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韓国海軍でP-3Cの次期導入機種が更に古いS-3バイキング?

S-3A_VS-31_1987 copy.jpg


 飛行機ちゃんねるのニュースで、韓国海軍の現在保有しているP-3C対潜哨戒機の次期導入機種がS-3バイキングになりそうだという記事が出ていました。

http://blog.livedoor.jp/aircraftchannel/archives/5027278.html

原文韓国語ニュース
http://news.naver.com/main/read.nhn?oid=055&sid1=100&aid=0000315934&mid=shm&cid=428291&mode=LSD&nh=20150511210525

 北朝鮮の保有するディーゼル潜水艦を捉えるための韓国海軍の対潜哨戒機は、現在P-3C(16機保有)なのですが、使用年数が20年と古く、次期対潜哨戒機を導入しなければいけない時期に来ています。
 そこへ来て、P-3Cより更に古い、退役して砂漠にモスボール保管中のS-3バイキングを候補に上げているそうです。実際に関係者が現地の基地に行って20機を選別したそうですから具体的に動くかもしれません。

 価格が安いのは事実ですが、この計画に韓国内でも議論が沸き起こっているようです。
 メンテナンス維持はそうするのだとか、10年持たないのではとか、結局、安物買いの銭失いだとか。まあ、
20年使用したP-3Cの後継機に40年使用された中古のS-3バイキングを導入しようとしているのですからそんな議論が出るのも無理もありません。

 しかもベトナム戦争時代に活躍してモスボールしている機体ですので、本当に導入するのか注目です。

 ちなみにモスボールとは、長年使用する予定のない機体を再び使えるような状態に維持して保管する技術です。
防水加工、シーリング、酸化を防ぐための処理を行っています。

Tucson05_AMARCHelicoptersFightersMountain.jpg


 アメリカのアリゾナにある、デービスモンサン空軍基地で、ここには、通称「飛行機の墓場、軍用機の墓場」と呼ばれる場所があります。そこには、4,400機にものぼる様々な航空機が保管されています。
 Google Earthから韓国海軍がお買い上げ予定のS-3バイキングも見ることができるかもしれません。「商談中」の札が貼られていれば面白いのですが(笑)。アメリカン・ジョークで「Now on SALE!」とかやってくれないかな。

→デビスモンサン空軍基地

◆韓国の防衛事情

 北朝鮮の潜水艦の発射弾道ミサイル(SLMB)が問題になっていて、対潜哨戒の問題が重要になってきていますが、韓国の対潜哨戒機はP-3Cが8機だけでした。
 これでは、あまりにも少なすぎるので、P-3CKを8機導入して16機まで何とか増やしたのですが、完全な対潜哨戒パトロールには最低でも32機は必要だそうです。目標の半分しか達成していなく、そこで考えた苦肉の策が、退役したS-3バイキング導入という訳ですね。


 日本でも韓国同様、対潜哨戒機の主力はP-3Cになりますが、この生産ラインはすでに閉じていて、P-8ポセイドン(ボーイング737の改造機)を買うのかという話になりますが、これは一機200億円以上。韓国の予算は600億円程度・・・。これでは3機導入して終わりです。 

  ちなみに日本ではP-3Cは現在73機を保有しています。日本はコツコツと導入と近代化の改修を繰り返しながら大事に使っているのですが、2009年あたりから引退し始めており、後継機の導入をはかっています。
 韓国の事情とは違い、日本では完全国産機P-1を独自開発して2013年から導入しています。

P-1_02l copy.jpg
防衛庁技術研究本部と川崎重工で開発したP-1


 今のところ大量生産ラインに入っていますので、コストはP-8よりもやや安いらしいですが、将来予算削減で機数を減らされる可能性もありますよね。
 民間機転用も考慮しているそうですし、武器輸出規制の緩和によってUS-2同様イギリスにも売り込みをかけているそうです。
 余剰分のP-3Cを近代改修して海外に売り込みをかけた方が良いのではないかという話もあるのですが、韓国が欲しがるかもしれません。でも何かあると困った問題が起きそうなので止めて欲しいところです。

◆ちなみに対潜哨戒機とは?

 対潜哨戒機とは、潜水艦や艦船を探知・攻撃する航空機です。対潜水艦戦以外にも、洋上監視、捜索救難、輸送、映像情報収集、通信中継など、任務の多目的化が進んでおり、機体の性能以上に、搭載する各種電子装置の性能や電子装置の拡張性が重視されます。

 対潜哨戒機の飛行パターンは、洋上を長時間、低速で低空飛行を行うことであり、飛行艇やヘリコプターも用いられています。日本ではPS-1のような飛行艇も開発されました。
 特に哨戒ヘリコプターは対潜作戦には不可欠なものとなっています。

 近年では、電子装置の拡張性も考慮した大型機が主力ですが、艦載機として小型のS-3バイキングも活躍していた時代もあったのです。
 実はこのS-3バイキング、日本でも導入する計画があってS-2おおたかの後継として検討したこともあったとのこと(
軍事評論家・田岡俊次談)。

 ◆どうなる?韓国のS-3バイキング

 これからどう話が進んでいくか気になるところですね。対潜ヘリコプターのSH60Kでさえ、70億もするお高い対潜哨戒機です。今回のS-3バイキングは30億を切っている感じですからお買い得といえばお買い得。相手が北朝鮮の潜水艦なので、これはこれで良い選択かもしれません。
 まあ、予算の目処が全然立たないのに、日本に対抗してなのか、最新鋭のF-35を40機も導入を決定するようなお国ですので、すんなりS-3バイキングに決定するとは思えませんが^^;
 個人的には好きな機体なので、また現役で飛ぶ姿が見れるのは嬉しいのですけど。

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コメント 2

楽しく生きよう

バイキングそのものは好きですが本当に採用するんでしょうか。
by 楽しく生きよう (2015-05-16 20:51) 

ワンモア

★楽しく生きようさま
多分、揉めると思います(笑)
でもバイキングで丁度良いと思います^^;
by ワンモア (2015-05-17 19:12) 

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