F−105サンダーチーフはアメリカのリパブリック社の最後の戦闘機です。社の代表的な機体はなんといってもP-47サンダーボルトではないでしょうか。P-51マスタングと並んでアメリカ陸軍の主力戦闘機として活躍、社の発展に大きく貢献した機体でした。
このサンダーボルトの”サンダー”が同社の伝統となり、F-84サンダージェット、F-84Fサンダーストリーク、RF-84Fサンダーフラッシュ、XF-91サンダーセプターと”サンダー”の名が続き、F-105サンダーチーフで完結となります(同社は1965年にフェアチャイルドに買収)。
また、この時代のアメリカは、F-100番台の機体が続きまして、通称”センチュリーシリーズ”とも言われております。
ノースアメリカン F-100 スーパーセイバー 1954〜1988
マクドネル F-101 ヴードゥー 1957〜1984
コンベア F-102 デルタダガー 1958〜1979
ロッキード F-104 スターファイター 1958〜2004
リパブリック F-105 サンダーチーフ 1958〜1984
コンベア F-106 デルタダート 1959〜1988
こんな感じですね。ジェット機の時代でいうと第2世代(1950〜1960年代)とも言われ、急開発されて音速超えの戦闘機が当たり前の時代に突入した世代です。
このF-105、戦闘機の略号の"F"の符号を受けながら、機体内に爆弾倉も備え、実質上は戦闘爆撃機として活躍します。総重量は20トンと大型の機体でありながらも戦闘機の機動力を損なわなかったのは、約11トンの推力という大きなエンジンの搭載のおかげ。先輩のP-47サンダーボルトもそうですが、大馬力のエンジンというのは数々のメリットをもたらしますな。日本機ファンの私としてはちょっと羨ましくもあります。
時代はちょうどベトナム戦争の真っ最中。B-17やB-29の絨毯爆撃のようなアバウトな爆撃ではなく、精密なピンポイント爆撃を必要としたこの戦争では、正にピッタリの機体だったのですが、軍が低空の精密爆撃にこだわったために、敵機や対空砲火の的となり、F-105D/F型は総生産数751機のうち損失がなんと400機以上という痛手を被ります。全タイプの総生産機数が833機なので、約半分が戦争で失われるという悲運の軍用機でもあるんですね。
軍もこの精密爆撃の困難さを痛感しており、その後、敵の射程外、迎撃可能範囲外からの攻撃ができるスタンドオフ兵器、アウトレンジ攻撃兵器の開発に熱心になります。
”雷の王、雷神(Thunderchief)”という意味を持つサンダーチーフは、機動力と搭載量を両立させた、今でいうマルチロール機(戦闘、偵察、爆撃、攻撃など多様な任務をこなせる機体)のはしりともいうべき機体で。最後のサンダーの名を冠するにふさわしい機体であったと思います。
<今日の成田>
近くの24時間スーパー(薬局?)で売っている棒ラーメンの「五木 熊本赤辛ラーメン」100円です。ラー油が別袋で辛さが調整できます。意外とスープが本格的で美味しかったので、「煮玉子、チャーシュー、メンマ」セットともやしと海苔を入れました。
夜食にはちょっと手間がかかりますが、外へ食べにいくのも面倒な時はこういうものも良いもんです。
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半数が撃墜って、、低空だと対空ミサイル撃たれたら避けるのは難しそうですからね。戦術の失敗ですね。
by ys_oota (2018-02-24 01:03)
☆ys_oota さま
ベトナム戦争は大国の奢りというか、アメリカの数々の失敗があったように思います。ベトナム航空戦については私も勉強しています。
by ワンモア (2018-02-26 15:50)
熊本には30回位行ってますが「赤辛ラーメン」は知りませんでした。
美味しいのなら食べてみたいですが、仙台で売ってるかなぁ?
by johncomeback (2018-02-26 16:17)
雷神といえば、吹奏楽のマーチング曲を思い出します♪
by caveruna (2018-02-27 00:28)
☆caverunaさま
私は風神・雷神の屏風絵を思い出しちゃうなぁ
by ワンモア (2018-02-27 15:09)
F-105サンダーチーフ約半数が撃墜されたとは・・・・操縦士の生命も・・・・
矢張り価格が高くとも現代のステルス戦闘機でないと余りにも消耗が
激し過ぎると思います。ステルス戦闘機でも既に退役したF-117ナイトホークの様に亜音速ではSA-6セミアクティブレーダー誘導ミサイル
によって迎撃された例がある。F-35A、F-35Bは超音速機だし、高度なステルス技術が盛り込まれている。
by bpd1teikichi_satoh (2018-03-02 18:04)