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あの世を全く信じていない家に起きた不思議な話

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 今日は送り盆でしたね。皆様のお宅では良いお盆を過ごすことができましたでしょうか。
 私は午前中に終わってゆっくりできるはずでしたが、急遽、仕事が発生し、東京へ行くことに相成りました><
 最近、凡ミスや判断ミスを繰り返し落ち込みそうにもなりましたが、休日の最後に挽回できて、今まで以上によい休日を過ごすことができました。

 さて、仕事モードに入ってしまったのですが、最後にもう少し、不思議な話を。あの世とか霊魂とかを全く信じていない家に起きた話をしたいと思います。記事自体は数日前に書き上げておりましたのでアップします。
 個人的にはこういう考えの方に会うのは珍しいのですがまったく無いわけではありません。非常に興味深いなぁと感じましたのでご紹介を。
 福島県・福島市のとある町での話です。おばあちゃんのとの会話で方言を表現していますが、かなりあやふやです。なにせ、半分は聞き取れませんでした。同僚と二人で付け合わせしてこんな内容だったと整理してみました。
正確な方言ではないのでご勘弁を。
 
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あの世をまったく信じていないおばあちゃんが遭遇した話

 福島県の福島市のとあるおばあちゃんから聞いた話です。そのおばあちゃんは、あの世とか霊とか迷信の類はまったく信じていない人です(おばあちゃんの年にしては珍しいですよね)。
 その家は何百年続く大きな豪商の家系で家系図も何十代もずっと残っている由緒ある家なのです。お墓は近くの集落の共同墓地に建てられているとのこと。

 さて、その墓地の脇の道を生活道路として使うことが多く、道幅が狭く不便ということで墓地を削って道を広げることにしたそうで。
 昔は土葬なので、本来ならお墓の下までちゃんと掘って骨を移した後、菩提寺の住職を呼んで、弔ってから行うものなのですが、そこの墓のある場所がちょうど、おばあちゃんたち一族の先祖の墓のあるところでした。
「どうせ、何百年も前の先祖の誰の墓かもわかんねぇ、住職呼ぶと面倒で金かかっから、墓石だけどかしてまとめてしまえ」ということに。
 もちろん、周囲の村人たちからは猛反対。「そんな真似したらバチがあたる」とか「祟られるぞ」と言われたのですが、その一家は全員、そんなの迷信だと一笑に付し、住職呼んだり
掘るのに金がかかるのは嫌だということで、強引に墓石だけを動かして、土を固めて道にしてしまいました。
 
 異変が起きたのはそれからすぐのこと。おばあちゃんの耳に異変が起きたそうで。なんか耳鳴りが最近ひどくなったぁとのこと。「なーんか人の話し声のような音が聞こえんだ」と。

 一緒に聞いていた同僚と「ん?これってもしかして怖い話が始まるのか・・・(゚A゚;)ゴクリ」と身構えて聞いていたのです。
 
「最初はTVや近所の声だと思っていたんだども、まあ、朝から夜まで起きている間、ずっと片方の耳から聞こえんだ。最初は片方だげんども、そのうち両方の耳から聞こえるようになってきてな。その声も段々と大きくなってきて、なーんか喧嘩している声ようだぁ」

 普通ならここで、これ、やばい系じゃん?お祓いでも考えようもんですが、そこは不信心の家ですので、「ばあちゃん、病院行けや」の一言でお医者さんに連れていかれることに。
 「ああ、耳鳴りですね。」ということで薬をもらって帰ってきました(;^ω^)

 しかし、その後も耳鳴り?は止まず、おばあちゃんも困り果てて来ました。しまいにはTVの音量を大きくしないといけなくなる位にざわつく声(耳鳴り)がひどくなったそうなんです。

 こ
の事を近所の人にうっかり話したそうなのですが、みんな、それ見たことかというような顔をし、「それは、ご先祖さんを粗末にしたからだ」「バチが当たった」など言われるので、愚癡もこぼすこともできなくなります。
 「そんだばさあ、そのうち、今度はなんかの影が見えるようになってきてさ」とおばあちゃん。
「なんか、TV見てっど、目の端の方にすっと影が横切るようになんだぁ」
この時点でやばい話だなあと思っていたのですが、
「家に一人いる時も、台所とか隣の部屋に誰か人の気配さ、するようになって・・・」
しまいには、家の外に大勢の人の影が見えてきたそうで。

