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戊辰戦争と六道町の「六道閻魔堂」【宇都宮】

 以前からちゃんと訪れたかったのですが、車を停める場所が見つからず、いつも素通りしていた場所。今回、歩いて訪れる機会がようやく訪れました。数年ごしの思いが実現。まあ、その気になれば、いつでも訪れることができたのですけど(笑)。

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大きなケヤキの木が目印。


 ここは、宇都宮市の六道町という所。交差点には、明治維新の戊辰戦争で亡くなられた方々の慰霊碑がある場所なのです。
 名前も「六道輪廻」の六道町。ここに閻魔大王を祀ってあるとのことなので、何か怪しいいわくがあるのではないかと、内心期待していたのです。京都の「六道珍皇寺」のように、小野篁みたいなオカルトチックな人とか、そんな怪しい由来がないのかなと(笑)。
 京都に観光にいった時には、「六道珍皇寺」と、もう一つ閻魔大王が祀られている「引接寺」も行っていましたので、自然と期待しちゃいます^^

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入り口です。
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閻魔堂・・・(; ・`д・´)…ゴクリ…(`・д´・ ;)
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今の時期はあじさいが綺麗ですね。
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門柱に由来書きが書いてあります。

 看板の説明を読むと「この辺りは、江戸時代に壬生や佐野、楡木(にれぎ)などから宇都宮城下へ向かう六本の道が集まる場所でした。」
 
 なるほど、だから、この辺は斜めの道やらでごちゃごちゃしていたんですね。更には、「この六本の道が集まっていることから、仏教でいう六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天界の六世界) になぞらえて六道と呼ばれていましたと。」のこと。
 あらら、そんな理由ですか^^;もう少し、謎めいた怪しい由来を期待していたのですが(笑)。

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 この近くの光琳寺のご住職がこの場所にお堂を立てて、高さ2.4mほどの閻魔大王を祀っていたそうです。しかし、明治維新の際の戊辰戦争で焼け、現在のこのお堂は明治39年(1906年)に立て直したものだとか。
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右側は居住区だったようです。
今は使われてないようです。
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土台の石は地元大谷の有名な大谷石だと思います。
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お堂から門をみた光景
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川はかなり下を流れていて意外と水量があります。

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享保時代の墓石?
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お堂の裏側のこういうのがすごく気になります。

欅の木の根っこはコンクリートで塞がれています。

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歴史を見てきた欅の木

 気になっていた、木組みのコンテナ用の荷物?なぜここに置かれているのでしょうか。おぉ墓石?

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 よく見ると、横浜港に陸揚げされた荷物のようです。墓石関連の石ですね。今は、墓石もほとんどが中国産だといいます。うーんどうなんでしょうね。

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 以前、知人の墓石屋さんにこの中国産の墓石のことを聞いたことがあるのですが、「地元から切り出した石がその土地の風土に合っているから一番いいよ」とのこと。「中国産?うーん、輸入してまだ何十年だから今後どう変化するか分からないなぁ」とのこと。
 それはちょっと無責任ではないのかと問うたら、「だって地元の石でつくった墓石は、今まで何百年と実績があるから、どう風化するかが歴史的に分かっているけど、中国産の墓石が入ってきたのは戦後のことだから、これから歳月をかけて検証するようなかたちになるじゃん」とのこと。まあ、そうですよね。今は壮大な実験中という訳です。


 この何年も置かれた墓石はどこへ行くんでしょうね。気になりました。

この場所は以前は公園で遊具もあったのですが、
遊ぶにはちょっと怖い場所だったかもしれませんね^^;

