SSブログ

動画編集について思うこと。ヒカキンさんの6時間製作は当たり前?

 最近のニュースで、ユーチューバーのヒカキンさんが、7分の動画を作成するのに6時間かかっているというのが話題になっていました。
→「7分の動画を編集するのに6時間」ヒカキンの仕事ぶりがまた話題に 他のユーチューバーからはやっかみも

 「そんなに時間がかかるものなのか」という声と「そんなに早くできるのか」と意見が分かれているのが興味深かったのですが、動画を実際に編集したことのある人は、早いという印象を持たれたようです。
ヒカキン.jpg
サムネイルが変顔ばかり(笑)

意外と時間がかかる動画編集

 私も実は、以前の職場で製作企画を行っていたのですが、動画編集はかるく100本以上製作しておりました。その中でも特に時間がかかるのは、素材から加工する必要がある1〜3分くらいのPR動画です。

 完成までにかかる所要時間は平均約9時間。これは素材が全部揃った状態で机の前でかかる作業時間です。素材の撮影まで入れると更に何時間もかかります。素材がある程度揃ってくると、作業時間がグングンと上がり効率が上がってくるのですが、それでもヒカキンさんの製作時間は早いなぁと関心してしまいます。
 年収1億円以上稼いでるとのことですが、企画して、撮影して、編集してと、普通のサラリーマン以上に働いているはずですので、それだけ頭と体力を使った成果だと思います。

Cap 11.jpg


動画は静止画の集合体

 こういった動画なんですが、簡単に言うと、静止画像の集まりなんです。連続画像が流れることで動いているように見えるだけで、実際は静止画をつくる感じになります。これをフレーム(画面)と呼ぶのですが、テレビやビデオは普通、1秒間に 30フレーム、通常の映画は 1秒間に 24フレームになってます。現在のHDTV では、1秒間に最大 60フレームまであるそうです。GIF画像になるとフレーム数はもっと落ちますがガタガタした動画になります。
 なので、チラシやフライヤー製作したことがある人間からすると、チラシを30枚作って1秒間の映像を作るような感覚です。
importcine_phantomcinetoolkit_fcpx.jpg

 私が製作で使っていたソフトはFinal Cut ProというMacのソフトでした。会社で購入して当時は10万円以上のものです。それに有料の動画素材購入やプラグインソフトになんだかんだでまた10万円くらいかかります。撮影機材まで入れると更に何十万とかかります。50万近くは費用として使ったのではないでしょうか。
 動画編集ができる業者に委託をしようと見積もりを出したのですが、金額が高いのと時間もかかることが分かり、「お前、
チラシやポスターが出来るのだから動画もできるだろう」という流れになって自社自前でやるようになったのです。導入にかかった経費も発注費と比べたら数回で元取れますし、人件費は自前なのでタダですからね(笑)。
 まあ、大変でした。「簡単に言うなよな〜(#^ω^)」という感じです。要はチラシで言いたいことを動画にして音楽入れてPRしていくという作業なので、延長線上にはあるのですが、書籍を買い込んだり勉強したりしてなんとかモノになった記憶が。
映像の書籍.jpg

 結論は命削ります(笑)。一度取り掛かると集中力を切らしたくないので完成まで手を休めることがしずらいです。ですので長時間の集中力と体力、根気が必要となります。更に納期は絶対ですので、徹夜は当たり前。夜中に
機材トラブルが生じると、自分で直さないといけないためハードウェアにも詳しくなくてはなりません。昔はレンダリング作業に何時間もかかったり、クラッシュしたりと大変でした。
 ようやく自分でできるようになると、今度は地方の部所から「この子たちにも教えてくれ」と手の空きやすい女性ばかりを送り込んできます。こんな重労働は女性には向いていないかもと、可哀想に思いました。

