前回、エフトイズから発売される「ユーロジェットコレクション2」にスウェーデンの戦闘機、「サーブ39 グリペン」が登場しますので記事にしておきたいと思います。
【意外と重要かも?低コスト機の開発】
小さな国や貧困国が国防体制を作るにはかなり大変なことなのです。なにせ予算がないので、大国の中古機や旧式機を探す国が多く、その分、整備も大変になってきます。身の丈にあった戦闘機なら良いのですが、「中古機なんて!」という声も国民から非難されることもありますし、ライバル国との比較もありますしね。^^;
なにせ、最近の戦闘機はハイコストになる傾向が強く、100億円以上は当たり前になってきました。
価格は一概に決められないのですが、F-15だと約120億、最新のF-22だと約200億以上。日本が導入しようとしているF-35は約140億〜200億いく可能性も( ˘•ω•˘ )
軍備拡張競争はその国の経済を圧迫しますので、旧ソ連のように体制崩壊の一因になることもあるのです。
ですので、軍事費というのは実は非常に重要なファクターだと思うのです。
【異色の戦闘機、グリペン】
そんな悩みを抱えた小国や発展途上国にとって非常に注目されているのが、このグリペン。エンジンを単発にしてステルスにこだわらない。それでいて色々な用途に使えるマルチロール機という異色の存在なのです。
スウェーデンは軍事的には建前上は中立国なので、NATOには参加しておらず、兵器も自主開発・生産です。国土的に平地が少なく、航空基地を効率的に配置するのが難しいこともあって、このグリペンはもちろん、先代のサーブ35ドラケンや、サーブ37ビゲンについても、有事の際には道路を滑走路として供用できるようにSTOL性能が持たされています。
最大の特徴は、整備性のしやすさと価格。戦闘、攻撃、偵察とマルチに活躍できて、お値段約50〜60億という安さ。
スウェーデンという平地が少ない国柄に合わせた、高速道路からも離発着できるSTOL(短距離離発着)性能、基地を分散させて行動するための整備性の高さなどを盛り入れてます。
国土が森林ばかりの日本にも導入してもいいんじゃないのという気もしますね。
話が脱線しますが、日本は世界でもトップクラスの森林率で、国土の2/3が森林。先進国の中では世界第1位のフィンランドに続いて世界第2位ですから、国土事情が似ているかもしれませんね。
国土や国家事情に合わせた戦闘機開発。日本とも非常に近いコンセプトなので、導入しても面白いなぁと思うのですが、アメリカさんが横ヤリを入れてきますから無理でしょうね。 ┐(´д`)┌・・・・
【ステルス性、双発は犠牲にしてまでの小型化とコストダウン】
さて、このサーブ39(JAS39)は、スウェーデン語のJakt(戦闘)、Attack(攻撃)、Spaning(偵察)の略称に始まるJAS39の機種番号通り、制空戦闘・対地攻撃・偵察などを過不足なくこなすことができます。
この多目的機は普通は大型にならざる負えないのですが、全長14m 全幅8.4mと、なかなかの小型機になりました。単発機のF-16が全長15m、全幅9.5mなので、うまく作り上げたなぁと思います。戦闘機全般でみると性能的にはちょっと厳しい部分もありますが、小型機としては超高性能という感じなのです。
犠牲になったのは航続距離などの性能や、生存性を高めるエンジンの双発、そしてステルス性能です。
ステルス性に関しては、技術的や経済的事情もさることながら、スウェーデン空軍は基本的に防衛空軍で侵攻する必要性がないということもあり、ステルスにはあまりこだわりがなかったかも。
スウェーデンの国にちゃんとあった身の丈にあった戦闘機を作り上げたと思うのです。初飛行は1988年。運用開始は8年後の1996年から始まっています
【輸出も成功している安価の多目的戦闘機】
スウェーデン空軍で160機が配備されていますが、低コストで優秀な戦闘機であるため、他国での採用も多く、主な輸出国は、南アフリカ共和国、ハンガリー、チェコ、ハンガリー、タイ、そしてブラジルも決定しています。
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サーブって車も作っているSAAB社ですよね?
by アニ (2016-03-20 01:16)
主翼の前に補助翼(?)があるのが
サーブの特徴だと思うのですが上下に動くんですね
ミステル・・・BF109が上側に付いているのでBF109のテストかと
思いましたが 下側の双発機が大型爆弾となって
いるんですね
by タイド☆マン (2016-03-20 05:32)
★アニさま
はい、でも今は別会社になったようですよ。
★タイド☆マンさま
スウェーデンの戦闘機は特徴的ですよね^^
by ワンモア (2016-03-21 16:16)