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サン・テグジュペリと星の王子さま

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 明日の6月29日ですが、「星の王子さまの日」になっているのです。
 これは、有名な「星の王子さま」の作家で、パイロットでもあった、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900年6月29日生 - 1944年7月31日没)の誕生日を記念して制定されています。今年で生誕115年。

 郵便輸送のためのパイロットとして、欧州-南米間の飛行航路開拓などにも携わったテグジュペリは、第二次大戦で1940年に祖国フランスが一旦敗れるとアメリカへ亡命、偵察隊に志願します。
「祖国が踏みにじられるのを黙って見ていられないが、人殺しはしたくない」というのが偵察員を選んだ理由だそうです。 

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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ42歳


 26歳で作家デビューしていたテグジュペリは、この時40歳。世界的にも有名な作家となっていました。1931年に発表した『夜間飛行』、1939年の『人間の土地』などはベストセラーとなっていますが、一番知られている作品はなんといっても『星の王子さま』だと思います。
 この作品は、戦争中の1943年に出版されましたが、現在まで全世界で8000万部以上、日本では600万部が売られています。
日本だけで600万部ってスゴイですよね。箱根には”星の王子さまミュージアム”もあるくらいですから人気の作家だと思います。

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箱根の”星の王子さまミュージアム”のオブジェ


 さて、この「星の王子さま」の内容ですが覚えている方いらっしゃいますでしょうか。
大切なものは、目に見えない」という有名な言葉を始めとした本作の言葉は、生命とは、愛とはといった人生の重要な問題に答える指針として、児童文学ながら、子供の心を失ってしまった大人に向けての示唆に富んでいます。

 簡単なあらすじを紹介しますと

 操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着する。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会う。話すうちに、少年がある小惑星からやってきた王子であることを「ぼく」は知る。
 王子の星は家ほどの小さなもので、よその星からやってきた一輪のバラの花を大切に世話をしていた。
 ある日、バラの花と喧嘩したことをきっかけに王子は、旅に出る。
他の小惑星をいくつか訪れて様々な出会いを王子は経験し、7番目の星として地球に来ていることを「ぼく」に語る。
 日々飛行機を修理しようと悪戦苦闘するかたわら、地球でヘビやキツネとの出会いを通じて、大切なものを知った王子は、自分の星へと帰る決意をする。
 飛行機が直り、二人に別れの時がくる・・・。

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 という内容です。続きがきになる方は是非、お読みになってください^^

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ。」
「誰もが心の中に一輪の花を持っている。この世の中には、花は沢山あるけれど、自分が大切にするたった一つの花がある。」


 などの名言が散りばめられています。
 Amazonのレビューでも「大人になって久々に泣いた本」、「大切なものを思い出させてくれる」とよい評価が多いですね。

 昔聞いた「スマップ」の「世界で一つだけの花」(作詞作曲:槇原敬之)って、ここから来ているのかなと思ってしまいました。

 さて、サン・テグジュペリですが、この『星の王子さま』を脱稿後、1943年6月に原隊である II/33 部隊(偵察飛行隊)に着任、コルシカ島に進出していきます。
 そして、
1944年7月31日、フランス内陸部グルノーブル、シャンベリー、アヌシーを写真偵察のため、ロッキード F-5B(P-38 ライトニング双発戦闘機の偵察型)を駆ってボルゴ飛行場から単機で出撃後、地中海上空で行方不明となりました。

 “サン=テグジュペリ未帰還・行方不明”の報は無線を傍受していた敵側のドイツ側も知っていたそうで、当時、既に国境・民族を越えて愛されていた彼の安否を心配したドイツ空軍も独自に捜索を行っていたとのことです。

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サン=テグジュペリの最後の乗機となったF-5B(P-38の偵察型)
マーキングは諸説あり

 
 時は流れて1998年9月7日、地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域で、サン=テグジュペリの名ものと思われるブレスレットが、地元のトロール船によって発見されました。

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海中から引き揚げられたサン=テグジュペリのブレスレット

 広範囲な探索が行われた結果、2000年5月24日にサン=テグジュペリの搭乗機を発見。このことが2000年5月26日にマスメディアで報じられ、世界中に知られるところとなったのです。
 サン=テグジュペリが行方不明になって56年後のことでした。
 撃墜したと思われるパイロットは、当時Bf109のパイロットだったホルスト・リッパート曹長だそうで、彼自身もサン=テグジュペリ作品の愛読者でした。
「長い間、あの操縦士が彼では無いことを願い続けた。彼だと知っていたら撃たなかった」と話していたそうです。
 ファンに殺されてしまった悲しい運命が戦争の苛酷さを物語っているように思います。
 サン=テグジュペリは敵味方に関係なく多くの人々に愛された作家だったのですね。

『人間の土地』なども学校の先生から読んでおけと勧められた本でした。


「経験は僕らに教えてくれる、愛するということは、お互いに顔を見あうことではなくて、一緒に同じ方向を見ることだと。」
 はっとさせられる言葉が散りばめられている名著だと思います。

→星の王子さまウエブサイト

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コメント 2

海を渡る

こんにちは。
コメントありがとうございます。
写真は楽しいですよ。
始められたらいかでしょう^^。
by 海を渡る (2015-06-28 12:43) 

ワンモア

★海を渡るさま
いつも美しい写真をありがとうございます^^
私、始めたら絶対のめり込んで、
つぎ込みそうなのでちょっと恐いです^^;
by ワンモア (2015-06-30 10:18) 

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