◆日本の艦載戦闘機
零式艦上戦闘機→烈風ですが、この後継機問題は完全に失敗に終わっていますね。海軍の「空戦性能」への偏狭なこだわりと、大出力エンジンの開発の難航が「烈風」の開発を遅れに遅らせてしまいました。
結局、戦局の悪化から、乗る空母も少なく、迎撃で地上から発進することも多くなった海軍は、実質の後継機は、局地戦闘機として開発された紫電/紫電改になっていきます。
◆アメリカの艦載戦闘機
かたやアメリカですが、日本の航空技術を見くびっていたのか、零戦の性能と技量の高い操縦士たちによってコテンパにやっつけられたF4Fワイルドキャットでした。元々、あまり優秀な機体でないのは軍部も分かっていました。F2Aバッファローが採用され、本機は落選の憂き目にあっていたのを、開発を続行させた機体だったからです。
取り柄は頑丈。防弾装備などで、パイロットの生還率も高く後半に大きく影響を及ぼす要因にもなります。
アメリカの上手い所は、本命の後継機の隙間をうまく埋めることが出来たことだと思います。
F4Uコルセアが2000馬力エンジン搭載の苦労や艦載機としての開発が難航している間、保守的ともいえる設計のF6Fヘルキャットは難なく開発が進んでいき、本命のF4Uが艦載機として実戦配備されるまでの間をうまく埋めてくれました。
F4Fの設計コンセプトを引き継いだF6Fヘルキャットは、100kg近い防弾装備と相変わらずの頑丈なボディが売りで、未熟なパイロットでも使いやすい操縦性に物量が相まって日本は不利になっていきます。
さらには2000馬力で零戦よりも小型という恐ろしい戦闘機F8Fも実戦配備されていました。空母で日本へ移動中に終戦となりましたが。
◆日米の攻撃機、雷撃機
日本では爆撃機の九九式艦爆→「彗星」。攻撃機の九七式艦攻→「天山」。そして両者の用途を統合した「流星」へと統合されていきます。
この艦載機の爆撃用途機と雷撃用途機の統合の流れはアメリカでも行われています。それが太平洋戦争には間に合いませんでしたがA−1スカイレーダーです。
表を作成してみて分かったのですが、アメリカはSBDドーントレスからSB2Cヘルダイバーの移行に時間がかかっていますし、雷撃機はTBFアベンジャーほぼ一機種で、あまり力を入れていない感じですね。しかし、製造機数が日本の合計約6,500機に対して、2万3,000機と3.5倍の物量です。
思うのですが、兵器の開発というのは相手側がいて、必要に迫られて必死で開発するものなので、海軍だけでもF6F、F4U、F8Fと矢継ぎ早に開発していたのは、日本の零戦への脅威があったからではないかなと思うのですがどうでしょう。
かたや、雷撃、攻撃などは日本の艦船の火力に対し充分とはいえないまでも物量で対抗できると捉えていたかもしれませんね。
時系列で並べてみると、これでは日本の勝利がいかに厳しいものであったかが分かります。
また、戦いの勝敗は、次世代の開発機にすでにかかっているのも分かります。将来を見据えた戦略などの先見性がいかに大切かが分かると思います。
<関連記事>
→猫まっしぐら、アメリカ海軍”キャット”シリーズ
→活躍の場が無かった悲運の攻撃機「天山」
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烈風は艦これでも必須です^_^
by アニ (2016-04-14 01:02)
★アニ さま
艦これでは大活躍ですよね。烈風改もあるのかな。
by ワンモア (2016-04-15 14:35)