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闘争の成田〜空と大地の歴史館

空と大地の歴史館.jpg
 成田空港南側にあります「航空科学博物館」のお隣。駐車場の片隅に「成田空港 空と大地の歴史館」という建物がひっそりと建っています。入館は無料です。時間はあまりなかったのですが寄ってみました。
 どんな建物かと言いますと、成田空港と地域をめぐる歴史的な経緯を正確に後世に伝えようとして、2011年の6月に開館したとのこと。
 成田空港の開港の問題と言えば、有名な三里塚闘争・・・私の今いる事務所の場所でもあります。勉強のためにもこれは是非、見学してみたいところです。

 館内はこんな感じ。空港予定地となった場所の紹介と、空港建設の始まりと困惑、そして騒乱から対話へと9つのカテゴリに分けて紹介しています。
館内.jpg


空と大地の博物館_09.jpg 空港以前の村々の歴史では、のどかな田園風景を見ることができます。この周辺の人々は、戦後の入植者も沢山いました。苦労して開墾してきてようやく生活の基盤ができた土地を、今度はいきなり手放せときたもんですからそれは怒ります。

 また、地元の誇りでもあった御料牧場もなくなることから、地元の住民たちも困惑を受けました。→三里塚記念公園と御料牧場

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 当時の社会情勢も紹介していますので、懐かしく感じる方もいると思います。時代背景を知らないと、なんでこんなに揉めたのかわからないかもしれません。ガロとか、当時流行ったレコードジャケットも展示しています。
空と大地の博物館_00.jpg
この建物の目玉はこれじゃないでしょうか。
存在感とインパクトに圧倒されました。
本物です。よく集めたなぁ。
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空と大地の博物館_05.jpg空と大地の博物館_01.jpg
当時の新聞記事も。
この事件がきっかけで、世論も新聞の論調も変わりました。
空と大地の博物館_06.jpg
ガス弾。これを頭部に受けて死亡した運動家も
空と大地の博物館_07.JPG
地元の少年団も結成されたようです。
子どもたちまで戦うなんて・・・・これは悲しい。
空と大地の博物館_08.jpg
成田が開港してからも長い間、重苦しい時間が過ぎていきます。
成田国際空港俯瞰図.jpg
現在の成田空港の写真です(クリックで拡大)

 建設前の写真と比べることができます。この写真の中には今も反対のために土地を手放さないでいる私有地が空港内にも残されています。→空港の中に私有地?!成田空港問題について
 色々と考えさせれる歴史館でした。なぜ、こんなにも成田空港の開港は揉めに揉めたのか。ここにはかなり正確な資料が沢山残されています。書籍も閲覧可能です。自分の目で調べて、現地の匂いを肌で感じることの重要性を改めて感じました。

成田.jpg
見上げると今日も多くの旅行客や国際貨物が運ばれています。
こういう歴史を忘れてはいけませんね。



開館時間:午前10:00~午後5:00 ※入館は午後4:30まで

休館日:月曜日(祝日または振替休日の場合はその翌日)、
年末年始(12月29日~1月3日)
※展示入替え等により臨時休館する場合があり。
入館料:無料
〒289-1608千葉県山武郡芝山町岩山113-2
TEL 0479-78-2501


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来たよ(37)  コメント(5)  [編集]
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コメント 5

ys_oota

うーん、当時の活動家、常軌を逸してますね。こんな時代もあったのですね。
by ys_oota (2017-11-28 00:40) 

caveruna

なんか・・・実物を見ると鳥肌が立ちますね。。。。
by caveruna (2017-11-28 13:40) 

johncomeback

何故あんなに揉めたんでしょうね?
反対運動を何か利用しようといた過激な輩のせいでしょうか?
いろいろ複雑に利害が絡んでいたんだろうなぁ。
by johncomeback (2017-11-28 16:16) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

当時の記憶が蘇ってきますね。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2017-11-28 20:18) 

ワンモア

☆ys_ootaさま
 なんか、今の世代とかけ離れているような感じですよね。
☆caverunaさま
 現物はすごいですよ。インパクトありました。
☆johncomebackさま
 一番、悲惨だったのは地元の農民の方々のように思います(´・ω・`)
☆なんだかなぁ〜!! 横 濱男さま
 私は子供だったので記憶にないのですが、学生紛争の話はよく聞かされました。
by ワンモア (2017-11-30 09:12) 

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