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デアゴスティーニの66号はドルニエDO335!あとお久しぶりです><

 皆様、大変お久しぶりです。更新が滞り、あっという間に10日以上経ってしまいました。こんなに期間が開いてしまったのはおそらく、ブログを初めて以来のことです。
 この猛暑で体重もわずか一月で5kg減。人間、頑張れば痩せやれるものですなぁ(´Д`;)

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さて、ヒコーキネタの再開を
 

第66号は異色の双発戦闘機、ドルニエDo335!

 さて、久々の更新になりますが、まずはデアゴスティーニの新作をご紹介。
 戦闘機は航空機の技術の中でも、最も高い技術を要求されます。戦闘機の至上命題として要求されるのは速度と機動性。
 飛行機をデザインする時に重要なのは、空気抵抗ですね。

 エンジンが1つの単発機と、エンジンが2つの双発機では正面のシルエット(
前面投影面積)はこんなにも違います。
Cap 313.jpg
前面投影面積
が大幅に増えているのが分かりますね。


 エンジンが2つあることは、馬力を稼ぐメリットがあるのですが、上図のように正面からの空気抵抗、
前面投影面積が増えるというデメリットがあります。
 こんな二律背反にも似た課題を克服するにはどうするか。ドイツのドルニエ社が考えたアイデアはとてもユニークなものでした。
 それは、正面は単発機でもエンジンは双発というエンジンの配列です。

Cap 315.jpg
これは”タンデム型”とも”串刺し型配列”と言われています。


 戦闘機としては非常に珍しいスタイルで、第二次世界大戦でこのデザインを採用したのはこのDo335だけです。はたから見ると奇抜以外の何者でもありませんが、ドルニエ社としては飛行艇時代からよく取り入れていたエンジンデザインなのです。

ドルニエ.jpg
ドルニエ Do R 前後にプロペラ付いていますね。


 当時のエンジンは非力でしたので、双発だけでなく、3発、4発、多発機が沢山空を飛んでいました。エンジンの馬力が向上するにつれ、多発機は廃れていきますが、このノウハウをもう一度蘇らせようという発想だったのかもしれません。ですので、前面投影面積を押さえて大馬力にした至極まっとうなコンセプトデザインなのです。

 この配置ですと、胴体内に全てのエンジンが搭載されている分、通常の双発形式よりも空力、摩擦抵抗に優れ、加速や速度性能も優れることになります。
 
 このアイデア、胴体の中の理想的な位置にエンジンを配置し、プロペラの位置まで軸で延長することになりますが、この実用化がなかなか難しい・・・。日本の雷電も空気抵抗を抑えるために大馬力の火星エンジンを後方に配置し、延長軸でプロペラを回そうとしたのですが、振動する問題がなかなか解決できませんでした。

 さて、串刺し型双発のメリットはまだあります。機首と機尾でエンジンの回転方向が異なるためにトルクを打ち消し合って静的状態を作り出すことになり、トルクによる偏向がありません(通常は右回転によるトルクが発生する)。

Cap 314.jpg

 
 その成果はというと当時の単発戦闘機以上の速度である最高速度763 km/h (6,400m)をマークしました。このDo335は、 通常の双発機と異なり、エンジンが一基停止状態でも推力の偏向が起こらず、後部エンジンのみでも560km/hで軽快に飛行するという高性能ぶり。
 試験飛行の記録によれば、速度はもちろん、加速性、旋回の性能が高く、双発機にしては信じられないほどの運動性を示したとされています。 

Do335エンジン.jpg
前後に配列されたDB603Aエンジン
 あわせて主翼と上下に1枚ずつ配置された垂直尾翼というシルエットから「プファイル(矢)」と命名されましたが、現場の将兵たちからは、オオアリクイと呼ばれていました。

 

オオアリクイ.jpg
似てる!(^^)
 脱出時には、後部のプロペラに確実に巻き込まれますので、プロペラと垂直尾翼を吹き飛ばす構造になっており、圧縮空気式の射出座席でパイロットを脱出させます。

