もう数十年以上も昔のことになります。当時、小学校に上がりたての私は、東京都の板橋区に住んでおり、新河岸川を挟んだ学校に通っていました。
その日も、同級生の何人かと帰っていると、橋の上から見たこともない巨大な不思議な生物が見えたのです。
新河岸川の岸辺をのっそ、のっそと手足を動かしてゆっくりと進んでいる黒い生物。頭が大きく丸い胴体。頭から尻尾まで一体化したその胴体から手足が出ています。
ただ、それが、橋の上からでもはっきりと見えた巨大サイズだったのですが、後で色々と調べたら現在確認されている最大サイズは150cmというのです。しかし、そんな人を横にしたようなサイズではありませんでした。
もっと大きくて、大人たちの身長よりも一回りも二回りもあるかのような印象を受けたのです。特に胴体などは人間の大人の胴体くらいで、2m以上のサイズは確実にあったと思います。橋の上からでも、その黒々とした肌のぬめり感、手足の細部に渡ってまでよく覚えているのです。
上の写真は、鴨川で発見された1mのオオサンショウウオですが、お巡りさんとの距離を考えると、私が見たのは確実にもっと大きかったです。
腑に落ちないことは、一緒に目撃した同級生がいたはずなのですが、それが誰だった思い出せず、小・中学校と、ことある事に同級生たちに訊ねてみたのですが、一緒に見たという証言者が出てこないのです。
みんなで大騒ぎしたはずなので、かなり印象にも残っているはずなのですが、誰も名乗りでてこないのです。うーん、自分は何十年経っても記憶に残る相当な衝撃だったのに。
高校生や大人になった同窓会では、「そんな巨大であれば世紀の大発見ものじゃないか」と言われ、記憶違いじゃないか?という感じで言われ始めました。
人間というのは、不思議なもので、周りから何度もそう言われると、「もしかして自分の記憶が間違っていたんじゃないか」とか、「初めてみた生物のインパクトが強すぎて過大に記憶を改ざんしてしまったんじゃないか」とか、挙げ句の果てには、「図鑑で見たオオサンショウウオが先で、その印象が強くて、現実に見てしまったと妄想してしまったんじゃないか」とまで。自分の記憶を疑うようになりました(笑)。
でも、東京の「新河岸川」にそんな巨大な天然記念物がいたなんてと思うと、この生物が向かっている先には何があるのだろうか、仲間がもっと生息しているのではないかと思うと、新河岸川の上流は、子供の頃に私にとっては冒険心をくすぐられたのです。
そのオオサンショウウオはゆっくりと手足を動かしながら、自分が向かうべく所を知っているかのようでした。私にとって未知なる生物(UMA)が帰る場所。それが「埼玉」という地でした。
ということで、冒険心旺盛の私は、歩いて新河岸川を遡って埼玉県に侵入しては迷子になってパトカーのお世話になり、自転車が乗れるようになると、再び埼玉の県境を超え、夜になって帰れなくなり、また警察のお世話になりました(笑)。懲りない少年だったのです。
そして、更に数年たち、今度は「新河岸川」の近くの「荒川」で遊んでいた時も不思議な体験をしました。
壊れかけた小舟で遊んでいたら、荒川の上流から流れてきた「卒塔婆」が自分たちの小舟に吸い寄せられるように近づいてきたのです。
詳しい内容はこちらの記事(ついてきた卒塔婆〜拙ブログ「黄昏怪奇譚」)を読んでいただくとして、この卒塔婆が流れてきたののも「埼玉」という地からでしたので、怪奇現象やUMAなどがやってくる「埼玉=未知なる地」という印象が強く残ったのです。正に不思議ワールドでした^^;
東京と埼玉の県境とは「この世」と「この世ならざる」神秘で怪奇な異界世界の境界のように思えたのです。「ここから先は魔界の地だ」なんて・・・^^;
埼玉の住民の人たちも、東京の人間には内緒にしている何か怪しい秘密を持っているのではないかとか、見えない所で変身したり、魔術を使うのではないかとかと疑心暗鬼の目で見ていたのです(笑)。すれ違う犬も「本当にこれは犬なのか?」なんて思っていました。
地名を覚えるようになると、和光市=この世と異界の入り交じる地、朝霞市=平日に行ける冒険の地。志木市=一日かかるので準備が必要な奥地。富士見市=辿り着いた者は勇者(笑)、みたいな感じです。
戸田市は荒川を超えるので、戸田橋と笹目橋は東京と埼玉をむすぶ探検の入り口だったのです。(埼玉にお住まいの方、ゴメンナサイ^^; 当時の子供の頃の印象です)
その後大人になっていくにつれ、埼玉も私達の住んでいる地と変わらない普通の場所ということが分かり、冒険心も薄れていくのですが、数十年ぶりに車で通った時に当時を懐かしく思いました。
車では簡単に通り過ぎてしまうもんですが、子供時代には、夢とロマンが溢れる冒険心を満喫できる異界ワールド、それが私にとっての埼玉だったのです^^;
でも、いつか、更に上流を見てみたいものです。あの時遭遇したオオサンショウウオは本当に実在したのでしょうか。できれば、もう一度逢ってみたいと思います。
そしてあの卒塔婆はどこからどうして流れてきたのでしょうか・・・。
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京都のオオサンショウウオ・・・デカイですね。
主???かと思っちゃいます。
子供の頃の発想は、夢と冒険の世界ですね。(^_^)
大人になると薄れていきます。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-03-09 20:45)
えぇっ!?オオサンショウウオってそんなにデカくなるんでやすか!
