2 金箔の洗浄
金具を外したところで、洗浄に入ります。金箔は擦るだけで剥がれてしまいますので、触らないように洗浄するのが基本ですが、今回は、ほとんど貼り直しですので、汚れを落とす方向で行きます。
金箔表面の汚れが落ちました。金自体は変色しませんので、当時の風合いがそのまま出てきます。周りの茶色の汚れが長年のお線香などの煤やヤニですね。
金箔の洗浄には柑橘系の洗剤を希釈して使います。ただ、水を多めに使うのが厳禁です。
木肌に水が染みこむと、膨張して、変形やひび割れの原因になるからです。
ですので、なるべく隙間に洗剤が入らないように、直接スプレーで吹きかけることはせずに、優しく擦るようにして汚れを落としていきます。
洗剤を落とすときも水をなるべく使わないでアルコールなどで洗剤を拭き取ります。
3 漆面の汚れ除去と艶出し
さて、今回のメインの作業です。漆面を磨きます。洗剤などで汚れを落とすことはできますが、先ほどの木肌に水分を染み込ませないためにも、コンパウンドなどの研磨剤で汚れを落とすことにします。
今回、使用したのは、なんと自動車用のコンパウンド剤。メーカーは忘れましたが、仏具屋さんも使用しているのです。
磨き粉の中にワックス成分が入っており、研磨と同時に艶出しも兼ねています。
カシューの保護艶出しと相性が良いそうなのです。良いと判断したものはこだわらずに流用するのですね。
この他にも、ギターなどの高級家具の手入れ用のワックスも使えます。
漆(うるし)は、現在はほとんどが合成うるし、カシューと呼ばれるものを使用しています。乾きはかなり遅いですが、もちっとしたツヤが出るので人気の塗料なのです。
本うるしに負けないツヤが人気です。
一缶800円前後。乾燥時間は最低でも8時間と遅いです。でもその遅さが筆によるムラをなくし、もっちりとした深みのある艶を出すのです。
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2015-07-23 23:53
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コメント(6)
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うは!艶っつやw
丁寧に掃除するとこんなにも蘇るものなんですね~^^
by ちょいのり (2015-07-24 01:02)
私がお世話になったことのあるギターの修理屋さんからも
“自動車用のコンパウンド剤” を使うって話し聴いたことあります。
仏具にも使えるんですね〜♪ (๑◔‿◔๑)
“カシュー” ははじめて知りました。
なにより繊細さと根気が素晴らしいなぁ・・・。興味深いです。
by desidesi (2015-07-24 10:10)
綺麗になるものですね。
by 楽しく生きよう (2015-07-24 18:01)
いい艶出ますね~
金箔貼ったら新品のレベルですね。
by oink! (2015-07-24 23:16)
これは、ワンモアさんならではの繊細な作業ですね
次回が楽しみです。
by ロートレー (2015-07-25 12:55)
★ちょいのり さま
はい〜。漆面を一枚そぐ感じですね。元はツヤツヤ^^
★desidesi さま
職人さんは用途や銘柄にこだわらず、良いものは良いと
採用して使うところがありますよね。
カシュー、せっかく購入したのでなにか使えないか試案中です。
★楽しく生きようさま
ここまでの作業時間は1時間かかってないです。ブログに上げる時間の方がかかったりして(笑)
★oink!さま
金箔作業はエアコンの微風も大敵なので、昨日は休みました(笑)。暑いし!
★ロートレーさま
次回の金箔作業は、無風状態で作業しないといけないので、ちょっと躊躇しております。だって暑いし(笑)^^;
by ワンモア (2015-07-25 18:41)