日本の航空会社が今、どうなっているのか、気になったのでちょっと整理してみました。大きく分けると3つくらいに分類できそうです。
まずは大手のJALやANAなど。これはレガシーキャリア(フルサービスキャリア)とも言われています。そして、地域を結ぶリージョナル航空会社(コミューター航空会社)、最後に格安料金を目的としたLCC(ローコストキャリア)と言われる航空会社です。
今回はその特徴や違い、メリット、デメリットなどを。
◆安心の大手、レガシーキャリア【JAL、ANA】
言わずと知れた日本の大手の航空会社です。JAL(日本航空)は日本のフラッグ・キャリア(国を代表する航空会社)で、ANA(全日空)は、国内線乗客数において日本最大を誇ります。
レガシーはLCCに比べてもサービスの面で充実していますし、大手ですので、都心に近い「第1空港」を利用していますので、アクセスが便利という利点があります。
遅延が生じた場合やキャンセルの場合も安心ですし、マイレージが貯まれば意外とお得な面もあるのです。
2015年は、定時到着率でJALは89.44%で世界No.1。ANAは88.88%で世界3位になりました。時間を守る運行はいかにも日本らしいですよね。
◆安さが魅力、ローコストキャリアLCC【ピーチ、ジェットスターなど】
航空市場の規制緩和により、新たな航空会社が市場に参入できるようになってきた頃、最大の勝負所は格安運賃という面でした。日本では、「スカイマーク」が1998年に初就航して以来、低運賃を売りにした航空会社が続々と生まれてきています。
さて、この格安航空会社(LCC)の定義なのですが、実は曖昧なのです。「スカイマークは航空ベンチャー企業であってもLCCではない」と以前の社長は申していましたが、サービスの簡素化、低料金体系の取り組みなど、ビジネスモデルを見る限りでは LCCに分類されてもいます。
ただ、コストやサービスで分類すると、LCCがローコストキャリアなら、JALやANAがフルサービスキャリア(FSC)になり、スカイマークはその中間のミドルコストキャリア(MCC)と分類される向きもあります。スカイマークは色々あって昔に比べて安いというイメージはなくなりつつありますよね。
現在自他共にLCCを謳っている会社は、ジェットスター、バニラ・エア、ピーチアビエーション、春秋航空、そして今年就航予定のエアアジア・ジャパンです。
◆大手が手が届かない所を飛ぶリージョナル(コミューター)航空会社
上記の2系統のどれでもないといえるのがリージョナル(コミューター)航空会社です。これも定義が曖昧で、ヨーロッパでは、ただ、短距離を結ぶ航空路線をコミューターと呼んでいます。
日本では定義が決められていて「客数が100席以下で、なおかつ最大離陸重量が50トン以下の航空機を用いた定期的旅客輸送であること」(2016現在)になっています。
大手の航空会社では埋めきることができない路線を引き受けているため、ANA系やJAL系列の航空会社などが中心です。
大型機に比べて、小型機になりますので、出発準備も時間がかかりませんし、大型機では座席が満たないような路線にはピッタリですので今後もニースに合わせて拡大傾向にあるようです。価格は一般的にLCCよりは高くてレガシーよりは安いか、同じ位というところでしょうか(路線によってはLCCより安いところもあり)。
以上の日本の主な航空会社をまとめたのがこちらです。ウィキペディアの図に保有機種やマークなどを加筆しました(クリックで拡大)
こうしてみるとANA系とJAL系に大きく分かれますね。スカイマークはANA系でもないJAL系でもない異質な存在なんですねぇ。
◆それぞれのメリット・デメリット
リージョナルの場合は区分が違いますので、レガシーとLCCということで表でまとめてみました(クリックで拡大)。
大手の航空会社の航空券は、「欠航時の補償・対応費用も織り込んでの価格設定」だから高めで、LCCは「欠航時も補償しないことが前提」だから航空券が安い、という面もあるということですね。ま、LCCは鉄道やバスに近い対応かもしれません。遅れた場合は自力で他の便を手配しないといけません。
台風シーズンや雪のシーズンなどは注意かもしれませんね。全社・全便が欠航すると大手は臨時便が出ますが、予備機がないLCCは余裕がありません。
また、恐ろしいことに海外のLCCなどは、最低乗員に満たなくて飛ぶと確実に赤字が出る場合は「機体トラブルのため」とかなんとかで理由をつけて欠航することも平気であるそうです(;^ω^)。
LCCは片道ベースで料金が決まっているため、レガシーキャリアに割引されている付帯条件の最大滞在日数、最低滞在日数がないため、気ままな旅行には向いていますね。
◆LCCは安全なの?