「これはいよいよ、おらがボケてきたなと思って、また病院の先生に相談にいったんさ」

(いや、それ、おばあちゃん、ボケたんと違うから!)
この時点で同僚と二人で突っ込みを入れたくなりました(;^ω^)


 病院の先生が、「最近何か気になることとかありますか」と聞いてきたので、墓の事で近所から文句を言われて腹が立ってるということを話したら、「あぁ、でしたらご近所の手前、形だけでもご住職を呼んで供養をしてみたらどうですか。おばあちゃんも、心のどこかで気にしていてそれが症状に出ているのかもしれませんよ」とのこと。
 息子さんも
近所がワーワーうるさいから一回黙らせる意味でも、ご住職でも呼んでみようという話になりました。
 で、その一家の菩提寺は兼務寺で住職がいないので、隣町から住職がやってきたそうです。ご住職は、お墓を切り崩した事を、その時初めて知らされたたそうでしばらく唖然としていたとのこと。どかされた墓石を調べながら「◯◯さん、お宅に家系図、ありましたよね。今すぐ持ってきてください!」と凄い剣幕で怒られたそうで。
 家系図を見ながら、「◯◯さんの親戚の◯◯さんとこと、◯◯さんの家の人に連絡入れてください!それと、道路掘り返しますので、◯◯さんとこの土建会社に今すぐ連絡してください!」とテキパキと指示をしました。
 後日来た重機を使い、
村の人たちも手伝って、総出で、せっかく出来た道を掘り返すと出るわ出るわ人骨が。桶のような棺の木片やら髪の毛とかが大量に出てきたそうで。
 村から遠く離れて何十年も帰ってこない親戚もようやく来て、集団埋葬と供養を盛大に行いました。


 それからの話は、なまりもあってよく聞き取れていないのですが、まあ、大変だったのは確かだったみたいです。家族全員が、
住職からや周囲からもこっぴどく怒られと語ってました(
話の量としてはこの時の愚痴話の方が長い><)。
 また親戚と息子さんが大喧嘩したらしいのですが、結局、この大騒ぎの一件で親戚も本家まかせにしてきたのを反省したのか、みんながまとまることができたとのこと。結果オーライというのでしょうか、
 「やっぱ、思い込みだったみたいで、安心したのか、耳鳴りもボケも治ってよかったさ」というお言葉(笑)。
 ただ、やたら金がかかっただのの愚癡は最後まで言ってました。うーん、信じない人はどこまでも信じないものだとある意味感心してしまいました(笑)。
 その内容とおばあちゃんがユーモラスな語り口調のギャップに大変興味深く聞き入ってしまいました。
 それからは何も起きていないようでしたので、万事めでたしというところなのでしょうか。
 
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お墓のあり方について

 さて、この記事を書いている最中にいっぷくさんの「戦後史の激動」ブログでも、墓じまいの件について書かれていました。タイミングがよかったので、いっぷくさんの事情や記事の内容とは関係なく、普段感じていることを、以下の記事の内容一部をコピペして、コメントを書かせていただきました。感謝が足りないとか責める意図はなかったのですが、読者の方にも誤解を与えてしまいました。申し訳ありませんでしたm(_ _)m 

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 墓じまいの件はご住職の間でも話題になってます。昔と違い、仕事で故郷をそのまま離れる人も多く、墓参りや管理維持は経済的にも心理的にも負担になっているのは事実です。
 自分の子どもたちや子孫が自分のせいで苦しむ姿は見たくありませんし、想像もしたくありません。ですので、そういう事情が来る前に自分の代で墓じまいをするのも良いかなと思ってます。
 ただ、墓を閉めるというのは重要な一大イベントですので、仕事と同じように色々な所への根回しが重要かもしれません。手を抜いたり、段取りを怠ると仕事同様トラブルになりますので、それがまた、大変であるのも事実ですよね。
 