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さて、戊辰戦争の慰霊碑を訪れましょう。
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六つの道の集合地とあって、今も交通量が道幅の割に多いのです。
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大事に手入れしてあるのが分かります。
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 宇都宮城の戦いは、慶応4年4月19日と23日(旧暦。新暦は1868年5月11日、15日)の2度に渡って行われました。この旧幕府軍には土方歳三も指揮しています。
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一回目の攻防では、土方歳三率いる2千名が、宇都宮城を攻略し、
落城に成功しています。
宇都宮城の建造物は町並みもろともほとんどが焼失してしまいます。
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 2回目の攻防は、新政府軍の反撃で、宇都宮城奪還戦の激しい攻防が行われました。1868年(慶応4年)4月23日の午前9時から始まった戦いは午後2時まで一進一退の攻防を繰り広げ、遂にお城の奪還に成功します。幕府軍はこの戦で撤退、日光そして会津へと撤退していくことになります。
 この戦いで戦死した官軍戦士は新政府から手厚く葬られましたが、賊軍の汚名を着せられた幕府軍戦士はその場に打ち捨てられることに。
 その様子を哀れに思った住民たちが秘かに遺体を回収して仮埋葬をし、1874年、合同墓地がこの場所に建てられることになりました。
 この戦いで捕虜になった長岡藩藩士の山本帯刀という方が自分らの軍資金を敵方の宇都宮藩士に戸田三男に託し、助命の勧めにも関わらず斬首を受けたのですが、その姿に感銘を受けた戸田三男がその後、藩主と共に幕府軍の死者も手厚く葬ることになったとのことです。
 

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閻魔堂を管理している光琳寺です。志士たちのお墓もここに。


 舞台となった宇都宮城は関東七名城の一つとも言われていました。戊辰戦争で被災し、戦争中には空襲も受け、市街区域の約65%が被災、600名以上が亡くなられました。このように、大きな被災を受けて、戦後の復興と共に、水濠なども埋め立てられ、宇都宮城の面影はほとんど残っていません。
 現在では、宇都宮城の復元を目指す市民団体が中心となってその一部が復元されています。

 この辺りは、昔の蔵もまだまだ、残されていますね。

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うちの子供らが小さい時に度々訪れていた

Nゲージ鉄道模型の
「美美模型店」もこの近くなのです^^

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 車ではあっという間に素通りしてしまう、普段の通りも、こうしてぶらぶらと散歩しながら訪れるのもいいものですね。





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コメント 8

ちょいのり

敵味方問わず死者を弔う精神素敵です^^
人ってこうでなきゃとも思わされました。
お城残ってたらなあ・・・もったいないと常々思います^^;
道がくにゃくにゃ桝形道多いのは道が集約する重要拠点だったからなんですね^^
by ちょいのり (2016-07-03 01:43) 

johncomeback

宇都宮城は関東随一の8基の重層櫓を持つお城だったようですね。
戦争はあらゆるモノを破壊・消失させてしまいます。
by johncomeback (2016-07-03 06:12) 

ミスター仙台

この近辺は自宅から徒歩圏内です。
昔、中学の教科書だったかな?
戊辰戦争の慰霊碑が掲載されていました。
バスも通るし道幅も狭く、
すれ違いに大変な道路ですが、
何か歴史を感じる場所です。
by ミスター仙台 (2016-07-03 15:49) 

Hide

いつもありがとうございます!
いいブログですね!わさび漬け所ではございません!
またゆっくり寄らせて頂きますが、宇都宮にも行って
みたくなりました!餃子ではなく・・・><
by Hide (2016-07-03 16:31) 

tochi

この辺はなんとなく不思議なところですね
車を駐車する場所もないのでゆっくり徘徊出来ませんね
by tochi (2016-07-03 20:09) 

ワンモア

★ちょいのりさま
 はい、共に戦った人間同士にしか分からない交流ってあると思うのです。日米もそうですね。

★johncomebackさま
 戦争も怖いですが、天災も怖いですね( ˘•ω•˘ )、この後宇都宮市は今市地震にも見舞われています。

★ミスター仙台さま
 この近くにお住まいなのですね^^親近感が湧きます(^o^)

★Hideさま
 宇都宮は餃子以外にも美味しいものがありますよ。是非(^o^)

★ tochi さま
 はい、道が斜めに走ったりわかりづらい所ですよね。
 近くのはなまるうどんで食べた次いでに散歩してきました(笑)
by ワンモア (2016-07-03 20:24) 

caveruna

うちの近所にも六道さんあります。
お地蔵様が置いてあります。
歴史的なもの気になるところです。
by caveruna (2016-07-04 12:49) 

ワンモア

★caverunaさま
 埼玉は歴史が深いですよね。見る所が沢山ありそうです(^o^)
by ワンモア (2016-07-05 00:10) 

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