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帰らぬ英雄〜イタリアの撃墜王、フランコ・ルッキーニ

 この冬に発売予定のハセガワ1/48スケール「撃墜王 蒼空の7人」に登場するエースについて搭乗した機体と共に記事をアップしようと思います。

 今回は2回目、イタリアの撃墜王、フランコ・ルッキーニを。

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ルッキーニ大尉の愛機、MC.202/84−1号機


◆帰らぬ猛将〜イタリアの撃墜王、フランコ・ルッキーニ

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 フランコ・ルッキーニFranco Lucchini, 1914年12月24日 - 1943年7月5日)は、イタリア空軍の軍人で、イタリア空軍のトップ・エースです。総撃墜数は26機とエースの中では少ない方ですが、イタリアの参戦期間の短さや、戦死ということもあり、記録は途中で止まったかたちになりました。もっとも共同撃墜は50機近く記録されており、イタリアのトップエースの座は揺るぎないものと思います。

 空戦のスタイルは激しいもので、敵戦闘機と空中衝突し墜落する事が2回もありました。被撃墜も4回。内1回は共和国軍の捕虜となり半年間勾留され、開放された頃には内戦が終結しています。

 自分が落とされる被撃墜数が多いのは、近距離での射撃のためかと思います。多くのエースたちは射撃のコツは相手のパイロットの顔が見えるまで接近することと語っていますので、ルッキーニにもそれに習っての行動なのでしょう。
 「普段は生真面目で内気なのだが、戦闘になると勇猛果敢で攻撃的になる」という僚機の同僚の証言もありますから猛将の名に相応しい戦い方だったと思います。
 この点、被弾数が1発しかない、イギリスの撃墜王ジョニー・ジョンソンやフィンランドの「無傷の撃墜王」エイノ・イルマリ・ユーティライネンとは同じエースといえども大きく異なりますね。

 フランコ・ルッキーニは、被撃墜が4回と多いながらも、敵機を見付ける目の良さと射撃の腕が冴え、軍の広報により2回報道され有名になりました。
 スペインの内戦に従軍志願し、参戦。WW2では北アフリカ戦線で20機を撃墜し、イタリアのトップエースとなったルッキーニでしたが、1943年7月5日シチリア島カターリアにて、アメリカ陸軍の爆撃機航空群の援護をしていたスピットファイアを撃墜した直後に爆撃機の銃火にやられ、戦死してしまいます。
 遺体は、2日後に墜落した残骸の中で発見されました。今回の7人のうちで唯一戦死した方です。



◆乗機マッキC.202フォルゴーレ

 右と左で模様が違う特長的な迷彩 マッキ C.202/84-1号機 (Macchi C.202 Folgore 84-1)。ルッキーニ大尉に渡った時からすでに異例なほど長寿命で、右翼を後期型で修理してある為に迷彩パターンが違うのが特徴です。
再塗装せずにそのまま使用するというのがなんか笑えます。

MC.202.jpg


 もっと驚くのは、この機体。左の翼が右に比べ20cm長いのです。これは同機以外でも戦前からイタリア機でしばしば用いられた手法で、プロペラの回転方向に生じるトルクモーメントを打ち消すためのものだそうです。流石イタリア。でも20cmっていうと、1/144スケールだと1.4mmくらいの違いですね。事前に知らないと誤差?って思うくらいの違いかも。1/48スケールでは、4.2mm、1/32スケールだと6.3mmくらいなので、左右でその差を較べてみるのも模型製作の楽しみかもしれません。

MC.202.jpg
左右の翼の長さの違いがわかりますでしょうか?


マッキの系譜と愛称の意味

 このマッキC.202ですが、スタイルがなんとなくドイツのメッサーシュミットBf109に似ていますが、それもそのはず、エンジンが同盟国ドイツのダイムラー・ベンツDB601(1,100馬力)なのです。

 マッキC.202の前身であるマッキC.200サエッタは空冷エンジンで870馬力程度、500km/h程度でしたので、この空冷エンジン搭載のマッキC.202は最高速度600km/hクラスになり、イタリアの主力戦闘機となりました。

Cap 416.jpg
マッキC.200サエッタ

 この後継機がマッキC.205です。C.205Nがオリオーネ(オリオン座の意味)、C.205Vヴォルトロ(狩猟犬の名)と、ネーミングがいかにもイタリアって感じで格好良いですね。
 ちなみにC.202がフォルゴーレで稲妻の意味、マッキC.200がサエッタで稲妻、矢の意味です。

 後継機のマッキC.205は、DB605(1,475馬力)に合わせた改良型で、正に決定版ともいうべき優秀な戦闘機なのですが、生産機数はわずか260機あまり。イタリアが早々と降伏、分裂状態となり、活躍できる機会はそんなにありませんでした。


<参考記事>→イタリアの航空機について調べてみた。 

ハセガワ1/48スケール「撃墜王 蒼空の7人」

このキットは、もちろんルッキーニ愛用のマッキC.202になります。右と左の迷彩パターンの違いもOK。
デカールは、イタリア航空団第10航空群第84飛行隊 有名な84-1号です。(1942年9月)



この、あっは~んみたいなポーズは何故?どこかの写真から??


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現在のところ最安店は楽天市場のあみあみさんです。



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次回は、世界のエースパイロットたちの中でも最高の出世を遂げたソ連の撃墜王です。ハラショー!

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コメント 2

タイド☆マン

男のロマンですね☆
by タイド☆マン (2014-10-03 21:34) 

ys_oota

左右の翼の長さが違うなんて面白いですね。しかも理に適っている。さすがデザインの国イタリアです。
by ys_oota (2014-10-04 00:14) 

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