飛行機の模型工作にはかかせない三面図ですが、出版社さんも使われる目的が分かっているのか、最初から1/72スケールで掲載してくれたり、模型の原寸大で印刷してくれたりしています。
最近はすっかり1/144スケールで製作していますので、1/72→1/144に縮小したりしているのですが、電卓で計算は必須で面倒くさいですね。
ちなみに
1/144→2倍→1/72→1.5倍→1/48
1/144 → 3.0倍 → 1/48
1/48→66.7%→1/72→50%→1/144
1/48→ 33.333% →1/144
で覚えておくようにしています。
私の子供時代のヒコーキ模型の主流は1/72スケールでした。数の多さでいえばダントツで、西日暮里駅のそばには、1/72スケールの専門店があったことを覚えています。
じっくり製作したい場合は1/48、リッチに作りたい場合は1/32スケールでした。
戦車好きの友だちは1/35スケールオンリー。鉄オタの友だちは1/150スケールとジャンルによってきれいに分かれていたと思います。
AFVは飛行機と同じ1/72スケールも結構あったと記憶していますが、1/35こそ至高とか言って1/72の戦車はあまり人気なかったような・・・。飛行機のジオラマにはぴったりだったんですけどね。
でも、そもそもなんでこんな中途半端なスケールなの?って模型少年だった方々は、疑問が湧いたことはないでしょうか。さらに飛行機もジープを脇においてディオラマにしたりしたい場合は、このスケールの違いに手間取ったりもします。統一規格のスケールがあってもいいのにと思ったことも。
今回はそんな模型のスケールのうんちくを記事にします。
スケールの基準
世界にはものを測る基準として国単位系のメートル法があります。長さの単位であるメートルと質量の単位であるキログラムを基準とする単位ですが、これを採用していない国が3カ国ほどあります。
その筆頭はなんとアメリカ。インチ、フィート、ヤードなど、全然違うので面食らいますよね。更には湿度、容積、重さなども日本で普段使用している単位とは違います。
そもそもアメリカはイギリスを中心としたヨーロッパから開拓民が入植して出来上がった国ですので、母国ではインチやポンドでした。
その母国たちが一斉に国際基準に切り替えたのですが(イギリスは両方表示も)、アメリカは法律的にはメートル法が公式ですが、慣習的にはヤード・ポンドのままなのです。
ちなみに1インチ=25.4ミリです。約2.5cmで覚えた記憶が。
日本では、飛行機のネジや部品の規格もアメリカ主流ですから設計するときはJIS規格が使えなくて面倒でした。
そんな歴史的な経緯があって、現在のスケールモデルは、当時ヤード、フィートを用いていたイギリスで生まれました。スケールの基準は、「1フィート(0.3048メートル)をどれだけの長さにするか」で決められる場合が多かったのです。
アメリカで発展していったプラモデルは、1フィートを1/4インチに換算する1/48スケールと、1ヤード(0.9144メートル)を1/2インチに換算する1/72スケールが国際スケールとして定着しました。
この2つのスケールが基準となって、1/72の更に半分の1/144スケールなども生まれます。
これ以外にも、1フィートを何ミリメートルで換算するかという縮尺も生まれ、鉄道模型を中心に広がります。特に鉄道模型は軌道(ゲージ)がありますので、規格がしっかりしており、Oゲージ(1/48)、HOゲージ(1/80)、Nゲージ(1/150)、Zゲージ(1/220)などに分類されます(( )内のスケールは日本スケールで欧米では多少スケールが異なる)。
日本で最も普及しているのがNゲージ、縮尺は1/148〜1/160の鉄道模型の総称となります。海外ではHOゲージ(1/80)が主流ですが、ここらへんは日本人の住宅事情などによるものでしょうか。
ジャンルによって主流となるスケールの違い
では、ジャンル別に多い主なスケールを並べてみましょう。
スケールをみて、ああ、これはどのジャンルだなと分かる方は、模型少年だったか、現役モデラーさんかと思います(笑)。
1/64などはトミカだとか、1/87で鉄道模型かと分かるとなかなかマニアックですね^^;
個人的に困っているのは、ガンプラとか架空のミリタリー模型で、リアル感を出すために、1/144とか、1/35スケールに合わせてくるのですが、調べるときにごっちゃになって大変なのです^^; 1/144って飛行機専用に近いスケールなのに・・・・。
