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カーチスNC-4飛行艇

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カーチスNC-4飛行艇

NC-4(NC-TA) 飛行艇

　5月です。月の始めには、小池繁夫氏の描くSUBARU名機カレンダーを紹介しています。　この記事を上げる度に、毎回、月が経つのが早いなぁと思います。
　今月は、5,6月のカレンダーに掲載しているカーチスNC-4です。

◆航空機の性能の発達の指標だった大西洋横断飛行
　大西洋を横断する飛行。それは、航空機の発達の指標でした。最初は飛行するだけでも命がけの飛行でしたが、すぐに無着陸の飛行、一人での飛行など、航空機の技術の発達とともに、その記録はより早く、より遠くへと塗り替えられることになります。
　「翼よ！あれがパリの灯だ」のセリフでも有名なチャールズ・リンドバーグは、単独での大西洋無着陸横断飛行で有名ですが、実は世界で最初に大西洋を横断したのが、このカーチスNC-4飛行艇なのです。第一次世界大戦が終わって間もなくの1919年5月のことでした。

◆潜水艦の脅威から船舶を守る目的で作られたNC哨戒機
　もともとは、第一次世界大戦中に船舶に対するドイツのU-ボートからの攻撃から守るための哨戒機として開発されていたNC飛行艇ですが、大戦には間に合いませんでした。
　しかし、アメリカ陸軍は自分たちの力で開発したこの大型飛行機をPRする目的もあって、大西洋横断飛行を試みます。せっかく作ったのですから、その性能を知らしめたいですしね。

Curtiss_NC-1_3_October_1918-_initial_three_engine_configuration.jpg

当時でもかなりの大きさを誇ったNC飛行艇

　1919年5月18日。３機のNC飛行艇がNYのロングアイランドを出発します。飛行艇なので途中で何回か着水をしながら19日間かかって世界初の大西洋横断飛行に成功しました。
　出発した時の3機のうち、NC-1、NC-3は悪天候のために断念。NC-4だけがポルトガルのリスボンに到着成功します。
　

当時の飛行行程

　この8年後の1927年には、チャールズ・リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行に成功しています。リンドバーグの「スピリット・オブ・セントルイス号」が、かかった時間は、33時間29分30秒。5,810kmでした。
　NC-4が19日間かかったことを考えると格段の進歩ですね。

今では同距離を半日もかからずに往復10万円から行けちゃいます。

◆小池繁夫氏の描く「NC-4」

　小池繁夫氏の描く「NC-4」。ブルーグリーンの海洋を飛行するNC-4が色鮮やかに描かれていて涼しげな印象を受けます。この色、好きだなぁ(*´ω｀*)

相変わらずの超絶ディテール！

むき出しのエンジンに大きなラジエーターが時代を感じますね。

この時代のエンジンは非力だったので、
いろんな形でエンジンを多数搭載しました。

胴体兼フロートの構造に開いた穴から乗員が顔を出しているのがなんかカワイイ^^;

今月はこのイラストに癒されながら仕事をしましょう^^

諸元
カーチスＮＣ－４哨戒機　　　　　　
初飛行 1918年10月　乗員５名　　　
全幅：38.80m　全長：20.99m　全高：7.52m 　　
総重量：12,700kg　　　
エンジン：水冷12気筒　出力：400HP×４　　
最大速度：137km/h　
航続距離：14.8時間　