3日ほど前のニュースなのですが、ついにここまで来たかと個人的には驚きのニュースが。
6キロ先へ情報を瞬時転送に成功〜高速インターネットへ前進
離れている場所に瞬時に情報を転送できる「量子テレポーテーション」を使って、光の粒が持つ情報を6キロ以上離れた場所に瞬時に転送させることに成功したと、カナダと中国の研究チームが19日付の科学誌電子版に同時に発表した。
知人にもお知らせしたら、「へーすごいね。光通信よりももっと早くなるんだぁ。これ以上早くなってもすることがないなぁ。」となんだかトンチンカンな返事(笑)。
このニュースの内容がいかにスゴイことか小一時間、会議室にでも監禁して説明したい衝動に駆られましたが、無駄かと思い止めました。
ですので、ブログに訪問される方には、素人ながら頑張って解説を試みたいと思います(^^)
◆量子テレポーテーションとは
まず、この記事で出てくる「量子テレポーテーション」なのですが、光の粒である「光子」のペアに互いに影響を及ぼすような関係を持たせ、片方に情報を与えると、もう片方にも瞬時に情報が伝わる現象をいうのです。
図で解説するとこんな感じ。
今までは、室内での成功例しかなかったのですが、今回の実験で、6Km離れた場所で成功したとのこと。
これは、私たちの住んでいる世界の常識が微細な量子力学の世界では、まったく通用しない摩訶不思議な現象を実用化したものなのです。
もっとざっくり言うと、「幽霊の出現とかテレポーテーションなどの超常現象は現実に観測できちゃったのだから認めてしまえ。そして何かに使えそうだから開発してしまえ」というような話なのです(;^ω^)
◆量子の「二重スリット実験」に現れる奇妙な現象
その原因ともなった有名な「量子の二重スリットの実験」というのがあります。
量子とは、物理量の最小単位のとても小さな物質の単位のことで、物質を形作っている原子そのものや、その原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表です。
光の正体である光子も量子です。その他にも、ニュートリノやクォーク、ミュオンなどといった、これ以上分けられない素粒子も量子です。
このような極めて小さい極微の世界では、私たちが普段の生活で感じている世界を記述する物理法則「ニュートン力学」が通用せず、「量子力学」という、とてもとても不思議な法則が働いているのです。
例を挙げていきましょう。
普通の粒子の実験では、ビー玉のような小さな粒を発射装置で次々に打ち出すと、スリットの形に模様ができます。
スリットを通過した粒がスリットの形をつくります。これは二重のスリットでも同様です。1本が2本になるだけです。
まあ、これは考えたら当然のことですよね。スリットを抜けた粒だけがそのままの形で跡ができる訳ですから。
では波の場合はどうなるでしょうか。水面に立てた2つのスリットは、お互いに波を打ち消し合い、波の強いところと弱いとこができて縞模様になります。
これも、よく見たらそうかなと思えますよね。波の波紋が2つのスリットを抜けるとき小さな2つの波になりお互いにぶつかり合って模様ができると。
これが私達の世界での現象です。では、量子の世界ではこれがどうなるか。
これを電子で行ってみます。同じような二重スリットの実験では、一粒ずつ打ち出すと、最初は確かに粒のように見えます。
しかし、打ち出す量が増えてくると、何故か、波のような干渉模様になるのです。
つまり電子の振る舞いは「粒とも言えるし、波とも言える?」ということになります。
これはどういうことかというと、発射された一個の電子は、同時に2つのスリットを通り抜けて波のように干渉を起こし、スクリーンにぶつかるときには再び一個の粒子に戻ったとしかいえない現象なのです。
もしくは一個一個の独立した電子がお互いのそれぞれの場所を把握して干渉模様を作り出したとしか・・。
◆「観測者によって変わる」という更に不思議な現象
とても奇妙な実験結果ですよね。そこで科学者たちは、この一個の電子が2つのスリットのどちらをすり抜けるのか実際に観測することにしました。
同時に2つのスリットをする抜けるなんて、この三次元の世界ではあり得ないことですから。
しかし、更に科学者たちを困惑させる奇妙な出来事が起こります。
それは、彼らが観測を始めたとたん、電子の振る舞いが突如として変わったのです。
電子は普通の粒子となり、スクリーンに2本の線を描いたのです。観測する前までは干渉縞だったのに。
ただ、「観測する」という行為が実験に加わっただけなのに電子は片方のスリットだけを通る普通の粒子になってしまったのです。
そう、まるで自分が見られているのを気づいたかのように・・・・・。
ここまでの説明を動画で解説しているものがありますので興味のある方はご覧ください。
この常識ではあり得ない量子力学の実験を皮肉った思考実験で有名なものに「シュレーディンガーの猫」というのがあります。
簡単に言うと、箱の中の猫は観測するまでは、生きているのか、死んでいるのか確定しておらず、その両方が同時存在している。そして私達が観測することで、どちらかに決定されるということなのですが・・・・。
この「シュレーディンガーの猫」のエルヴィン・シュレーディンガーとは量子力学の発展を築きノーベル物理学賞を受賞した物理学者です。
エルヴィン・シュレーディンガー
この摩訶不思議な現象が起こる量子の世界をシュレーディンガーは「例えればこんな事だ。おかしいだろ?」って言ってるわけですね。
これも動画がわかりやすいので、貼っておきましょう。
さて、それでは最新の量子力学はどうなっているのでしょうか。
ここで力が尽きましたので明日に続きます。(´Д`)エー
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2016-09-23 22:18
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コメント(8)
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難しい(^^;
by (。・_・。)2k (2016-09-24 00:23)
はい、真性の文系ですσ(^_^;)
by アニ (2016-09-24 00:35)
拙ブログへのコメントありがとうございます。
シュレディンガー方程式、大学で習いましたが、
結局理解できなかったなぁ。波動関数とか
懐かしいです。
by johncomeback (2016-09-24 07:46)
難しすぎて・・・、別世界の話しです。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-09-24 09:22)
物理が超苦手な私にとっては、
ちんぷんかぷんですが、
頭のハッキリしている時に、
もう一度読ませていただこうと
思っております(笑)
by caveruna (2016-09-24 17:04)
★ (。・_・。)2kさま
およよ、難しかったですか(;^ω^)
★アニさま
量子力学はある意味哲学的なので文系の方の方が直感で分かる方が多いようです。
★johncomebackさま
さすが、理系のjohncomebackさん。私も習ってみたかったなぁ。
★なんだかなぁ〜!! 横 濱男さま
別世界の話のようでわかりにくいですよね(;^ω^)
★caverunaさま
説明が下手で申し訳ないです(;^ω^) 次回記事と合わせてお読みいただけましたら幸いです。
by ワンモア (2016-09-24 19:26)
シュレーディンガー方程式は大学で習いました。
数学的な本当の意味は分からなかった部分が有るのですが、爺は天文学に興味が有りましたので、太陽のフラウンフォーファー線(多数の吸収線)が何故線スペクトルとして観察されるか?水素のライマンα線、バルマー線等の天文学は量子力学無しには理解出来ませんから必死で勉強しました。医学部の衛生学教室での原子吸光分析計等の理論は原子スペクトルの理論です。
by bpd1teikichi_satoh (2016-09-25 04:11)
★bpd1teikichi_satohさま
凄いですね。量子力学の難しさはどこにあるのかという点でまず分からない私(笑)。
by ワンモア (2016-09-25 16:22)