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静御前の墓参り【栗橋】

しずやしず しずのおだまき繰り返し
むかしを今に なすもよしがな

静御前

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NHK大河ドラマ「義経」石原さとみ演じる静御前。ぐうカワですな。


 義経一行が東北へ逃避行している最中に一人鎌倉に送られ、敵方となった兄の頼朝らの御前にて白拍子の舞を舞ったときの歌で有名ですね。

 埼玉県の栗橋で打ち合わせがあったので、車ではなく東武電車に揺られながら、静御前の墓がある駅へ降り立ちました。

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JRと東武線がつながる栗橋駅

 
 まずは、駅前徒歩1分の居酒屋でランチ&打ち合わせ^^

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 海鮮丼が美味しかったですが、例のごとく画像撮り忘れ(笑)。食事が来た途端にブロガー魂がぶっ飛んでしまうのは何とかなりませんかね^^;

 腹ごしらえも兼ねてご参拝に行きます。何と言ってもお墓も駅前ですので、交通の便はいいですね。参拝者も結構頻繁に訪れているかんじです。

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綺麗に整備されていて観光用の資料も沢山掲示されています。
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お決まりの写真撮影コーナーも
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義経公が、なんかオッサン顔^^;
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 個人的には、よく手入れされていて、観光客向けにも親切だなぁと思うのですが、逆になんか手を入れられ過ぎていて、なんか残念な感じがしてなりません。
 上手く言えませんが、荘厳さというか、侘び寂びが消えてしまったような感じがするんですよねぇ( ˘•ω•˘ ) なんだろうこの違和感。

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ガラスと石でできたケースに入れられてしまった静御前の墓
この正面横にあるのがお墓。
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 こちらは、義経公とその子供の招魂碑と供養塔
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源氏の家紋といわれる「笹竜胆」
義経の時代には決まっていないと思うし、
何故静御前の石碑に???

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詠んだ歌なども石碑としてあります
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 静御前といえば、源義経の側室として有名な白拍子。 その芸事の師匠でもあり、同じく白拍子として知られた母である磯禅師ゆずりの美貌と才能で、早くから舞の名手として活躍します。
 その相手は、平家を討伐した京の都で有名になった源義経。いわば日本最初の男性アイドルともいわれていますが、今で言う超人気カップルともいえます。

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滝沢秀明演じるNKH大河ドラマの「義経」義経はいつも美形^^

 

 ですので、この地を訪れるのは、静御前のファンやお花目当ての観光客だけでなく、 「芸事を志し、その道の精進を誓う方も多い」のだとか。

「秋元康」の千社札が(笑)
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 手水舎があったので、神社?とも思いましたが、肝心の鳥居がありません。ということは、祀られている静御前はご神体ではないということ? それにしては賽銭箱もあるし。うーん。二宮尊徳などは、神社として祀られているし、京都には静御前を祀る「静神社」があるのですが、ここの静御前はどうなのでしょうか。先程からなんとなく感じていた違和感はこれだったのかなぁ。

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神様ではないので二礼二拍手一礼ができません。
墓前の横で祈るという感じなのかな。


◆全国にある静御前のお墓


 これだけの有名人の静御前ですし、「吾妻鏡」以外には文献に残っていない、その後が消息不明の人ということもあり、全国に静御前のお墓や伝承が残されています。
 北は北海道から、岩手、福島、長野、埼玉、奈良、兵庫、そして香川、福岡まで。義経公への判官びいきと合わさって、静御前にも全国に慕う思いが反映されているのかと思います。

◆静御前の舞と歌
 
 
静御前の有名なエピソードは「吾妻鏡」が出典となっています。北への逃避行中に、吉野山にてやむえず義経一行と別れることになった静御前。
 鎌倉へ送られ、舞の名手である静の白拍子の舞を見てみたいという鎌倉の男たちの再三の要求を拒み続けますが、政子らの説得により、やむえず舞うことに。静御前この時、まだ19歳。

 舞台上ではこれもまた武将として有名な
工藤祐経(くどう すけつね)が鼓を、そして畠山重忠(はたけやま しげただ)の銅拍子を行います(『義経紀』では梶原景時、畠山が笛)。そして観客は、天下の源頼朝、北条政子たちと、日本のトップが勢揃い。

