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デアゴスティーニ第17弾は幻の戦闘機「烈風」!

 さて、お盆も終わり日常生活に戻りつつあります。ブログの記事もヒコーキネタから徐々に離れていきましたので、そろそろ戻ることにします。決してネタが無いわけではありません(笑)  なんせ軍用機だけでも1,200機以上はありますから、一機づつ紹介するエッセイ記事にしても何年も持ちますしね^^;

 ◆第17弾は「烈風」

 デアゴスティーニの第17弾はなんと「烈風」です。おぉぉ、ついに出してきましたか。これも日本の試作機として震電に並ぶ人気の機種なので、売上挽回となるといいですね。レビュー見ていても最近、出来についての厳しい批評・酷評が多いので、挽回して欲しいところです。

A7M2.jpg
モデルは試作3号機を再現
issue_17_1.jpg
発売は9月20日、1,850円+税です。

 ◆堀越二郎氏最後の戦闘機「烈風」

Cap 428.jpg

 正統派「零戦」の後継機ということで、零戦の再来を狙ったものですが、エンジンの開発が苦労していることに巻き込まれて開発が遅れに遅れた悲運の戦闘機です。まあ、烈風に限ったことではなくて、日本はエンジンに泣かされた機体が多いですね。
 この当時の戦闘機は2年もすれば旧式化してしまう位、開発競争が激しい時期でしたので、昭1942年の4月には、零戦の後継艦上戦闘機の開発を三菱に内示します。本当は1940年末には、スタートさせたかったのですが、堀越技師が零戦の改修やトラブルの対処、次の「雷電」になる戦闘機の開発で多忙だったのです。
 開発要求は相変わらずの無茶振りで、今の零戦よりも100km/h以上速く、零戦と同程度の空戦能力ということでした。また
軍部は翼面荷重を低く抑えることを非常に重視しており、具体的な数値を三菱側に提示してきました。それは格闘性能や空母の離陸距離、航続距離を向上させる重要な値だったからです。
Mitsubishi_A7M2-1.jpg ちなみに翼面荷重とは翼の単位面積あたりにかかる重量で 翼面荷重が小さいほど低速で小回りが効くとされています。
 この当時の代表的な戦闘機の翼面荷重は、零戦が107kg/
m²(21型)。スピットファイアで約120kg/m²。Bf109で約160kg/m²という感じですね。翼面積が小さいと速度は上がるし高速機にはなりますが、その分格闘性能は落ちやすくなりますよということです。

 軍部が提案した翼面荷重は130
kg/m²ほど。これで速度を上げるには高出力のエンジンが必要となります。しかし、大馬力のエンジンはその分重くなるので、更に翼面積が必要ともなります。翼面積が大きくなるということはその分重量がかさむので、さらにエンジンパワーが必要・・・・という、非常に難しいことになります。
 矛盾した到達点をうまい具合に交差する妥協点を見つけないといけません。こうやって積み重ねていく設計はえてして難航しやすいんですよね。
 先に翼面荷重ありきでしたので、機体は大型化してしまい、全長11m、全幅14m、翼面積30
m²の大きさは当時の戦闘機にしてはかなり大型になります。
 零戦と比べるとこんな感じ。

 

ゼロと烈風.jpg
烈風と零戦_01.jpg
かなり大型ですよね


 ちなみに烈風とほぼ同出力を持つエンジンを搭載した陸軍の四式戦「疾風」の翼面荷重は、
185.24 kg/m²。年々増加していく翼面荷重の値に対し、烈風の135kg/m²は、やはり異常に低いと思います。
 そのせいもあり、開発は遅れに遅れ2年間かかってしまいました。初号機(A7M1)の初飛行は1944年の5月。出来上がった機体は零戦52型並みの速度しか出ませんでした。原因は搭載したエンジン、
誉22型の出力不足でした。しかし、この性能の結果で軍部は大いに失望し、8月には烈風の開発を中止して、紫電改の転換生産をするように決定します。

 
最初からハ43エンジンを使わせてくれればと、この決定に強烈な不満を持った堀越技師たちは、A7M2と称して自分たちでハ43エンジンを搭載した改良を行い、ほぼ要求通りの性能を引き出すことに成功します。これを受けて、烈風11型とし、艦載機ではなく局地戦闘機としての採用を受けましたが量産1号機が完成直前のところで終戦となってしまいます。
 この他にも、発動機を一段三速過給器を取り付けた性能向上型のA7M3”烈風三速
(仮称)”や、排気タービン過給器装備の烈風改(A7M3-J)などが計画されていました。

Cap 432.jpg
 「零戦の再来」とまで賞賛された烈風でしたが、もし完成して実戦に投入できたとしても戦局を覆すまでには至らなかったというのが大筋の見方です。まあ、そうですよね。いくら優秀な機体があっても、生産工場や燃料の備蓄。そして何よりパイロットの練度という問題があります。特に格闘戦を重視してしまう日本のパイロットでは、機体を使いこなすのに年数もかかります。
 大型の機体をみると、かなり
無理をしているなぁという印象が拭えません。


<関連記事>
→【デアゴスティーニ】第二次世界大戦傑作機コレクション全一覧

→堀越二郎、最後の戦闘機、烈風。堀越二郎の挑戦その6

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コメント 6

アニ

艦これでも大活躍の烈風!!これを何機揃えているかでその人の熟練度が分かるという位の代物です^_^
by アニ (2016-08-21 23:20) 

Falcon

RCの烈風、1機所持しております。
でも、ずっと飾ったままですがね。
好きな機種のひとつです。
by Falcon (2016-08-22 01:18) 

ワンモア

★アニ さま
 おぉぉ、熟練度の度合いになるのですね。烈風改などもあるのかしら。

★Falconさま
 翼面積が大きいから飛ばしやすいとかあるのでしょうか。飛んでいる烈風ラジコン見てみたいです^^

by ワンモア (2016-08-22 08:06) 

johncomeback

デアゴスティーニはコンプリートしようとすると
かなりの金額になってしまうんですよね。
by johncomeback (2016-08-22 09:00) 

ワンモア

★johncomebackさま
 16万ぐらいになるかと・・・・^^;
by ワンモア (2016-08-22 22:43) 

タイド☆マン

雷電と同じ 稲妻マークの烈風は初めて観ました
同じ航空隊なんですね ☆
by タイド☆マン (2016-08-24 03:55) 

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