終戦間際、幻の「橘花」に積まれた世界初のバイオジェットエンジン「ネ20」に関しての記事ですね。
この時期は戦争に関係した記事がよく出てきて「戦争と平和」について考えるよい機会です。
橘花(きっか)は日本初のジェットエンジン「ネ20」を搭載したジェット攻撃機です。初飛行は終戦の昭和20年の8月7日でした。ネ20は日本初の実用ターボジェットエンジンで当時の燃料事情を考慮し、燃料の一部に松の根から採取した油を使用していたそうです。そういう意味では、世界初のバイオ燃料を使ったジェット機でもあった訳ですね。まあ、必要に迫られてという条件なのですが。
開発にあたっては、実用化にいち早く成功したナチス・ドイツのMe262で、同盟国の日本は開発技術の入手に動いたのですが、潜水艦などを使った極秘輸送中に資料が散逸。日本の開発者の元に届いたのは1枚の断面図だけでした。
しかし、この一枚の図面から「橘花」を開発したのですからスゴイと思います。よくMe262の劣化コピーと揶揄されますが、完全オリジナルだと思います。
三面図で見てもこんなに違います。想像力と手元にある「ネ20(もしくは、その前の開発されたネ12)」の性能を加味して割り出した設計なのでしょうね。
←側面図の上が橘花、下がMe262。上面図の左が橘花、右がMe262。橘花がMe262に較べて一回り小さいのが分かります。
このネ20もドイツからもたらされたBMW 003の図面を基にしていますが、完全なコピーではなく、ネ12等の先行するジェットエンジンの試作で蓄積された研究結果も活かされているます。
そもそも図面の大部分と実物のエンジンが積載されていた伊号第二九潜水艦が撃沈された事でコピーのしようがなかったのです。
戦争は悲惨な状況を生み出しますが、技術者達は国家存亡に関わることなので、技術の開発が飛躍的に高まるということがあります。その最たるものが「航空機」ではないでしょうか。
そして、その軍事技術が、民間に流れて生活の向上に貢献していくのですから皮肉なものですね。
模型情報
Me262の模型は有名なだけに各メーカーから沢山出ていますね。「橘花」というと試作段階で終わっていますのであまりありません。
1/48スケールでは ファインモールドから出ていますね。
1/72スケールならAZモデル日本海軍試作ジェット攻撃機 橘花
1/144スケールでは、 紙でコロコロ のレジンキットと食玩でエフトイズ 初期ジェット機コレクションで出ています。
|
|
|
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
コメント 0