3月ですね。SUBARU名機カレンダーの飛行機も新しくなりました。
3〜4月は、スーパーマリン・スピットファイアMK.Ⅷ(8)です。
◆”真の最高傑作機”ともいわれるスピットファイア
スピットファイアは高性能な飛行機で、航続距離の少なさを除けばP-51Dマスタングを超えて第二次世界大戦の最高傑作機とも言われている飛行機なのです。
優雅な曲線美の主翼。生産性は悪いけど出来上がった機体は、淑女のような飛行機とも言われ、その美しいデザインとは裏腹に高馬力で重武装な機体でした。
その名を知らしめたのは、なんといっても「バトル・オブ・ブリテン」。「救国の戦闘機」とも言われ、イギリス人には今も人気の戦闘機ですが、その後のドイツ本土が戦場になった時にはP-51Dなどの米軍機に主役を奪われ、活躍の機会がありませんでした。
◆複雑な派生型
そのせいで、日本では馴染みがないかもしれません。なにより、派生型の複雑さはドイツ機の比ではなく、何が何やらよくわからない感じになっています。
ざっとみてもタイプ24までの間にマーリンエンジンとグリフォンエンジン、海軍仕様からスパイトフルやシーファングといった別名称の飛行機も生まれています。
かと思いきや、マーリンエンジンも通常型のF型、低高度用にチェーンされたLF型、逆に高空用にHF型、更には延長翼、ノーマル、短翼と現地で翼端を交換できるようにもなっています。
外見上がまったく同じでもナンバーが違ったり、同じナンバーでも外見が異なったりと、複雑怪奇な世界を醸し出しています。
で、やや強引かもしれませんが、このタイプを押さえておけば、戦史的にも大丈夫という覚え方をご紹介します。
詳しくはこのサイトを是非、ご覧ください。私も大変参考になりました。日本でもここまで詳細にスピットファイアの分類をされた方はおそらくいないでしょう。
→スピットファイア完全リスト
◆スピットファイアの各タイプの覚え方
MK.I(1)〜全てはここから始まりました。1938年に量産開始された最初の量産型で、有名なバトル・オブ・ブリテンの主力機です。「救国の戦闘機」とは正にこの機体。1941年の夏のMk.Vまで1,500機前後の生産がされています。
MK.V(5)〜大戦中期の主力機。1941年の春頃から生産が開始された機体。6,500機も作られています。Bf109Fに対抗するための機体で、Fw190Aに圧倒されたり、零戦に惨敗したりと苦労も多い機体ではありますが、最も活躍もしたスピットファイアであることも事実です。
Mk.IX(9)〜MK.Vに続く約5,500機が生産されています。1942年7月に登場。
MK.Vのエンジンを2段2速過給器を備えた新型のロールスロイス・マーリン60系エンジンに換装し最小限の改良で大幅な性能向上を行っています。
その多くは 20mm機関砲×2門と7.7mm機銃×4挺を搭載するCウイングを装備したMk.IXcです(Cウイングは20×4門も可能)。669km/hに達する最大速度や、優れた高々度性能でFw190を圧倒。大戦中盤以降にイギリス空軍の主力を担った機体でした。
とりあえず、Mk.I(1)とMk.V(5)、そしてMk.IX(9)の3つを覚えておけば、主な欧州戦史にも対応できると思います^^
さっくり言うと、翼から機銃が出ていないのがMk.1で、機銃が伸びていて3枚ペラならMk.5。4枚ペラならMk.9という感じでしょうか。あとはおまけとして、
Mk.VⅢ(8)〜順序が逆になりますが、色々と各種改良を行っていてMk.IX(9)より実戦配備が遅れてしまったタイプです。その苦労の割にはMk.IXに主力の座を奪われたままで終わってしまいました。
マーリン60系に合わせた大型ラジエターの採用や翼内燃料タンクの増設、尾輪を固定式から収納式に変更、エルロンの短縮、ラダーおよびエレベーターの面積拡大等の数多くの改良のために生産開始が遅れ、実戦配備は1943年半ばから始まりましたが、主に地中海や太平洋戦域に送られました。1,658機が生産されています。
Mk.XVI(16)
