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デアゴスティーニの48号はフォッケウルフFw190A!

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 友人の社長の新事業所からの初投稿です。デアゴスティーニ第48号は、ドイツの戦闘機、フォッケウルフFw190Aです。ドイツ機はこれで6機目。意外と少ないですね。日本機25機、米軍機10機、英軍機4機、他国機3機になりました。DeAGOSTINIのこのシリーズ、半分が日本機なんですね(´⊙ω⊙`)
 

主力機の補助的な役割から開発された”騎兵の馬”

 さて、このフォッケウルフFw190、Bf109と両翼を担うドイツの代表的戦闘機です。Bf109が、早い駿馬サラブレッドならこのFw190は荷物も運べる頑丈な騎兵馬。設計主任のクルトタンク技師は自らが従軍経験もあり、操縦資格も取得していることから、Bf109のような高速だけではなく、過酷な戦場でも使用に耐え、様々な対応ができる戦闘機を開発しようとしました。実際に頑丈で積載量の多いこの機体は連合国からも「ドイツ最良戦闘機」との評価も受けています。
 初デビューはバトル・オブ・ブリテンがドイツの敗北が濃厚になった1941年の夏。英国のスピットファイアⅤを圧倒し、ドーバー海峡の制空権を半年の間、手中に収めるという快挙を得ます。
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 劣勢になって危機感を感じた英国空軍はなんと特殊部隊を使ってこのFw190Aを盗み出そうというスパイ大作戦的なことまで計画します。この作戦、まさに決行される直前に、一機のFw190Aが英国空軍の飛行場に間違って着陸するという大チョンボをしてくれたおかげで実行ぜずに済みます(;^ω^) 。しかも生産されたばかりの新品のFw190Aでした。
 労せず手にいれた英国はこの機体を徹底調査、その飛行特性や構造、大量生産への配慮や戦地での整備のし易さなどに感心し、開発中のホーカーシーフェリーに影響を与えたと言います。


 この高性能機もやはり弱点がありました。それが高々度性能。飛来する連合国の爆撃機やそれを護衛する戦闘機と戦うには空冷エンジンのBWMエンジンでは荷が重かったのです。そこで、液冷エンジンのJumo213を搭載したFw190D型、そして本命のTa152型が開発されていきますが、思ったより高性能にならなかったのは意外な結果で、結局、A型が一番活躍をしたといえそうです。
今回のFw190A型も前期型のA-4と後期型のA-8と大別できますが塗装からいうと後期型かな。

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→Ta152最強伝説を考察してみる〜その1
→Ta152最強伝説を考察してみる〜その2



発売予定は11月28日
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 発売予定日は11月28日(火)です。ドイツ空軍第300戦闘航空団パウル・リクスフェルド少尉機を再現しています。多分元ネタはこれ。
Fw190A.jpg 機体はA型でも後期型のA-8/R8で、R8は胴体側面に5mm防弾板を装備しています。デアゴスティーニの機体では胴体側面の銀色の部分が装甲板です。では、この部隊についても解説してみましょう。

JG300は”荒くれイノシシ”のネームを持つ異色の航空団

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 所属カラーは第300戦闘航空団です。尾部の赤いバンドは、ドイツ本土防空識別帯と言われており各航空団ごとに決められています。一本の場合は幅90cm、二本の場合は45cm。赤バンドは有名な第300戦闘航空団で、パーソナルマークは”荒くれイノシシ”
 JGの略称は戦闘航空団(
Jagd geschwader)で、昼間用の戦闘航空団の名称なのですが、この航空団は夜間戦闘が目的で編成されています。その編成機種も夜間戦闘航空団にありがちな双発戦闘機ではなく、すべて単座の戦闘機であるのも特徴です。
 戦闘能力の高い単座の戦闘機だけで夜間戦闘が可能なのか?彼らの戦い方は非常に特徴的でした。それは「明るい空の戦闘」と言われるもので、闇夜に撃墜する夜間戦闘部隊たちとは違い戦場が始まってからが彼らの出番、真骨頂なのです。それは実際の夜間戦闘の経験から編み出されました。
 
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黄の12番は製品化もされています。

 通常の夜間戦闘では、敵編隊が目的地に飛来するまでに攻撃を仕掛けます。地上からの無線誘導、搭載したレーダー装置による索敵。昼間とは違い一人で作業する量が多いため、通常は二人が乗り込みます。
 しかし、JG300の部隊は、戦闘が始まってから参加します。それは戦闘前の敵編隊の目標指示弾や照明弾、都市のサーチライトなど戦闘領域が明るくなってから突撃する方法でした。元々、英国のレーダー妨害もあり、レーダーよる補足も困難だったのです。結局は昔のやり方がシンプルで効果的だったという皮肉な結果に。また空襲による都市の火災が敵機の機影を照らし出し「明るい空での戦闘」を助けたという面もありました。

 航空団と呼ぶには少ない30数機の異質な戦闘部隊でしたが、その効果も大きく1943年の8月17日に行われたペーネミュンデ陸軍兵器実験場爆撃の際には40機の敵編隊に対し、29機をも撃墜するという戦果を出します。
 このJG300、昼間もB-17やB-24相手にこのような防弾板を装備と重装備で果敢に突撃しております。


※通販最安店の駿河屋さんでも中古品で「デアゴスティーニ第二次世界大戦傑作機コレクション」を扱いはじめています。掘出物があるかもしれませんよ♪要チェックです。

 価格帯は1,100〜1,400円(税込)くらいです。
→駿河屋【中古】デアゴスティーニ第二次世界大戦傑作機コレクション


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来たよ(34)  コメント(4)  [編集]
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コメント 4

ys_oota

灯りを頼りに突撃とは、現場ではハイテクよりも、ローテクのほうが効果的だったという典型的例ですね。
by ys_oota (2017-11-04 00:50) 

johncomeback

2年ぶりの「なかがわ水遊園」楽しんで来ました。
楽しみにしていた蕎麦も美味しかったです。
来年は2人目の孫も連れて行きたいです(^-^)

by johncomeback (2017-11-04 08:11) 

bpd1teikichi_satoh

空冷エンジンのフォッケウルフFw190 A/F/Gも好きですが、液冷エンジン搭載のフォッケウルフFw190 D-9,Ta152/Ta153に非常に興味が有ります。レシプロプロペラ機の最後を飾る最大速度680km/h/7,000m(Fw190 D-9),730km/h/10,500m(Ta 152 C-0)は素晴らしいものです。

by bpd1teikichi_satoh (2017-11-04 12:32) 

ワンモア

☆ys_ootaさま
 最新技術を封じる技術も開発されますので、原始的な方法が一番効果的だったりするかもしれませんね。ガンダムのミノフスキー粒子もあながち現実化しそうだったりして(;^ω^)

☆johncomebackさま
 なかがわ水遊園のお蕎麦、気になっているのですが、なかなか行けません><

☆bpd1teikichi_satohさま
 フォッケウルフ社のスペックデータは全備重量でなく空虚重量や計画値、予想値で公表しているので割り引かないと行けませんが、ドイツ空軍の最後を飾るレシプロ機としてのロマンがありますよね。
by ワンモア (2017-11-05 15:40) 

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