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(NHK大河ドラマ「義経」より)

 この前で舞う静御前。うーん凄いですよね。工藤祐経も畠山重忠も武将としてはスーパースターたちですから、それを従えての静御前の舞。いやあ絵になります。いわば芸能の最高舞台。ちょっと興奮しちゃいます^^;

Cap 27.jpg


 そこで歌ったのが有名な 

「しずやしず しずのおだまき繰り返し むかしを今に なすもよしがな」

(倭文(しず)の布を織る麻糸をまるく巻いた苧(お)だまきから糸が繰り出されるように、たえず繰り返しつつ、どうか昔を今にする方法があったなら)

 「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」
(吉野山の峰の白雪を踏み分けて姿を隠していったあの人(義経)のあとが恋しい)

 愛する人の敵となった頼朝公たちの前で、断罪されるのも覚悟のうえで
貫いた義経への愛の歌。今でも人気があるのもうなずけますね。

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 「しずやしず・・・」義経への愛を貫いたこの歌、
実は伊勢物語に本歌があって、正確には、「しづのをだまき」で(をだまきとは糸玉のこと)で、己の名の「静(しずか)」を「倭文(しづ=日本古来からある織物)」にかけているのです。

 
これを、静御前は「義経さまが「静や、静」と呼んでくれた昔。今現在にする方法があればいいのに」と詠んでいるのです。それも敵、頼朝公の真ん前で^^;

 頼朝公は当然、怒りますが、嫁の政子がそれを諌め、「私達が伊豆に居た時に、出陣するあなたの身を私がどれ程案じたか。男を愛する女心を分かりなさい。」と諭すのです。
 

 その後の静御前は、義経の子を身ごもっていることから赤子を殺され、その悲劇を哀れんだ政子から
重宝を賜り、その後の消息は不明。歴史の舞台から姿を消すことになります。

 義経を慕って東北へ向かったというのも、義経を慕う強い愛ゆえの伝承なのかもしれませんね。


 ちなみにドラえもんに登場する「しずかちゃん」の正式な名前は「源 静香(みなもと しずか)」です。静御前のことを意識しているのでないかという噂は有名な話です。^^

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Hide

静かにしておきましょう!その後は静ちゃんなんですから?
義経が美形だとは・・・まあそれで納得しますが・・・
「神の手」が怖いです、ほんまかいな?と思います!
by Hide (2016-05-20 00:06) 

アニ

久喜にあるんですか!知りませんでした。一応埼玉県民なんですけどね(^_^;)
by アニ (2016-05-20 06:28) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
良い事教えて下さいましたね、使わせていただきます。

義経が大陸に渡ってジンギスカンになったという説の
根拠に、成吉思汗(吉野での思いを成す)というのが
あって、子供の頃に興奮したのを思い出しました。
by johncomeback (2016-05-20 17:24) 

kohtyan

行ったことがありませんが、町おこしでしょうが、
面白いですね。加須や鷲宮神社へ行くことが
ありますので、寄ってみます。
by kohtyan (2016-05-20 19:35) 

ワンモア

★ Hideさま
 義経の母も絶世の美女だったとされていますから。イケメンの可能性はありますよね^^;

★アニさま
 私、栗橋が久喜市とは最近知りました^^;なんとか郡の栗橋町だと思っていました・・・。

★johncomebackさま
 うぉぉぉ、それは『成吉思汗の秘密』という本ではありませんか。私も義経ファンなので、興奮して読んだのを覚えています\(^o^)/

★kohtyanさま 
 こんにちは、栗橋駅の東口から見えるくらいの距離です。
 神社ではありませんので、お墓参りという感じになりますが、掲示板の資料など楽しめます^^


by ワンモア (2016-05-21 13:00) 

caveruna

壇蜜っちゃんのブログのタイトルは、
「黒髪の白拍子」です^^
by caveruna (2016-05-22 23:30) 

ワンモア

★caveruna さま
 おぉお、壇蜜っちゃんの白拍子、すごく似合いそう。
by ワンモア (2016-05-23 11:45) 

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