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「第4世代」以降のジェット機世代とそれ以降の予測その2

 さて、前回はジェット戦闘機の区分として第◯世代という呼称とその分類の仕方について記事にしました。今回はその続きになります。
 現在は第4世代から第5世代へと以降しつつある段階です。いわば第4.5世代ですね。


◆第4.5世代〜次世代との端境期(1988年〜)
 アメリカ、ロシア、中国、イギリス、そして日本などの代表的な国々が、すでに第4.5世代の運用に入っています。というのも次世代の第5世代は未だF-22F-35Bのみなのです。
 間もなくF-35A/Cなどが本格的に配備され始めますので、他国も次第に第5世代機へ以降する段階が現在の状況といったところでしょうか。

  代表的な戦闘機として、F-15E、F-15SE、F/A-18E/Fスーパーホーネット、Su-34、Su-35フランカーMiG-35、ユーロファイタータイフーン、サーブ39グリペン、ラファール、J-11B、J-15、J-16、J-10B、F-2など。

第4.5世代.jpg

 この第4.5世代は第5世代ジェット戦闘機の性能の一部を備えています。
 第4.5世代機として、初の実用化に成功したのはF-15Eストライクイーグル。外見の差はF-15B/Dと差はほとんどないのですが、機体構造の6割が再設計されており、その内部は別の機体といっても過言ではありません。1988年に部隊配備されていますが、F-22,F-35Aと共に2035年まで運用する予定だそうです。原型のF-15から数えると60年!第二次世界大戦の頃を考えると長く使えるようになりました。

 

300px-F-15E_on_patrol_over_Afghanistan_-_081107-F-7823A-141.jpg


 また、F/A-18もスーパーホーネットとして生まれ変わりました。こちらは、機体の基本設計から完全に見なおしたため、共通部品はわずか1割程度となっています。こちらは1999年から運用開始されています。

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大型化していますが、ホーネットですね。


 第4.5世代は、デジタルフライ・バイ・ワイヤとCCV設計、ストレーキの大型化、カナード翼や推力偏向ノズルの装備などが盛り込まれ、空戦時の機動性を向上させたり、ステルス性のある形状や素材を使う、アビオニクス類が先進的になっています。ネットワーク機能の戦闘能力も特徴といえますね。

◆第5世代〜ステルス性能期(2005年〜)
 実戦配備はF-22とF-35Bのみ。開発が進んでいるのは、T-50(PAK FA)、J-20などです。
 
第5世代の概念は「敵よりも先に発見し、複数の敵機を撃墜する」というコンセプトを更に発展させたものです。
 そのための高度な火器管制システムなどが求められていましたが、何をもって第5世代とするかは定まっていませんでした。
 ステルス性能が最も有力でしたが、それ以外にも
超音速で長時間の巡航飛行ができるスーパークルーズ性能も第5世代に分類される可能性もあったのですが、現在は第5世代の基準としては外れています。(F-22、MiG-25、MiG-35、Su-35、タイフーン、サーブ39グリペンがスーパークルーズ性能を持つ)
 
しかし、今後新たな戦闘機の登場によっては第5世代の定義は変わる可能性もあります。

1024px-90th_Fighter_Squadron_-_F-22s copy.jpg


 高機動性能よりもステルス性能を重視した外見は、装備品を全て機体内部に収納するため、逆にマルチロール機能は低下しているのも特徴です。

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ステルス性のために全て内部収納
F-22_AIM-120 copy.jpg
外にも搭載できますが当然ステル性は低下します。


 ステルス機は、レーダーの反射面積を減少させるために空力的に犠牲になったスタイルであることは否めません。そのために機体を制御させるシステムやフライバイワイヤなどの高度で最先端の技術が必要になります。
 また、機体の内部に武器を搭載するので、今までのような戦闘爆撃機の用途も不利になります。更には機体表面の塗装や維持費も高いということで、色々な制約が課せられているのです。
 ですので、フランスのように早くも第5世代機の開発を諦め、次の技術の第6世代機へと準備している国もあります。


◆第6世代〜?(2025〜2030年?)

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未来の戦闘機のスタイルは?

 早くも次世代期の開発が各国で進んでいます。真っ先に考えられるのは、ステルス性のために低下した積載量を上げるための大型化は間違いないといわれていますので、更なる高出力などのスーパーエンジンになるのは間違いないところ。
 こうなると、電子戦が発達した未来は、大型ステルス機に大型対空ミサイルを搭載した方が有利になり、運動性能ではミサイルから逃れらなくなるので戦闘機は不要という予想まで。
 実際に近代の空中戦では、ドックファイトは減少し、レーダーと長距離ミサイルの性能が勝敗を分けてきます。

 しかし、ステルス機自体が陳腐化される可能性もあるのです。これは俗にいうステルス破り。防衛省でも開発に着手しているこの技術は、「
クラウドシューティング」「統合火器管制」などと呼ばれています。
 無人機や配置された各種センサーを
ネットワーク化させて一つに統合することで、敵のステルス機を発見する確率を大幅に高めることが可能なのです。また、誰かが敵機をロックオンすると全員に共有され、別の味方機がミサイルを撃っても命中させることが可能になります。
 これも効果が期待されている技術です。

 次世代の基本コンセプトは何になるのかはまだこれからの開発にかかっています。しかしその芽は確実に現在研究しているものから生まれるのは間違いないでしょう。
 未来の戦闘機のキーワードは、
 ・無人戦闘機
〜UCAV(戦闘型無人航空機)
 ・極超音速機
 ・レーザー兵器搭載
 あたりになるのかもしれません。

 
 未来のトレンドは既に現在にあるか、過去に存在していたものから生まれるのですね。色々とヒントがありそうです。

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無人攻撃機X-47Aペガサス


 未来の航空機はどこまで進化するのでしょうか。何か物騒な話になってきました。
 個人のデザインの幅を遥かに超え、財力の豊富な企業や経済力が高い国でないと開発が進まなくなった戦闘機ですが、その競争の果てに悲惨な戦争が来ないことを切に願います。
 しかし、技術の進歩は人間の生活の利便性と安全性をもたらすのも事実です。ドローンなどの平和利用など、技術の民間転用により、より安全で快適な空の旅が広がることを。
 個人的には早くスカイスポーツの段階まで、現在の技術が降りてきて欲しいと思います。

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次世代ビジネスジェットSpike S-512


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コメント 3

のぶあき

「無人攻撃機X-47Aペガサス」の形、すごいですね!!
こんな形をしていて、ちゃんと離着陸できるのか
心配になっちゃいます(^^;)

by のぶあき (2016-03-29 23:07) 

アニ

戦闘機も無人化するのでしょうか?
by アニ (2016-03-30 00:33) 

ワンモア

★のぶあき さま
 なんと空母に離発着できる段階まで来ています(^^)
 そのまま輸送したのでUFOだと思われて交通渋滞を起こしたそうですよ^^;

★アニさま
 ガンダムのサイコミュシステムのビットやファンネルのように母機の周りを僚機として飛行することを計画しているようです。
 うーん、凄いですね^^;
by ワンモア (2016-03-30 12:59) 

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