神社とお寺の祈願の違い〜滝尾神社へ参拝【本年3度目】

日光東照宮よりも古い歴史を持つ、瀧尾(滝尾)神社。

　東京へ行く前や、出張に行った後、なぜか訪れる機会が多い日光東照宮裏の「瀧尾神社(滝尾神社)」です。
　皆さんは、行きつけの神社はありますか？氏子さんや檀家さん制度がしっかりしていた時代には、自分の神社やお寺はしっかりあったかと思いますが、今はそういう時代でもないようですね。
　私は、巷で「パワースポット」として有名な日光の東照宮の裏の「瀧尾神社」がお気に入りの一つだったのですが、なんと、地元の一番近い神社も「瀧尾神社」だったということもあり、何かしらの縁を感じ、今では一番好きな神社になり、なにかあると(何もなくても)参拝するようになってしまいました(^^)。

地元の村社・瀧尾神社

　地元の瀧尾神社は、日光の瀧尾神社から分祠された神社なのですが、その分祠の理由が、「日光まで行くのに遠いから・・・」という何の飾りもない素直すぎる理由には笑えましたね(^^)。

◆古神道の研究家の人に聞いた神様と仏様への祈りの違い

　以前、仕事の関係で、古神道の研究をしているという社長さんのお話をお伺いしたことがあります。その方、いわく、神社の神さまと、お寺の仏さまとでは、祈りの心がまえに違いがあるそうなのです。

祈る相手も様々あるのです。

　仏教の方は、お釈迦様(ゴータマシッダールタ)という開祖がいて、そこから様々なインドや中国の神さまなどが吸収されていって、大日如来、菩薩、明王、地蔵などとして広がっていきました。
　ですので、人を導く教えがあって、基本は人格神になります。ご先祖さまも死ねば修行をして仏さまになります。

　その点、神社の神さまは非常にバラエティで、
　自然神が神さまになったもの〜山、川、風、狐、動物など。
　生活神が神さまになったもの〜仏教の仏様と混合しているものも。トイレの神さまなど
　人間神〜功績や実績が非常に高かった偉い人。もしくは非業の死を遂げた偉い人。
などがあります。

　東京の原宿にある、東郷神社も軍人の東郷平八郎という軍人さんが神さまになりました。なので、戦の神さまとして今後語り継がれていくようになると思います。
　ですので、原宿のカップルさんがここで、恋愛成就の祈願をしても困ってしまうという訳ですね。由緒書はちゃんと見ておかないといけません(;^ω^)

東郷平八郎と菅原道真

　この人格神ですが、実は犯罪人だって、神さまになる場合があります。これは朝廷に歯向かった人、政敵で非業の死を遂げた人の場合です。
　要は国家に対する犯罪を犯した政治的な悪人であっても影響力が高くて偉い人だった場合は、神さまになってしまいます。
　これは、霊魂の存在を信じている日本の文化に来ています。恨みを持ったまま亡くなった人は祟りを起こすとされ、これを成仏させるために神さまに格上げして心を癒やすという形なのです。中国・韓国の文化ではわかりづらいのがここだと思うのです。平将門、菅原道真公などが有名ですね。

山や風光明媚な場所には必ずといっていいほど神社が存在します。

　で、ちょっと怖いのがこのなかの自然神の神さまで、信仰を無くすと祟ってくるそうなのです。
　考えてみれば、お寺の仏様は、自分の先祖たちが不義理なことや、不信仰であっても殺してしまっては、祀ってくれる人が途絶えてしまう訳ですからそこまでは祟りませんよね(;^ω^)
　かたや、神社の神さまには、自分の身内ではないので平気でバチをあててくるそうなのです。
　面白いなぁと感じたのは、お寺の仏様は、その人の善悪を見ていて、神さま(自然神)の場合は、善悪は関係なく自分への帰依の心、信仰心を見ているというお話でした。

　よく「自分は日頃の行いが良くないから願い事は叶わないかなぁ」とか、「願い事を叶えてもらうためにこれからは人のために良いことをしよう」などと思うことってありますよね。
　これは仏教的な考え方で、「縁起の理法」から来ているといえます。善い行いをすれば良い結果が現れるという考え方ですね。

