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塙町の物語。あと、メリージェーンの、つのだ☆ひろ

 前回、福島の峠道を走ってきたのですが、帰りに立ち寄った塙町の道の駅でこんなパンフレットが。

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観光イメージキャラクターの清姫さん

◆寺西隆三郎の妻とイメージキャラクターの清姫さん

萌えキャラ.jpg

 塙町の観光イメージキャラクターの清姫さんですが、実在の人物がモデルになっているようで、寺西隆三郎という人の奥様をイメージしているようです。寺西隆三郎・・・。うーん、初めて聞く名前。ググってみても地元のブログやHPにしか出てこない名前。でも、こういう、地元の有名人でも他県ではあまり知られていないような話が大好きなのです。

 この寺西隆三郎という方なのですが、1800年頃の江戸時代、第23代の塙のお代官様です。

 若いころは江戸の昌平坂学問所(今でいう東京大学のような所)で学者を目指す優秀な学生として学問に励んでおりました。この学問所の学者・医者であった藤原芳昌という偉い人が「うちの娘の婿に」と目をつけます。

 この娘さんは実は養女で、江戸金庫筆頭の後藤荘三郎というこれまた偉い人の末孫、後藤弥平衛の娘さんでした。学者を目指す隆三郎にとっては、裕福で偉い人の家系とつながるまたとないチャンスです。快く結婚を承諾しましたが、転機がすぐに訪れます。

史跡湯島聖堂 昌平坂学問所.jpg


 それは「天明の大飢饉」(1782〜1788)。特に東北地方の被害が大きく、全国で数十万人が餓死したといわれております。先日、茨城県の利根町の徳満寺で見た「間引き絵馬」もこの事件と関係しているかもしれませんね。

→間引き絵馬と柳田国男の町、利根町

 実は寺西隆三郎のお父さんは、この塙のお代官さま(当時は天領塙)。このお父さんを助けるべく、
寺西隆三郎は、学者になる夢を捨て江戸を去り、この塙へ戻ることを決意します。
 そして、この親子と妻の奮闘により、領地は飢饉を乗り越えて復興することになるのです。
パンフレットにはこのような記載がありました。
領民が困って訴えているところに
寺西隆三郎の奥様が「代官所の蔵を開き皆さんへ分け与えましょう。お米も金品もです。旦那様、申し訳ございません。本日からより質素な食事しか作れません。大変不束な妻をどうかお許しください。」と。
 そして、10数年後、奥様はまだお若いのにこの世を去ることになったのです。
 彼女を失った領民の悲しみは大きく、いつまでも彼女との別れを惜しむ参列が途絶えなかったといいます。そして後日、代官の妻としては類を見ない大きなお墓が領内に造られたとのこと。復興に努力をしてくれた彼女を慕って莫大な浄財が集まったのは言うまでもありません。 お墓は今でも安楽寺にあり、内助の功を伝える物語が生き続けています。

 なお、彼女の名前は今でもわからないそうなのですが、戒名の中の「清」の文字をとり、観光イメージキャラクターの「清姫」として使われることになったそうです。

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 うーん、何かドラマになりそうですね。こういうキラリと光る良い話が、日本全国でまだまだあるのですね。



◆地元出身の有名人、つのだ☆ひろ


 さて、もうひとつ。調べていたら、この塙町の有名人がいました。それは・・・つのだ☆ひろさんです^^!「メリージェーン」でお馴染みの方。

ミラーボールとバーボンが似合う曲( ˇ ε ˇ )

 子供心にカッコいい〜と思い、この歌が歌えるような大人になりたいと思っていました。

 ちなみに、お兄さんは「恐怖新聞」「うしろの百太郎」で有名な「つのだじろう」です。個人的にはこっちの方がお馴染みで、強い影響を受けているかも^^;


 この書籍の中身に書かれていること、結構実践したなぁ^^;
 
 8人兄弟で、つのだじろう氏は次男で東京生まれなのですが、戦争中に福島県に6年ほど疎開しており、この期間に末弟のつのだ☆ひろさんが生まれているのです。


 つのだ☆ひろさんは、仏教徒でもあるので、こんな歌も。

 

 なんと!般若心経を第九に乗せてゴスペル風に歌い上げています。
作曲:ベートーヴェン、作詞:玄奘三蔵(^^;)、編曲:つのだ☆ひろということで笑ってしまいましたが、聞いているうちに、なにこれ、アリじゃんと思い、段々カッコいい!すげぇ〜とあっけにとられ、最後はありがたくて涙が出るくらい感動してしまいました。

羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦のくだりはちょうかっこいいです。

 興味のある方は是非。お経も聞けて、賛美歌のようでもあり、伝わってくるものがあります。個人的な感想ですが、お経ってやはり、その意味を深く知って、実践しているほど心により伝わってくる気がするのです。その意味では、このつのだ☆ひろさんのお経は好きです。

最後は、旧盆の最後の記事に相応しい感じになりました^^

 

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コメント 7

johncomeback

作詞:玄奘三蔵 に笑ってしまいました。
「つのだ ひろ」の歌唱力は流石ですね。
by johncomeback (2016-08-20 17:01) 

Hide

いいお話です「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
そろそろですが・・・今年の台風の多さが心配で。
by Hide (2016-08-20 17:10) 

caveruna

清姫のアニメキャラ、
可愛いですね!
その土地土地の言い伝えとか、
歴史、伝説って、知らないけど
たくさんあるんだろうなぁ〜
by caveruna (2016-08-20 18:53) 

ちょいのり

いい話じゃないですか!
昔の家族内の立場上、嫁さんの身分はぐんと低いと思いますし、
意見を言うのも大変だったんじゃないかなあ。
ということはお父さんも旦那さんも良き人だったわけで^^

清姫さん(仮)可愛いですね(*´д`*)
絵師さんどんな人なんだろ
by ちょいのり (2016-08-21 02:06) 

ロートレー

つのだひろ さんの ゴスペル風般若心経 
ありですね~
仏教の読経もゴスペルに聞こえてきました~
by ロートレー (2016-08-21 06:47) 

tsumi

なんと!つのだ☆ひろさんは福島の出身だったなんて…知りませんでした。
”疎開”という理由にも時代を感じますね。
私は所謂ブラックミュージックが好きで、年代は違いますが、彼のソウルフルな歌声は昔から好きでした^^
般若心経はすごいですね~!ゴスペルの魅力ともいえる盛り上がりもしっかりとあって流石の構成です!
by tsumi (2016-08-22 01:10) 

ワンモア

★johncomebackさま
 私も作詞玄奘三蔵に笑ってしまって・・・まあ、現代の基準でいうとそうなりますよね^^;

★Hideさま
 台風三連発!どうなることやら・・・。

★caverunaさま
 福島はちょいちょい萌えキャラが登場してきます^^;

★ちょいのりさま
 地元の絵師さんなのでしょうが、こういう所で貢献できて良いですよね^^

★ロートレーさま
 文化・伝統の面から不謹慎という方もいるかもしれませんが私はアリです。大乗仏教の本質は、大衆救済なので(`・ω・´)キリッ

★tsumiさま
 お早うございます〜。末弟のつのだ☆ひろさんだけ福島生まれだそうですよ。その後東京に戻られたそうで。
 メリージェーンは当時好きだった女の子を想ってつくった曲らしいのですが、その子の名前が「マーガレット」だったので歌にするのは難しく、その子の友達の名前にしたそうです^^;

by ワンモア (2016-08-22 07:39) 

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