 それと私が実際に接している方々のなかには、お墓の維持の負担に不満を漏らす人も多いのです。それは金銭的への不満、日本の制度の不満等々。
そういうことへの不満を、棘のある言葉で、なぜか、寺のボランティアに来ている私たちにもぶつけてきたりするので、私も少々ネガティブになっていました。
 なので、世間や社会の感じ方は人それぞれですので、あまり申し上げたくありませんが、もうちょっと
先祖あってこそのあなたの命という視点も掘り下げて考えてみて欲しいし、そういう話も聞いてみたいと感じていたのです。
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 もし、先祖供養をしている心の中に、祀らないと不幸になるとか、幸福の見返りを求める気持ちがあるとするならば、本来の先祖供養の精神から逸脱していると思います。
 ちゃんと祀らないと祟るとか、ちゃんと祀っているから幸福になるというのはまったくもって無関係だと思います。私は、先祖の霊がいるとするならば、何かを訴えてくることはあるけど、祟ることはしないと信じています。
 不幸になってその家が離散でもしてしまうと自分を祀る子孫もいなくなってしまい、そうなると自分自身の首を締めることにもなりますよね(^^)

 あと、経営者の方々を見ていると「先祖への感謝はあれども、しかし頼らず」という自立している人たちが多いです。先祖供養をきちんとするのは形ではなく心なので、生きている人への礼節と区別していないようなんですね。

 「自分一人の人生なら信仰心というものは育たなかったが、経営者になって何百人の部下とその家族の生活が自分の判断ひとつにかかっているかと思うと、自然と神とか仏とか人間以上の存在に祈りたくなる。いや祈らざる負えない。」という地元の塾の経営者の話がとても印象的でした。

 死んでいるのだから、粗末にしても構わないという気持ちが、万が一にも隠れているならば、周囲の環境の生きている人たち(助けてもらっている人たち)に対しても粗末に接することにつながるのでは危惧しています。
 生きている人も死んでいる人も見返りを求めることなく感謝の思いで接していくこと。それが先祖供養に通じる心かなと感じています。

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命のリレーを感じた時

 学生時代の夏休みに両親の実家に帰った時のことです。何十墓とご先祖たちの墓を前に立った時に不思議な感覚に襲われました。この人たちが誰一人欠けても今の自分は生まれてこなかったんだと感じたのです。
 そして、自分もやがて結婚し、子供が生まれてその子どもたちがまた、今の自分と同じように生命のリレーを感じる日が来るのかもしれないと思った時に、当時の荒れていて自暴自棄気味だった私の心が穏やかになったのを感じたことがあります。自然と涙がこみ上げてきました。

 今は亡き祖父が、墓の一つを指差して、この墓は明治維新の時に戦死した先祖さんの墓で(うちは幕府側)、子が腹の中にいる時に死んだが、子ができる前に戦死していたらお前は生まれてこなかったんだというような話をしてくれました。こうして自分が生きているということは、数々の奇跡のリレーの賜物なのかもしれません。

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東北大震災では私の親戚一家が墓ごと津波に消えていきました。

 何百年後かに、もし自分の墓があって、その前で自分たちの子孫が自分と同じように人生で悩んでいる時がくれば、自分が感じたように励ましてあげたいなと思います。
 お墓という存在を通じてまだ見ぬ遠い子孫たちへ伝わるものがあるなら、お墓の存在意義はまだあるのではないでしょうか。それに代わるものができて経済的にも負担が軽くなるならそれはそれで大賛成です。

 現代のお墓という存在を考えるのは大事なことかもしれませんね。長くなりましたがお付き合いくださりありがとうございました(^^)
 そうそう、知り合いの墓石屋さんが気になることを言っていたのですが、それはまた次の機会に。

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来たよ(34)  コメント(11)  [編集]
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コメント 11

ys_oota

お婆ちゃんの神経の図太さがスゴイ!(◎_◎;)
by ys_oota (2017-08-17 09:45) 

Hide

おはようございます!
雨も止みお天道様が、ほんの少し顔を出してくれそうです。
既に、東京で仕事中でしょうか?また夜中にお邪魔しますので・・・
by Hide (2017-08-17 10:10) 

johncomeback

拙宅のお墓は徒歩15分の臨済宗のお寺さんにあります。
息子は東京での仕事を辞めて帰って来る気はさらさら無いし、
嫁に行った娘はいずれ夫の故郷(宮崎県)に行く事になりそうです。
僕が生きているうちに「墓じまい」して、僕と妻は散骨してもらおうかな。
by johncomeback (2017-08-17 10:15) 

ワンモア

☆ys_ootaさま
 おはようございます。ユーモラスな口調と話の内容のギャップに戸惑いながらも面白い内容でした。でも、何を話していたかをまとめるに苦労しました(;^ω^)