日本から生まれた国際規格
さて、プラモデル市場が活性化してくるにつれ、日本が世界標準になった規格も生まれてきました。
1/35スケール
田宮模型の1/35戦車シリーズとミリタリーミニチュアの独自規格から発展した標準規格です。欧米では1/32が標準だったのですが、田宮模型が頑張って展開したことで国際的にも認知され、1970年代から他国のメーカーも参入し、事実上の国際標準スケールになりました。
田宮模型はこれ以外にもソリッドモデルでは標準の1/50スケールや、その半分の1/100スケールも展開していたのですが、こちらはイマイチぱっとしませんでしたね。
スケールの統一は、コレクションにおいては大事なことなので、今後は新しい規格は生まれることはそうないとは思います。もし、生まれるとしたら、数多くのラインナップを出して市場を開拓することになりますので、豊富な資金力と規格のある会社が参入という感じでしょうか。
最近はドラゴン、トランペッターや中国香港系メーカーから、東欧のエデュアルドやアモリーなど、あまり日本では馴染みのないメーカーも続々と参入してきています。
高価な金型を使わず、簡易の型で廉価で製作できる簡易インジェクションキットも出まわるようになって、マイナーな機体も発売されるようになったのも嬉しい限りです。
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
なるほどそういう基準があったんですねー^_^
by アニ (2015-10-04 01:23)
扁平底のウォーターラインも良く作りましたね。
専らジオラマ作りで使いました^^;
by kinkin (2015-10-04 07:10)
なるほど、面白いですね。
以前から気になっていた疑問が解決しました。
仕上がった時には、“手頃な大きさ” で鑑賞したいわけですから、
クルマも戦艦も、全部同じ縮尺に統一ってわけには
いきませんからね〜♪ (๑◔‿◔๑) 専門分野があるから。
小学生の頃、ウォーターラインシリーズのジオラマを
密かに押し入れの中に作っていた私(笑)
by desidesi (2015-10-04 11:44)
子供の頃作っていたガンプラは1/144ばかり購入していました^^
お小遣いだとお手頃価格だったしなあ~^^
by ちょいのり (2015-10-04 13:11)
拙ブログへのコメントありがとうございます。
僕が勤務する研究室の実験装置にもアメリカ製が
あってインチネジなので面倒です(-_-;)
by johncomeback (2015-10-04 15:28)
模型屋さんって 少なくなりました
(私 アマゾンで買ったコトもあります・・・ そんなだから?)
Nゲージは
線路の幅が 9ミリなので
ナインの Nからきたと聞いたコトがあります
田宮の35サイズというのは
モーターライズの戦車を設計する際に
乾電池をセットできるようにしたら たまたま
車体が35サイズになったとか
そんなコトを 田宮の社長さんが話していたような気がします
by タイド☆マン (2015-10-04 19:14)
★アニさま
スケールの由来は調べるとなかなか面白いです^^
★kinkinさま
ウォーターラインシリーズ、私もハマりました^^
★desidesiさま
戦車、飛行機、車、艦船。手頃な大きさはみんなスケールが違いますよね。
★ちょいのりさま
私もガンプラ作っていました(笑)。あとダグラムとボトムズ(笑)
★johncomebackさま
インチネジはたしかピッチも違っていたような・・・
★タイド☆マンさま
乾電池をセットできるようにしたら1/35スケールになったというのは私も聞いたことがあります。
1/32だと飛行機と同じだったのですが^^
by ワンモア (2015-10-04 22:49)
私などネジひとつでもインチ表示だと、分母をそろえないと大きさもわからないのに、インチ圏の人たちは直感で分かるのでしょうね
by ロートレー (2015-10-08 08:39)
★ロートレーさま
インチ圏の人々(最近はアメリカのみの感じですが)は、
何か我々とは違う思考で把握しているのかもしれません^^;
by ワンモア (2015-10-09 11:32)