両生類好きのあっしも ちょっとビビリやす(◎o◎:
by ぼんぼちぼちぼち (2016-03-09 21:36)
★なんだかなぁ〜!! 横 濱男さま
京都の鴨川で発見されたそうですが、これでも1m弱みたいです。私この体験があるので、さほど大きくないなぁと思ってしまいました^^;
★ぼんぼちぼちぼちさま
今なら小学生でもスマホで撮影できたのでしょうが・・・・。うーん、私の頭の中の記憶映像を公開したい^^;
確かに巨大で違和感を感じたのです。のっしのっしと進んでいた様子が忘れられません( ˘•ω•˘ )
by ワンモア (2016-03-09 22:23)
あそこにそんなのがいたんですね~
子供の頃は荒川の土手の水たまりでオタマジャクシ捕っていました(笑)
by たくや (2016-03-10 10:50)
埼玉って当時の少年には、すごい場所だったんですね(爆笑)
私も小学校の頃、川原に何かのでっかい骨(牛?)が落ちていて、友達数人と、これは恐竜の骨に違いない!と
職員室まで持っていったら、先生に怒られました。
早く捨ててきなさい!って。
でも、私たちは、ぜったいはあれは恐竜だよね・・・と、
信じて疑いませんでした(笑)
by caveruna (2016-03-10 13:02)
拙ブログへのコメントありがとうございます。
荒川の源流に近い秩父に6年住んでいました(*´∇`*)
北海道民だった頃、埼玉は東京に隣接した大都会だと
思っていましたが、秩父は僕が高校・大学時代を過ごした
室蘭より田舎で驚きました。
by johncomeback (2016-03-10 14:21)
昔 荒川の土手で 豚や牛の死骸を見ました
台風の後に 起こる現象なんですが
子供心にとんでもない発見だったんですが
なぜか 2〜3日で無くなっちゃって見れなくなるんですよね
ある時 イルカとも鯨の小さいのとも見れる死骸が
打ち上がっていたのですが これも2〜3日しか見れずでした
やれ タマちゃんだとかなんだとかより
インパクトは抜群だったんですがねぇ
by (。・_・。)2k (2016-03-10 17:36)
新河岸川のあのあたりにオオサンショウウオ、昔でしたら、いそうですねぇ。でも、ほんとにおっきいんですね、オオサンショウウオ。子供が見たら、まさに怪獣のように見えた気がします。
by 足立sunny (2016-03-10 21:23)
ボクは静岡からの埼玉移民なんですが、
海が無い代わりに河川での面白発見がたくさんです^^
中途半端な都会と田舎の狭間だから実に面白い!
煉瓦に括ってしまうと、
これがまた明治大正の灌漑施設は埼玉に関東の80パーセント以上の割合を占める煉瓦の堰や樋門があったりしますw
未だに自然多いですしね^^
たまたまだけど埼玉に来てよかったですw
卒塔婆は流石に流れてこなかったけれど、
静岡にいた頃は上流に養豚場があったのか、
河川敷に豚さんの変わり果てた姿が・・・なんてこともありましたです^^;
by ちょいのり (2016-03-12 03:18)
★たくや さま
オタマジャクシって大量発生すると怖いですよね^^;
★caverunaさま
なんか埼玉をディスるような内容ですみません^^;決してそんな意図はないのですが^^;
大人は子供の夢の扱いって大事だと思うのです。
★johncomebackさま
秩父は田舎かもしれませんね・・・^^;
★(。・_・。)2kさま
おぉぉお、似たような体験を私もしているんです。
あれって謎ですよね。私達の間では「荒川トワイライト・ゾーン」って呼んでいました^^;
今思うと荒川って、なんであんなに死骸と遭遇していたのか。不気味です。
★足立sunnyさま
はい、頭の中の映像をお見せしたいです。本当に巨大でもしかしたら、さかな君のように、そっちの世界の道に行っていたかもしれません(笑)
★ちょいのりさま
埼玉って都会の雰囲気と田舎の雰囲気が融け合って、見どころも沢山ありますよね。もっと魅力を紹介しなくてはいけませんね^^
by ワンモア (2016-03-12 20:11)
川越までよく釣りに行きました。
昔は、この川凄かったです。
行くたびに爆釣でした(^^)
by JR浜松 (2016-03-15 05:56)