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本当に飛ぶの?ちょっと変わった飛行機たち

本当に飛んだ?のという変わった飛行機たちを戦後のアメリカを中心に紹介していきます。

◆垂直離発着機の系譜

 垂直離発着機(VTOL)の開発は、ヘリコプターのように垂直に離陸、直陸ができるということで、狭い場所、不整地での利用の可能性があることから結構研究されていました。とくに滑走路がいらないことは戦闘においてはメリットにもなります。
 
launch1.jpg 手っ取り早いのは、「飛行機を立て離陸させてしまえば?」ということですね^^;
 ドイツのバッヘム Ba349などはこの発想。離陸は簡単ですが「じゃあ、着陸はどうするの?」ということになるのですが、「パイロットはパラシュートで脱出しろ」というとんでもないものでした。まあ、敗戦濃厚の時でしたので。

 この他にも有名なのが、
フォッケウルフ トリープフリューゲルという機体ですが、こちらはパルスジェットエンジン実用化の目処が立たなく、図面段階で終わっています。

kobou_01.jpg

 戦後のアメリカでも、研究開発が行われて、これらは、機体を立たせた状態から垂直に離陸するタイプということで、テールシッター型構想と呼んでいました。

コンベアXFY-1、ロッキードXFV-1、ライアンX-13の一連の試作機たちです。

VTOL_01.jpg

左からXFY-1:1954年初飛行、XFV-1:1955年初飛行、X-13:1955年初飛行

 このうち、コンベアXFY-1は垂直→水平飛行への転換に成功していますが、XFV-1は上手くいきませんでした。どちらも1機ずつの試作で終わっています。
 開発が中止された最大の理由は、操縦の難しさだそうです。とくに着陸時には、パイロットは無理な姿勢で地面を見ながら行うので、かなり怖かったそうで。空母なんかに着陸なんて無理、ゼッタイ!ということで中止とあいなりました^^;

 

XFY-1 POGO (34) copy.jpg
カワイイですね(・∀・)


 一番、成功に近かったのと思われるのが、X-13というジェット機で、こちらは、垂直に立てたプラットフォームからの離発着を行うようになっていました。
 なんで、ここまで各機種で試作したのかということですが、潜水艦からの離発着も考えていたからなんですね。
 試験飛行と離発着はうまくいったのですが、結局は2機の試作機止まりで一連の研究は終了しています。
 フランスのVTOL実験機ではこんな凄い形も。

SNECMA_Coléoptère_on_ramp_1959 copy.jpg
C450  カッコ悪ぅ〜(´;ω;`)

 

◆面白翼の飛行機たち

◆UFOと誤認?ヴォート XF5U フライングパンケーキ

 

 空飛ぶパンケーキと愛称がついたこの飛行機、さながらUFOの様なフォルムをしています。
 円盤翼というのですが、大きい揚力を得られるため、短距離で離陸出来るメリットがありました。試作機は1945年8月に完成したのですが、プロペラなど細々とした改修に手間取り、実際に試験を行えるようになったのは大戦後で、その頃にはジェット機の時代が到来、結局2機で実験が中止となりました。

XF5U-06 copy.jpg

 空中停止も出来る円盤型飛行機だったので、UFOだと誤認されたこともあったようです(笑)。まあ、確かにそう思われても仕方がないですよね^^;

 
これに似たデザインではフォッケウルフVTOLがあります。

フォッケVTOL_01.jpg
1/144「架空戦記」Projekt Flieger 02 フォッケウルフVTOL

  これは、内部に二重反転プロペラを装備してヘリコプターのように離発着するものでした。図面段階で終了。

紙飛行機のようなスタイルXF-92

 第二次世界大戦後、ドイツの優秀な科学者たちをアメリカに連行する作戦が建てられました。これはペーパークリック作戦、オーバーキャスト作戦と名付けられましたが、V-2ロケットの技術者たちや航空工学者が、戦後のアメリカの航空・宇宙工学の発展に寄与しています。同様のことがソ連でも行われ、東西陣営の開発競争が繰り広げられました。

 そんなアメリカに連れてこられたドイツの博士、無尾翼機の権威、アレキサンダー・マルティン・リピッシュを技術顧問に迎えてつくられたのが、これXF-92です。
 
xf92a3 copy.jpg
 
水平尾翼がなく、垂直尾翼と主翼の大きさがほぼ同じという独特のスタイル
 
xf92adrawing copy.jpg
  ベースになったのは、リピッシュP.13aこれに至っては、全体全体がもう三角形ですね。
1024px-Lippisch_P-13A copy.jpg

 1947年にロールアウトしたこのXF-92、結局は制式採用にはならなかったのですが、検証実験で得られたデルタ翼のデータは、この後のF-102、F-106などにも活かされることになります。

他にも色々珍妙機があるのですが、またの機会に^^

【模型情報】
これらの機体は、すべて試作機止まりで量産されていないのですが、その独特のフォルムから模型化をされています。
 
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コメント 5

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
C450のフォルムにグッときました(^▽^)/
by johncomeback (2016-05-15 20:25) 

YUTAじい

おはようございます。
付近には他に石が見当たらず・・・何処かから運ばれた様ですが、詳細は不明です。
by YUTAじい (2016-05-16 08:20) 

たくや

この形で飛ぶのが信じられませんね~
by たくや (2016-05-16 10:09) 

ロートレー

子供のころ、手塚治虫の漫画にネオアンタレスという紙飛行機のようなジェット機が出てきて、てっきり空想上の飛行機と思っていましたら
リピッシュP.13aにそっくりですね。
by ロートレー (2016-05-16 12:49) 

ワンモア

★johncomebackさま
すごいフォルムですよね。結局失敗したそうです^^;

★YUTAじいさま
 亀石不思議なかたちですよね。

★たくやさま
 そうですよね〜不思議です(笑) 

★ロートレーさま
 手塚治虫も見ていたのかも(^o^)
by ワンモア (2016-05-16 14:14) 

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