☆Hideさま
 おはようございます、東京は日帰りで昨夜遅くに帰ってきてしまいました。またいらしてください。

☆johncomebackさま
 おはようございます。おぉ、臨済宗とは。栃木県では非常に数少ないのです。墓じまいは、とある仕事のプロジェクトとして捉えてみると非常に根回しや下準備がいる大変な仕事になりそうなので、私もそれが負担になりそうです(;^ω^) 今は樹木葬も人気のようですよ。
by ワンモア (2017-08-17 10:23) 

caveruna

ただいまー!(笑)
お盆に友達が家を建てたので、見に行ってきたのですが、
目印にローソンのところの路地を曲がって・・・と言われたのですが、
その場所にローソンが出来たことを私は初めて知りました。
家に帰ってから、その話を父に話していた時、
もともと、市営墓地の近くにローソンが建ったんだけど、
幽霊さんが頻繁にお店に出るらしく、
オーナーさんが気味が悪いと、早々と店を閉めて最近移転?
したんだそうです。そんなことってあるんですね~。
by caveruna (2017-08-17 17:28) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

おばあちゃんの図太さも大したもんですが、
お墓は粗末にしては、いけませんね。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2017-08-17 19:44) 

ワンモア

☆ caveruna さま
 おかえりなさーい(笑) すごい久しぶりのような気がします。
 市営墓地の近くのローソンですか・・水商売では幽霊が出たほうがお店が繁盛すると聞いていたのですが(お客を連れてくるらしい)(;^ω^)
 オーナーさんに詳しく聞いてみたいですね。

☆なんだかなぁ〜!! 横 濱男さま
 おばあちゃん、ずっと自分のせいにしていたところがなんかすごいと思いました(^^) 故人に対する礼節は大切に思いますね。

by ワンモア (2017-08-17 20:24) 

笠原嘉

私の考えは古いかもしれません。霊はいると思います。
遺骨がある墓の墓石のみを移動して、骨はそのままな
ど‘‘もっての外‘‘ではありませんか!!
それも、人生経験の豊富なおばあさんのする事ではあり
ません。お金の問題ではありません。‘‘遺骨‘‘のない墓なら
事情はお察しいたします。例えば、戦時中ロシアの捕虜に
なり、強制労働させられて飢えてなくなった等。
私がいまここに存在するのも、神社仏閣を大切にし、
拝んでいるからかもしれません。

ワンモアさん、私のブログに訪問くださりありがとうござ
います。いい話を聞かせてもらいました。
by 笠原嘉 (2017-08-17 21:36) 

ワンモア

☆笠原嘉 さま
 こんばんは。ご訪問ありがとうございます(^^)
 笠原嘉さんのお考えは決して古くはないと思います。いえ、むしろ今は最先端かも。迷信を超えて科学的にアプローチされはじめてきております。
 私が受けた印象は、家族みんな、お金にかなり執着している感じでしたかねぇ。
by ワンモア (2017-08-17 21:58) 

tsumi

お墓の在り方…とても難しいお話ですね…!

主人の実家は偶然にも福島で、主人のおじいさん・おばあさんは昭和村というところにいらっしゃいます。そこで見たお仏壇は、あまり装飾は無く、とても質素なものでした。私の田舎は新潟なのですが、仏壇は金ピカの絢爛豪華なもので、そのギャップに始めは驚きました。(どちらも農家で、家の豊かさは同じくらいかと思います。)

その他にも、田舎ではしっかりとした形式でガチガチのお盆だったのですが、「来れたら来て~」という、かなりアバウトな感じだったりと、地域によってなんでしょうか、意識の違いをとても感じました。

もちろん、どちらの家でもご先祖様への感謝の気持ちはしっかりとありますよ!スタイルの違いですね^^

よく、「このお墓には入りたくない!」と言ってご自身で用意される方の話を聞きますが、私は自分の埋葬先についてはこだわりはないですね。。今を生きるのに必死なんで!笑
by tsumi (2017-08-31 14:26) 

ワンモア

tsumiさま
 コメントありがとうございます(^^) おぉ昭和村。南会津のちょっと上の所ですよね。新潟は浄土宗が多いので金仏壇が多いようです。宗派の違いですよね。
 栃木県でも「うちのご先祖さんは新潟から来た」といって金仏壇の家庭が一箇所に集中している地域があるのですが、自分たちのことを一向宗と言ってました。宗派が違うと何百年経ってもよそ者であるという意識があるようで興味深いお話しを聞かせてもらったことがあります。
by ワンモア (2017-09-01 12:19) 

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