外見が異なるので分かりやすいタイプ。Mk.IX(9)のエンジンをアメリカ製のパッカード・マーリン266に換装したのがMk.XVI(16)です。
その多くは20mm機関砲2門と12.7mm機銃2挺を搭載したEウイングと面積が拡大されたラダーを備えていました。生産途中から後方視界を改善した水滴形キャノピーが採用され、それに合わせて胴体後部の形状を変更。
1944年9月から1945年7月頃までに1,054機が量産され、大戦中はヨーロッパ戦線に配備されてMk.IXとともに戦闘爆撃機として奮戦しています。
これ以外にも、マーリン系エンジンからグリフォン系エンジンに換装したMk.XⅡ(12)、Mk.XIV(14)など、Mk.24まで開発が続けられています。
どうでしょうか、XIVとかVⅢとかわかりづらいですよね。日本ではローマ数字は馴染みがないからぱっと見、わかりづらいかも^^;
最終的には、主翼を新設計し、それに合わせて胴体も新設計にした、まったく別ともいえる、スパイトフルという機体まで生み出しています。
◆小池繁夫氏の描くスピットファイアMk.Ⅷ
さて、今回の小池繁夫氏の描くスピットファイアはMk.VⅢ(8)です。2段2速のスーパーチャージャー装備のマーリン63エンジンは、航空性能を格段に向上させました。
描かれている場面は低空で侵入するスピットファイアで、森林上空に高射砲の噴煙が描かれています。緊迫した戦闘場面ですね。
描かれた国籍マークは青に白の円はオーストラリア空軍。
前縁の白い識別帯が特徴的です。
恐らくこの機体とパイロットが描かれていると思います。
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3枚プロペラがあったとは知りませんでしたねえ
by タイド☆マン (2016-03-01 19:51)
スピットファイヤー、奥深いんですね。
自分も好きな一機です。
by kinkin (2016-03-01 19:56)
う~ん分類は良くわかりませんが、
小池画伯の絵が素晴らしいです。
by johncomeback (2016-03-02 09:50)
鮫?こわ~い(笑)
by caveruna (2016-03-02 15:35)
コメントありがとうございます(^^)
勉強になりました
by (。・_・。)2k (2016-03-02 18:39)
スピットファイヤーは昔、良く聞いた名前です。
零戦〜B29は戦争に行きました伯父から聞かされましたが
戦争の話を聞くのが一番の楽しみだったのかな・・・
by Hide (2016-03-02 23:47)
★タイド☆マン さま
スピットファイアは2枚ペラから始まって最後は二重反転プロペラまで進化しているからスゴイですよね〜
★kinkin さま
日本人にはイマイチ馴染みの無い機体ですが、優雅ですよね。
★johncomeback さま
分類は私もイマイチ自信がありません(笑)小池画伯の絵でお楽しみください^^;
★caveruna さま
はい、シャークマウスといって意外と良く描かれています^^
★(。・_・。)2k さま
濃霧の中、いきなり現れたらびっくりしますよね。でも、よくそんな中を飛行しているもんですね^^;
★Hide さま
貴重な話は後世にしっかり伝えないといけないなぁと思います^^
by ワンモア (2016-03-03 19:59)
スピットファイヤー素晴らしい戦闘機ですね!
旧日本軍の液冷エンジン付き戦闘機は3式戦位でしたが、
ロールスロイスマーリン液冷エンジンを搭載した、スピットファイアとアメリカのマスタングの性能は目を見張るものでした。液冷エンジン付きの戦闘機は空冷エンジン付きに比べて、空力的に優れた機体を作れたとも言えると想います。
by bpd1teikichi_satoh (2016-03-07 15:50)
★bpd1teikichi_satoh さま
こんばんは~。おぉ、流石お詳しいですね^^
私はBf109推しなのですが、ライバルのスピットファイアも好きなのです。
by ワンモア (2016-03-07 18:57)