 映画や音楽のプロモーションビデオを注意して観るとお分かりになるかと思いますが、映像とBGMのタイミンが絶妙に合っています。これ実は重要で、見ている人の感情を違和感なく動かすのに重要な要素なんです。曲の抑揚や切り替えに合わせて画面を挿入することはかなり意識しないと気がつかないと思います。
 コンマ何秒のタイミングなので息を止めてその1フレームをタイミングを見つけて挿入なんてことも。気がつくと呼吸をするのを忘れているくらいに画面に集中していることも(笑)。まさに自分の命を削って製作している感じでしたね。
 様々な制作物を手がけてきましたが、映像の製作って肉体的にも精神的に一番辛い仕事なんじゃないかと思った次第です。それだけに完成したプロモーションビデオは人を感動させるものがありますよね。
 見ている側に感動をしてもらうビデオを作りたい時は、曲が大事な要素になります。曲に合わせて映像を入れるという作業になります。先に曲ありきになります。またその曲が歌詞がある場合には、それに合わせた映像も見つけてこないといけません。効率よく作業を行うには、頭の中にどれだけの映像を入れておくかが鍵になります。
編集_02.jpg


頭の中にイメージがあると作業効率は全然違う。

 
製作前に頭の中に完成したイメージがあると製作時間が全然違います。プロモーションビデオだと先に絵コンテに落としていくのですが、ここでイメージが完全に出来がっていると、あとは作業が早いのです。
 また、
こういう仕事をするようになると、車の中で曲を聞いていても、誰かと話しをしていても、頭の中にイメージがどんどんわいくるようにもなります。これは、会議や相手にプレゼンテーションをするときにも役に立ちました。
 要は自分が何かを伝えたい時は、相手の頭の中にイメージが湧きやすいような話し方をすれば伝わりやすい、説得力が増すのだなということです。そのためには、相手の頭の中にどのような引き出しがあるかを探る必要がありますし、相手への関心や質問力も必要になります。相手の頭の中にない映像は引き出せないということですね。
 そういえば仏教のお釈迦さまの説法も、比喩や喩え話が豊富ですが、そういう効果もあるのでしょうね。
アイデア.jpg

 さて、映像製作をお願いしてくる発注者、クライアントにも違いがあることを述べたいと思います。
何十人もの人から依頼を受けて製作をしていたのですが、作りやすい人、作りづらい人というのはハッキリとしていましたね。 

 大変なのはクライアントがイメージが全然ない場合・・・。固まっていないまま製作に入らざる負えないケースが一番ストレスがたまります( ˘•ω•˘ )
 一番楽しかったのは、イメージがすでに固まっている人からの依頼でした。お互いの頭の中にあるイメージが共有化されて、どんどん現実化していく行程は最高でした。滅多にないケースですけど。
 

砂浜.jpg
 砂浜を歩いて足跡をつけていく映像がどうしても欲しいという時は、海まで行って、丸一日かけました。「ここの砂浜は柔らかすぎて足跡が深すぎる。もっと固い砂を探そう」なんて。
 日光の杉並木を下から撮影していく動画の場合は、車内に大きな撮影機材をセットして早朝の車の少ない時間帯を狙って撮影に行きました。
 面白いのは撮影機材を持っていくと、「何?TV局の取材?」みたいな感じで好奇心の目で見られることでしょうか。ある時は、信号待ちしている車の女性が慌ててシートベルトを付け始めてしまったのには笑ってしまいました。警察のネズミ捕りとでも思ったのでしょうかね。現地で撮影に出かけるというのが楽しみでもありました。
撮影.jpg

 「百聞は一見にしかず」ですが、映像で伝えるということはインパクトがあります。今までの経験と技術を今の職場でも活かせたらいいなぁと思う次第です。特に海外の人に日本のことを伝えるには役に立ちそうです。
 最近はドローンが普及して、俯瞰映像も簡単に撮影できるようになりました。こういう映像を作りたいなぁとイメージがどんどん膨らんでいくのですが、実際は製作は大変なんですけどね(笑)。今は技術が進歩して作業効率も上がってきてるといいなぁ。
ドローン.jpg


