ちょうど小児科の窓から離発着時がよく見えるので子どもたちは大喜び、窓ガラスに張り付いて見ています^^;
メンテナンス飛行なら良いのですが、急患の搬送時だと緊急時で一刻を争う事態でしかドクターヘリは使用しませんので、大人たちはハラハラしてみています。
今回はそんな私たちの命を守ってくれるドクターヘリの話を。
◆ドクターヘリって何?ドクターヘリの定義
ドクターヘリはどういうヘリなのかということですが、簡単にいうと、重症救急患者に対応する医療機器を装備し、医薬品を搭載した救急専用のヘリコプターのことです。
救命救急センターなど、高度な医療が提供できる医療機関の施設内またはその近くに配備されていることが原則で、出動要請がある場合は、当該病院の救急診療に精通した医師および看護師等が直ちに原則として3~5分以内に離陸し、患者発生現場に出動できる体制にあること、そして、現場および搬送中に適切な処置、治療を行い、その患者に適した高度医療機関に搬送できることが定義づけられています。
救急車との違いは、医師や看護師などの医療スタッフが直接現場に駆けつけて治療ができるということですね。救急車は救急救命士が救命措置をしつつ、医師のいる病院に搬送するので、この差は大きいと思います。
◆どんなヘリコプターを使っているの?
実は厚生労働省で各自治体にオススメしているヘリコプターがあるのです。それはユーロコプター社のEC135。安全性の高い双発エンジンで、航続距離は646km/h、最大速度は287km/h。搭乗人員は最大6名。
栃木県では"EC 135 P2+"というタイプで、航空機エンジンの制御を行うデジタル装置の性能向上型なのです。県内で1機のみがここ獨協医科大学病院にドクターヘリとして配備されています。
これ以外にもMD902、BK117、ベル429、AW109SPグランドニューなどのヘリがドクターヘリとして日本各地で運用されています。
ドクターヘリの出動基準
◆どの位の頻度で出動しているの?
栃木県のドクターヘリは、昨年だけで出動依頼が872件で、実出動が751件ありました。一日約2回の出動です。特に多い月というものなく、平均して出動している感じですね。うーん、これは多いのか少ないのか。でもありがたいことです。
栃木県全域が運航範囲ですが、お隣同士の茨城県、群馬県とも連携をしています。
出動要請から3分以内に離陸し、約10分~20分で栃木県全域をカバーしていますから、一刻を争う急患にとって、なによりも代えがたいものがあると思います。致命傷の向上や後遺症の軽減にかなり貢献していますよね。
◆どこにでも来てくれるものなの?
県内ですと、時間がかかっても約20分で到着しますが、着陸する場所は限られているのです。
原則として、あらかじめ登録された着陸場所=ランデブーポイント(救急隊とヘリが合流する場所。公園や学校のグランド等が多い)の中から最適な場所に着陸することになります。
但し、緊急時の救助で着陸の安全が確保できれば、ランデブーポイント以外にも着陸することも可能です。
ヘリコプターの特性上、運航及び離着陸の際には騒音や砂塵等が発生しますが、初めてヘリが近くまでくるとビックリするかもしれませんね。
私も、とある山間部を走っていたら後ろから救急車が追い抜いていって、その後すぐ先の小学校の校庭にドクターヘリが着陸してきてビックリしたことがあります。
ちなみに校庭に着陸が決まると、学校側に連絡が入るのですが、「あと5分後にドクターヘリが行きます」という感じで早いらしく、先生たちは、大急ぎで生徒を誘導し、校舎の中に入れたとのこと。生徒たちにとってもこういう救急医療の現場を見ることで、人命尊重の社会勉強にもなると思います。
更には校庭など砂が巻き起こりやすい場所は、あらかじめ消防隊が先回りして水を巻いておくなど、一般市民を安全な場所まで誘導したりというサポートを行っています。
ちなみに栃木県内では559箇所、宇都宮市だけでも26箇所ものランデブーポイントがあります。県内をたった1機で559箇所の場所を覚えて、降りられるようにするのだから訓練だけでも大変ですね。
→宇都宮市のランデブーポイント
では、次の記事で、全国のドクターヘリの状況と今後の課題や様々な疑問を。
→続きます
参考資料
→航空救急(Wikipedia)
→ドクターヘリ(Wikipedia)
→獨協医科大学病院ドクターヘリHP(ペーパークラフトDL先)
→EC-135(Wikipedia)など
→鹿児島ドクターヘリ〜救急医療の手遅れをなくす
|
|
|
|
|
|
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
アリゾナ記念館 ミズーリ記念館でも
特にそのようなコトはありませんでしたよ
by タイド☆マン (2015-10-20 21:09)
ドクターヘリと言われると「ジェネラル・ルージュの凱旋」を思い出します。
チーム・バチスタのシリーズでドキドキしながら小説を読んでました(^o^)
by アニ (2015-10-21 00:23)
これは増えて欲しい!
山間部の僻地や離島などなど、待ってる方大勢居ると思います^^
制約はまだまだたくさんあるでしょうが、頑張ってほしいですね^^
実家に帰ったとき近所の伊豆NTT病院(元、逓信系の病院)の駐車場にヘリコプターが目の前に着陸してびっくらしたのですが、
『あああれ?あれはドクターヘリだよー』ってお母ちゃんがサラッと言ってたけれど、
市街地みたいなとこで見るヘリは迫力を通り越して怖かったです^^;
by ちょいのり (2015-10-21 01:51)
今回もとても勉強になりました。
ドクターヘリの存在は知っていても、具体的な事は
殆どの人は知らないのでは? 次回も期待しています。
by johncomeback (2015-10-21 09:38)
私の職場の近くの小学校にドクターヘリが着陸したことがあります。
飛行機が墜落したのかと思うくらいのものすごい爆音でした。
by desidesi (2015-10-21 11:14)
★タイド☆マンさま
戦った者同士が分かち合えるものがあるのですね。
★アニさま
おぉ、それは知りませんでした。今度調べてみます^^
★ちょいのりさま
山間部や僻地や離島などはドクターヘリが活躍できますね。最低60機。理想は80機と言われていますので、普及して欲しいです。
★johncomebackさま
私もPRしていこうと思います^^
★desidesi さま
ヘリの爆音と風圧は凄いですよ〜。セスナに比べてヘリは上下運動がすごくて、ヘリ酔いしてからちょっと苦手なのです。見るだけで良いかな〜^^;
by ワンモア (2015-10-21 20:13)