当時の航空機はエンジンがパイロットの前にある推進式スタイルが主流でした。なので強力な機関砲を積む場合はエンジンが邪魔になるので胴体ではなく、主翼に配置せざる負えませんでした。基軸から離れると命中率は当然落ちることになります。
ドイツのダイムラー・ベンツのエンジンがエンジンの隙間から機関砲を搭載できる利点がありましたが、他のエンジンが中々そうは行きません。
そこで、アメリカのベル社が考えついたアイデアは、邪魔な胴体を操縦席の後ろにおいて前を空けたらいいじゃんというものでした。
このアイデアは、ちょうど重心位置近くにエンジンを配置するので慣習能率が小さく運動性も高くなり、さらに胴体前方が小さくて済むので視界も良好とよいことずくめ。
ここまで斬新的な技術を盛り込むと、大抵結果は失敗するものですが、しかしそこは、工業大国アメリカ。エンジンから長く伸びる延長軸の強度問題や減速機構の振動問題なども上手く解決してしまいます。日本の雷電では振動ですごく苦労したのにすごいですよね。
ただし、軍事機密中の排気タービンエンジンの加熱問題が中々解決できず、結局スペックダウンのエンジンを搭載することになり、性能がガタ落ち、国内やイギリスでも嫌がられて、ソ連へエンドリース機として送りつけることになります。
前方にエンジンがないから具合がよいかと思いきや、機首の機銃孔から入る風も相当寒かったようで。エンジンは暖房の役割も果たしていたんですね^^;
しかし、ソ連では運用方法が違っていて、高々度用の性能よりも地上支援が中心でしたので、エアラコブラの持つ強力な機関砲が役に立ったのです。また低空域での空戦ではドイツ戦闘機とも十分対抗できたとのこと。本機の頑丈さや重武装が歓迎されて、何だかんだで合計4,773機ものP-39が生産され、ソ連に送られることになります。
かたやアメリカに送り返されたP-39たちは、太平洋戦線に駆り出され、零戦の格好の餌食にされてしまいます。中高度域での性能で不利だったことがその理由として上げられています。日本のパイロットたちからはその形状から”カツオブシ”と呼ばれていました。
結局P-39は1万機近くも生産されますが、うち約半分は遠い異国の地、ソ連に送るためのもので、アメリカ本国では1943年以降、第一線から早くも退くことになるのでした。
生産機数も1万機近くもあるのに、あまりぱっとしないのは、異国の地で、もっぱら地上攻撃に使われていたというのも関係しているかもしれません。
それでも、遠い国へ里子(さとご)に出されたことで活躍できたことは、P-39にとってよかったことかもしれません。
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咳、早く治りますように^^
by caveruna (2017-10-05 16:23)
☆caverunaさま
ありがとうございます(^^)今年の風邪はシツコイですよ(´・ω・`)
by ワンモア (2017-10-05 16:27)
今年8月に「鶴見線」を走破しましたが「川崎」は通過or乗り換えで
駅舎から出た事がありません。工場労働者が集うディープな
酒場がありそうですよね、いつか探索したいです。
by johncomeback (2017-10-05 20:01)
エアコブラはこんなに革新的な構造の戦闘機だったのですね~。
by ロートレー (2017-10-05 20:31)
☆johncomebackさま
こんばんは〜鶴見線完乗した時の記事、覚えてますよ。
大川駅は是非、立ち寄ってみたいです。海芝浦駅は電車じゃないと入れないのかな?牛豚内蔵専門卸のおじいちゃんのお話しを聞くことができました(^^)ディープな川崎をご紹介できればと思います。
by ワンモア (2017-10-05 20:32)
☆ロートレーさま
こんばんは〜エアラコブラ、最初から軍事機密の排気タービンエンジンを搭載していればもっと違った運命を辿っていたかもしれません。P-63キングコブラと共に数奇な運命を辿りましたね(^^)
by ワンモア (2017-10-05 20:35)
屋号のないラーメン屋さんなのでやすね。
美味しくて何よりでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-10-05 22:29)
技術と性能は必ずしも伴あわないことの典型ですね。零戦のパイロットから鰹節と呼ばれていたのも、いい鴨だったからでしょうか。
by ys_oota (2017-10-06 02:02)
☆ぼんぼちぼちぼちさま
ラーメンショップから独立したと思われますが、屋号がないと人に紹介する時にどう伝えればいいのかで悩みます(笑)。
☆ys_ootaさま
鴨とかけて魚から鳥になりました(^^)。エンジンの性能を上げればよかったかもしれませんが、エンジン胴体内中心はやはり無理があったようです。
by ワンモア (2017-10-06 10:27)