気に読みました。

by ロートレー (2014-10-03 06:56) 

ワンモア

★ロートレーさま
ご訪問とコメントありがとうございます。
まだあと6回ありますので頑張ります(笑)
by ワンモア (2014-10-03 18:51) 

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