4月です。早いですね。SUBARU名機カレンダーを飾っているのはスピットファイアのままですが、11,12月のカレンダーに掲載している中島製の飛行機を隔月ごとに紹介しています。
今回は日本の艦上攻撃機二代目「天山」をご紹介。
◆活躍の場が無かった悲運の攻撃機「天山」
この「天山」ですが、九七式艦上攻撃機の後継機として開発され、1941年の春には初飛行をしているのですが、多くの日本の後継機開発が難航しているのと同様に、実戦配備には2年以上もかかっています。
ようやく配備された1943年夏頃には、戦局は日本に大きく不利な状況で、華々しい成果はほとんどあげることができませんでした。
遅れた主な原因は、大出力のエンジン。サイズは九七式艦攻とさほど変わりないのですが、九七式艦攻の1,000馬力のエンジンに対して1,850馬力とほば倍増したエンジンは、トルクが強く、発艦を困難にしていました。加えて全備重量も3,700kg→5,200kgと増大し、着艦の際の制動索の切断など、予想だにしない問題が噴出しました。
生産機数は、約1,300機近くと、九七式艦上攻撃機の約1,400機とほぼ同数なのですが、この頃には操縦士たちの練度不足もあり、成果に比べて損失も膨大な数に上り、終戦時に残っていた天山はわずか200機にも満たない数でした。
天山12型(ウィキペディア)
空母に乗せる艦上航空機の後継機の流れは、<戦闘機>零戦→烈風、<爆撃機>九九式艦爆→彗星、<攻撃機>九七式艦攻→天山という流れでしたが、上手く引き継いだとはいえない状況です。ちなみに用途別の後継機の流れはこんな感じ(クリックで拡大)。
「流星」のように、初飛行から正式採用までの白い期間が長いのは、実用化が難航していたということです。「流星」艦爆と艦攻の両方の性質を備えた高性能な多任務機として開発されていたのも影響したのかもしれません。
◆小池繁夫氏の描く「天山」
小池繁夫氏の描く「天山」には、2種類あって空母から発艦している絵と、地上から離陸しようとしているこの場面の絵です。相変わらずの細かいディテール
個人的には、この地上の場面が好きで、天山が本格的に運用される頃には、航空母艦が壊滅状態にあり、陸上基地からの運用が中心になりました。
砂塵を巻き上げて赤い大地から発進する「天山」を描くことで、時代背景も的確に描写している小池氏のイラストは見事だと思います。
さて、「天山」の模型ですが、食玩ではエフトイズからまだ出ていませんので、これからって感じです。唯一の食玩化は、カフェレオのウォーバードデスクコレクション「IF 歴史に もしも は禁物だが、もしも 間に合っていたならば・・・(タイトル長いな)」シリーズでしょうか。
それ以外では、UCC缶コーヒーの「永遠のゼロ」第二弾ですね。これは意外にも出来がよかったのを覚えています。
プラモデルではフジミとマイクロエースから出ていますが、出来はカフェレオの方が良いと思います。操縦席内部も作りこんでいますし。エフトイズに期待ですね。
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2016-04-02 01:54
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コメント(5)
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天山艦これの世界では大活躍ですよ^_^
by アニ (2016-04-02 07:30)
こんにちは!
悲運の攻撃機「天山」は知りませんでした。
by Hide (2016-04-02 15:58)
小池繁夫さんの描く飛行機は、空気感まで感じられるようで、写真以上の臨場感が好きです。
特に高高度飛行の下界の景色の表現は秀逸と思います!
by ロートレー (2016-04-02 17:14)
やっぱりカレンダー欲しかったなぁ(*´∇`*)
by johncomeback (2016-04-02 19:40)
★アニさま
おぉ、そうなんですか。後半の主力機ですものね^^
★Hideさま
そうなんです、あまり知られていないと思うのです(´・ω・`)
★ロートレーさま
いやあ同じ意見で嬉しいです。小池繁夫さんの絵は包み込むような空間が良いですよね^^
★johncomebackさま
うへへ、すみません。このカレンダーで12本は記事が書けます。でも来年からどうしよう(´・ω・`)
by ワンモア (2016-04-03 18:31)