また気になる安全面の違いですが、これは、はっきり言って同じです。航空会社は定められた安全基準を満たさないといけないため、LCCだろうが大手だろうが同じです。また統計上でもその違いはありません。
ただし、重大事故を起こした場合は、倒産する影響はLCCの方が圧倒的に高いです。たった一度の重大事故で倒産して消えてしまったLCCもあります。ですので経営者としても、事故などの安全面に対しては大手よりも胃が痛いところではないでしょうか。
ただ、これも車の事故と同じで、ヒヤリハットの法則通り、小さな事故が頻繁にあって重大な事故が発生しますので、大手もLCCも危機管理は同じといえます。
(ヒヤリ・ハットの法則:1件の重大なトラブル・災害の裏には、29件の軽微なミス、そして300件のヒヤリ・ハットがあるとされる。ハインリッヒの法則とも。)
ただ、行き過ぎたLCCのビジネスモデルには、パイロットの健康管理や給与面での不満や倒産の不安などの精神面にも影響を及ぼす可能性もありますので、その点、経営者は十分な配慮をして欲しいですよね。深夜バスや長距離バスの価格競争などでも負担がかかるのは運転手ですので。
「無駄」を省くのがLCCの目的ですが、それ以外の部分が下がるようならLCCの主旨とは異なるということです。
いずれにしても私たちのライフスタイルや旅行の形態に応じて旅行会社を選べるというのはうれしいことですよね。
豊かさを感じる基準のひとつに「色々と選択できること」という点があげられるとのこと。旅行のスタイルに応じて格安LCCにしてその分、現地で遊びまくるか。両親が一緒なので、目的地に安心して行けるようにJALスタイルで行くかなど、うまく使いこなしたいものです(^^)
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ボクは離島旅行も多いので大手とその子会社のコミューターの組み合わせが多いです(JAL→RACで沖縄離島とか^^)
でも一択じゃなく選択肢が多いって嬉しいです☆
JAL系じゃ伊豆諸島行けないしw
調布から出てる小型機での伊豆諸島旅行も前々から考えていたのですが、
確か一昨年かな?墜落しちゃって選択肢からしばらく除外してしまったのがちょっと悲しいところではあります^^;
by ちょいのり (2017-01-05 01:21)
関空から新千歳までピーチをよく利用しますが、往復で1万五千円で行けるのは魅力です。
しかし、客層がちょっと悪い印象も受けました(≧∇≦)
by yamatonosuke (2017-01-05 02:19)
国内便ではないのですが・・・都内で放送されているTOKYOMXテレビでマカオ旅行が当たった息子夫婦。
成田から出国した後、数時間待っても出発する気配がなくて・・・思えばもうその時点で、入れる燃料代がなかったのが理由らしい。
この日は諦めて帰宅するか?自費でホテルに泊まり翌日に飛びだつか?の選択を迫られた・・・・乗客たち。
1~2日後現地に残された日本人たちが難民状態と、ニュースにもなった、ビバマカオ航空の倒産事件。
無理やり乗らずに、一旦帰宅してしまって良かった。しかしひたすら疲れただけで終わった一日、また往復の交通費返せ!・・・って。
関係ない私には、笑いのネタのひとつとなりました^^
ホテルの権利だけは残っていたみたいで、後日二人はJALでリベンジを果たしましたけれど。。
by hana2016 (2017-01-05 14:47)
航空会社の運営に関するニュースを見るたびに、
うちの田舎の赤字路線が、いつなくなるやら・・・
と、ひやひやしています。
いっそのことLCCだったら、毎回飛行機で帰るのになぁ。
by caveruna (2017-01-05 16:30)
★ちょいのりさま
こんばんは〜。ちょいのりさんは島旅が多いから、コミューターをよく利用されますよね(^^)。私は何故か小型機の方が安心するのです(笑)
★yamatonosukeさま
あらら、そうなんですか。キャビンアテンダントさんも大変ですよね><
★hana2016さま
マカオ旅行が当たったんですね。すごーい。でも大変な旅行になりましたね。LCCはこれがあるからなぁ(;^ω^)
★caverunaさま
秋田空港、もう少し利用客が増えると良いですよね(´・ω・`)
by ワンモア (2017-01-05 22:54)