前回の続きです。2年前は封鎖されていた国道6号線も、車なら通過して良いことになり、北へ抜けるルートは便利になりましたが、放射測定値は危険マークを表示します。
急いで通れということなのでしょうね。
2.63,3.53と赤い警告マークが鳴り止みません。これ車内で窓を閉めきって測定しているのですが、外の表示とほぼ同じです。車の中にいても、放射能の遮断には意味をなさないということなのでしょうか?
最高でついに4.10を記録しました。この値をピークに急激に値は下がります。
浪江町に近づく頃には0.52まで下がりました。なんかホッとしますが、表示は「高い」なのですね。
値に対する感覚が麻痺しているのかもしれません(汗;
警戒態勢ということが分かります。
お疲れ様です。
浪江町HPより
ブルーのエリアが、「避難指示解除準備地域」です。この地域には、特別な許可がなくても入ることができます。特別な許可がなければ自宅などに泊まることはできませんが、会社や店を開くことはできます。
来たるべく日のために除染作業が活発に行われています。
黄色のエリアの「居住制限区域」です。その地域に住むことは出来ず、許可がなければ泊まることもできません。お店を開いて商売もできません。例外的に復興作業に必要なガソリンスタンドなどは開くことができます。
しかし、この区域は、特別な許可がなくとも自由に入ることができます。自動車で通ることも、車から降りて歩くこともできます。泊まることができないので要は長時間滞在は許されないということなのですね。
赤いエリアが「帰還困難区域」です。特別な許可がなければ、立ち入りできない地域で、国道から入るには検問があります。現在の放射線の年間積算線量が50ミリシーベルトを超えており、5年後も20ミリシーベルトを下回らない可能性のある地域です。
六号線の脇道はバリケードで封鎖されています。 浪江町の総人口は2万人でした。鉄腕ダッシュのダッシュ村もここ、浪江町の帰還困難区域にあります。 何名の方が戻り、帰るのを諦めているのでしょうか。
しかし、小さな道路一本をへだてて、居住制限区域と帰宅困難地域に分かれているのも変な話です。ほんの数メートルで、何の違いがあるのでしょうか。まあ、どこかで線を引かなくてはならないのでしょうが・・・。
ちなみに自分の家が避難指示区域に入るかはいらないか、帰宅困難区域になるかならないかで、保証金などの大きな違いが出ます。東電の対応も変わります。複雑な問題も起こることと思いますし、現実に対応の差で色々と問題も生じています。
浪江町の「避難指示解除準備地域」に入りました。あちこちに設置してある放射能測定器の値は0.17でした。これなら他県ともそう代わり映えありませんし、私の持っているガイガーカウンターも同じ値を示していました。
浪江駅に寄ってみました。
もちろん閉まっていますが、
当時の広告がそのままで、時が止まっているかのようです。 駅前は閑散としています。地震で倒壊したお店も多いですね。 放射能汚染ばかりが取り上げられていますが、地震の被害も甚大です。
使わないとレールも錆び付いてしまいます。積み上げられた黒いビニール袋の山
スプレーの文字が切実さを漂わせます。浪江町を後にする際に、開店したローソンに立ち寄りました。 普通のコンビニ開店の祝い方じゃないですね^^;
カメラマンの人も来ていたので、取材かもしれません。 大変な状況でも開店して頑張る人たち
そうそう、浪江町に来た時に感じた違和感が判明しました。店員さんもお客さんもみんな男の人たちなのです。若い女の子はいません。子供に至っては一度も見ませんでした。
まあ、今の状況では、致し方ないのかもしれませんが、おっさん男性率100%の世界はちょっと違和感が。レジに「熊本震災への募金箱」の設置とお金が結構入っているのにちょっと感動しました。自分たちが大変な時だからこそ他者への苦労も分かるのかなぁ。
最後に海を見に来ました。 堤防は決壊したままの状態のようです。遠くに見えるのが福島第2原発です。 さて、最後に今回の感想を。同行した社長さんとも話したのですが、復興の原動力はやはり「希望」だと思います。訴訟、賠償なども必要ですが、あまりそちらにエネルギーを注ぎますと、被害者意識が全面に出たネガティブな気持ちになります。それでは新しく立ち直ろうと言う気になれるのかなと思います。
話していた社長さんは経営者なので、会社から与えられている保証とか境遇を当然の権利とか、当たり前と思っていないので勉強になりました。
開店したローソンの店員さんたちの一生懸命な姿を見て、大事なのは自分たちで前へ進む力だろうなぁと思います。
原発は危険、人はこの地を離れるべきなど、声高々に言う人は確かに「正論」「理屈」なのかもしれませんし、そうだろうなぁとは思いますが、復興する人たちのやる気を削ぐのは確実だと思いますし、その「正論」の陰で、誰かが後始末をやらなくてはならなりません。入らないように警戒してくれる警察の人たち、除染作業に従事している人たちがあってこそ、今の安全も守られているのだということも忘れてはならないなと思いました。
ネットの情報や報道だけでは得られないものが、この地には確かにありました。肌で感じるものを頼りに自分なりの答えを考え続けたいと思います。
<関連記事>
→福島原発の避難区域に行ってきた。東日本地震その1(2014.03 大熊町)
→福島原発の避難区域に行ってきた。東日本地震その2
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2016-07-24 16:20
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なんと放射能は車を素通りですね。
これではバイクで走るのと同じだぁ(^^;っっ
by 駅員3 (2016-07-24 18:13)
目に見えない放射線の影響があるのですね・・・
前記事から拝見させて頂いていますが、放射線の影響は
まだかかるのですね。
by kinkin (2016-07-24 18:27)
★駅員3さま
そうなんです。車で走行中でも車内に置いてあるカウンターがどんどん急上昇するのです。これって自転車やバイクで走行するのと同じ?と思いました。
★kinkinさま
5年たった今も放射線量は危険レベルな場所がまだまだありますね。
by ワンモア (2016-07-25 03:44)
仙台の中心街では震災の痕跡さえありませんが、
宮城県内でも三陸海岸地域の復興は遅々として
先が見えない状況です。それでも福島よりはマシ
ですね。福島を思うと本当に心が痛みます。
by johncomeback (2016-07-25 09:07)
実際現場に行かないとわからない事、思いってありますよね・・・。
なんだか全国で災害が増えちゃって、
いくぶん皆の間隔が麻痺してしまわないか不安です。
by caveruna (2016-07-25 16:45)
あのスプレーの文字が胸をきゅっと締め付けますね・・・
車内でも放射線は遮蔽されない?ってことなんでしょうか。
一体普通に皆が闊歩できる町へと戻れる日がくるのか・・・
by ちょいのり (2016-07-26 02:12)
★johncomeback さま
総じて海岸線の町々が遅れているように思います。
今度行く機会があれば浪江の海を見てみたいなと思っています。
★caverunaさま
自分の身が優先なのか、反対派の人って絶対、現地へ行こうとしませんよね(笑)。福島の人たちの事を想っているという割には結局は我が身優先なのか、不思議だなぁと思っています。それならそうと言えばいいのに。私は、推進派、反対派のどちらも意見に対しても、違和感を感じているのです。
★ちょいのりさま
こんばんは〜。窓を閉めた車内で測定していたのですが、外の電光掲示板とほぼ同じ値を表示していました。うーん。
でも、昔囁かれた、「国で支給された放射能測定器はわざと値を下げている」という噂は現在では否定しても良いと思います。
by ワンモア (2016-07-26 03:20)
LAWSONさんありがとう、凄いですね。
先ずは店舗のオープンからです!
by Hide (2016-07-26 21:39)