こんな記事もどうぞ

来たよ(34)  コメント(9)  [編集]
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 34

コメント 9

middrinn

まったく縁のない世界なので、只管へぇ~と拝読m(__)m
連想して思ったのは、皆さん、ブログ記事はどのくらいの
時間をかけているんだろうか、と(^_^;) 貴ブログは毎回
かなりのお時間をかけてそうで敬意を払って読まにゃ^_^;
by middrinn (2018-03-26 09:29) 

johncomeback

へぇ~動画編集ってそんなにも大変な作業なんですか。
集中が長続きしない僕には無理だなぁ、知識もセンスも無いし。
by johncomeback (2018-03-26 11:25) 

横 濱男

動画編集は大変ですね。
編集作業で3分にまとめるのが結構大変でした。

by 横 濱男 (2018-03-26 20:53) 

ワンモア

☆ middrinn さま
 ご訪問、ありがとうございます(^^)。ブログは時間がある時に書き溜めておりますので、そんなに時間はかけていないと思うのですが、1時間くらい?昔の勉強の時間を今はブログに当てている次第です。マニアックすぎるので適当に流してくださいませ(*^^*)

☆Johncomebackさま
 動画の編集は体力と集中力がある若いうちかもです。でも今はもっと簡単にできるように進化していると思いますです(^^)

☆横 濱男さま
 おぉ、横 濱男さまもですか。簡単に済まそうと思えば出来るのですが凝った作りをしようと思うといくらでも時間をかけられてしまいます。まさに動画編集沼(笑)

by ワンモア (2018-03-26 22:29) 

ys_oota

動画編集大変ですよねー。ちょっと凝ってPicture In Picture をしたりすると、半日は軽く潰れます。(´・ω・`)
by ys_oota (2018-03-27 01:13) 

ワンモア

☆ys_ootaさま
 こんばんは~。おっ、 ys_ootaさんもやってますね(^^)。私の時代ではレンダリングが一番時間かかっていたなぁ。
by ワンモア (2018-03-27 02:09) 

tsumi

どうもお久しぶりです!
動画ですか~!私もyoutube良く見てますよ~下手したらテレビより見てます笑 ゲームが好きなもので、ゲーム実況とか見ちゃいますね!
ちょっと違うかもしれませんが、配信者のプレイの仕方は普通の人と違って、見る人が見やすいよう、聞きやすいよう、画面アングルや音響をとても気にされているようです。
人気のある配信者ほど、見やすくて楽しめるよう、編集をしっかりされているように感じますね^^!
“人に見せる”という観点から物を作るというのは、とても難しく、すごいことだと思います!ワンモアさんもすごいお方なんですね!
by tsumi (2018-03-27 22:25) 

ワンモア

☆tsumiさま
 どうもです。ご無沙汰です(^^)。私もいまやTVよりもYouTube派です(笑)子どもたちもゲーム実況をよく見ています。自分でやらないで見るほうが楽しいの?って不思議でしたが、いざ見るとハマりますよね。
 アングルや音響や編集のことが分かってもらえる方がいるとなんだかとても嬉しいです(^o^)
 私がクライアントに言われていたのは「とにかく見てる人を感動させて泣かせたい」ということでした(笑)。よく、これでもかと言わんばかりに泣かせようとする動画がありますが、あれ、自分が感動していなんだろうなと思ってしまいます。人を感動させるには、頭で泣かせようと考えるのではなく、まず自分が感動すること、そこから共感するものが出てくることが大事なんだろうな〜と思います。なんちゃって(^^)
by ワンモア (2018-03-27 23:13) 

caveruna

ずっと映像関係の会社にいましたが、自分で映像作品を作ろうとは、
あまり思わなかったんだよなぁ^^;
でも、最近ちょっとだけ興味が湧いてきました。
まずは、スマホから始めてみます(苦笑)
by caveruna (2018-03-29 21:59) 

Copyright © 1/144ヒコーキ工房 All Rights Reserved.

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。