 初飛行は1943年の10月でしたが、連合国による大規模な爆撃のため、生産が思うように進まず、生産数は40機に満たなかったとされています。複座の練習機型、夜間戦闘機型、重装備の駆逐機型、計画では、後部をジェットエンジンにしたDo435、本機を更に2機つなげたDo635などが計画されていました。

 当時の最新鋭ではあるが未成熟であるジェットエンジンに頼らず、既存の技術を組み合わせてレシプロ戦闘機の可能性を最高に引き上げドルニエDo335。異色ではありますが正に究極の双発機であると思います。ドイツの工業技術の底力を見せつけた戦闘機ではなかったではないでしょうか。

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<今日の成田>


 いやあ、本当にお久しぶりです。何人かに大丈夫かと心配もされました。確かに、夏バテ、熱中症、激ヤセと大変でしたが、なんとか復帰して元気でやっております。
 今後共よろしくおねがいしますm(_ _)m

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来たよ(30)  コメント(12)  [編集]
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コメント 12

middrinn

この串刺し型双発、この発想は凄いですねぇ( ̄◇ ̄;)
脱出時のことまで、配慮が行き届いてますね(〃'∇'〃)
オオアリクイの写真と並べて下さる御配慮も心憎いけど、
5kg減は笑い事じゃないので、御養生下さいなm(__)m
by middrinn (2018-08-05 10:35) 

ワンモア

☆middrinn さま
 お久しぶりです!>< これから体重を戻さないといけませんが、せっかくなので脂肪ではなく、筋肉になるようにがんばります(笑)
by ワンモア (2018-08-05 11:56) 

bpd1teikichi_satoh

Do335素晴らしくカッコーが良いですね!日本の震電も同じタンデム
式戦闘機ですがずっと洗練されている気がします。ナチスドイツの戦闘機はとてもユニークな機体が多いですね。
by bpd1teikichi_satoh (2018-08-05 12:14) 

ワンモア

☆bpd1teikichi_satohさま 
 こんにちは!ご無沙汰です。ドルニエは長年の技術があったから、このような戦闘機が開発できたのではないかなと思います。アイデアも秀逸ながらそれを実用化させる技術もすごいものですね。
by ワンモア (2018-08-05 12:48) 

kinkin

この暑さ、無理なさらないように。
by kinkin (2018-08-05 13:17) 

johncomeback

夏バテ、熱中症、激ヤセですか、お大事になさって下さい。
仙台でも観測史上最高気温を更新しましたからねぇ。
僕は今週末から関西方面へ「一人鉄旅」です、暑いだろうなぁ。

by johncomeback (2018-08-05 14:23) 

ワンモア

☆kinkinさま
 お久しぶりです。本当に暑いですよね〜お互いに気をつけましょう。
☆johncomebackさま
 ご無沙汰しております。仙台もなかなかの暑さですよね。一人旅、記事の更新を楽しみにしております(*^^*)
by ワンモア (2018-08-05 16:29) 

caveruna

私も、更新が空くのは今年になってから初かも…
無理せず続ける、これでいいんだと思う今日この頃。
夏バテ、かわいそう…

by caveruna (2018-08-05 17:13) 

Cedar

夏バテで体重減、夏バテしても痩せない誰かさんには羨ましい気もするんですが。熱愛日本になったら生活も変わり、こちらもブログ更新が停滞してます。
by Cedar (2018-08-06 01:33) 

ys_oota

なるほどー、ドルニエも確かに双発機ですね。そういう分類でみたことがなかったです。
by ys_oota (2018-08-06 01:54) 

ワンモア

☆caveruna さま
 そうですよね。無理せず続けることが一番だと思います(*^^*)
☆Cedarさま
 汗を沢山流すのが一番痩せると今回、分かりました^^
 水分はこまめに取るのが一番ですな。
☆ys_ootaさま
 単発のように見える双発機という感じですよね。双発機というカテゴリでみると抜群の運動性能になりますな。
by ワンモア (2018-08-06 08:56) 

ロートレー

昨年来の激務に加えてこの酷暑!
体が悲鳴を上げたのかもしれませんね
でも、それも乗り切られたようでほっといました。^^

by ロートレー (2018-08-07 06:05) 

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