　かたや、自然神に対する願い事の場合は、そういう善悪は一切関係ないそうなのです。求めてくるのは「自分(神)への絶対の帰依と徹底した信仰心」だそうで。

自然災害は畏怖の気持ちを失った罰だと捉えていたかもしれません。

　要は自然界のパワーを引いてくるので威力は絶大だが、信仰を無くした＝裏切った時の反動もまた大きいという感じなのでしょうか。
　ローリスクローリターンが仏教系で、ハイリスク・ハイリターンが神道系かもしれませんな。
　私の中では、先祖に対する感謝は寺院で。故郷や住んでいる土地や生活、自然に対する感謝は神社という形で整理ができてスッキリした感じです。
　また、偉いことを成し遂げた人が仏さま以外にも神さまとして祀られることも納得できました。

◆祈願は願うのではなく感謝の心を捧げること。
　
　先日、友人の社長から頂いた『借金2000万円を抱えた僕にドＳの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ』(タイトル長過ぎ＞＜)にも書かれていたのですが、宇宙は、善悪関係なく願いを聞いてくれるので、自分には無理だとか、自分なんてという否定的な思いも、聞いてしまい、叶える方向で動いてしまうとのこと。
　なので、「なんとかお願いします」というような思いではなく、「すでに叶えてくださってありがとうございます。」というポジティブ思考がうまくいく秘訣だそうです。
　古神道の研究家の社長さんもおっしゃっていた「神さまはその人の善悪ではなく、信じる力を見ている」という言葉に一脈通じるものがあるなと思いましたので、今回は、お願い事ではなく、「感謝と信頼の祈り」を捧げることにします。　

◆日光の瀧尾神社へ。

　ということで、話が長くなりましたが、瀧尾神社へ。今年に入ってすでに三度目の参拝になります。

着物で歩いているお嬢さんたち。良いですなぁ(*´ω｀*)

外国人観光客も増えてきています。

いつもの瀧尾神社です。

毎回の撮影スポット。
個人的にはコロポックルの家と名付けてます(笑)
今回は、この先に行ってみました。

この先は何もないのですが、誰かが歩いていると、
知らずについてきてしまうのですよね(^^)

砂防堤です。ここで行き止まりのように見えますが、先があるのです。

上に乗って撮影。

小川が流れています。

ひゃあ、良いところですね。
次の砂防堤も見えてきました。
まだ、先があるので歩いていきます。

完全に森林浴の世界です(*´ω｀*)

保安林なのでしょうか。こいう所で仕事をしている人すごいです。
ここまで来ると正直、ちょっと怖いです。

　もちろん、誰もいません。先日の都会のコンクリートジャングルから一転、本当に森林の中におります。
　実は、瀧尾神社の駐車場からこの先の道路がありますので、一旦戻って車で行けるとこまで上ってみます。

道が細いので運転に自身が無い方はオススメしません。対向車来たらOutです。

所々に見どころもあります。

　一般車両行き止まりのところまで来ました。ここから先は工事関係者、登山者のみの道になります。ちゃんとした駐車場はありませんが、登山の季節になると10台くらいは満車になるそうです。そう、この先には有名な「雲竜渓谷」「雲龍瀑」があるのです。

Google Maps_雲竜瀑より　凄いですね！(´⊙ω⊙`)

　この瀧尾神社や雲竜渓谷を流れる稲荷川は、昔から何度も氾濫し、江戸時代には町一つを押し流すという歴史的災害を引き起こすなど、屈指の暴れ川と称されてきました。
　川は恵みをもたらすと同時に恐ろしい一面ものぞかせます。

　個人的には「山川草木悉有仏性」〜全ての森羅万象には仏性が宿っているという考え方が好きなのですが、日本の美しくも時として自然の恐ろしさ、猛威におびえるのも、こういう信仰が生まれる要素になっているのかもしれませんね。
　何でも人間中心で考えるのではなく、大自然の前には私たちはちっぽけな存在なんだという「畏怖」の気持ちは忘れてはいけないと思います。でないといずれ大きなしっぺ返しを受けるのかもしれません。祟りと呼ばれる本当の正体は、傲慢さへの反作用なのかもしれませんね。
　また参拝に訪れたいと思います。

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コメント 3

自然に対する「畏怖」の念は忘れてはいけませんね。
宮城に来てから初詣は「塩竈神社」に行っていましたが、
近年は拙宅から徒歩5分、無人の小さな神社に行って
います。「塩竈神社」は参拝客が多くて疲れるんですよね。
by johncomeback (2017-05-14 14:31) 

お願い事は、他力本願で良くないようですね。
今年は、これをやりますとか。。目標もいいようです。
兎に角、ポジティブ思考の参拝がいいと聞いていました。(^^)
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2017-05-14 18:56) 

☆ johncomeback さま
　徒歩5分の神社っていいですよね。氏子さんになるのかな。
　私も静かでゆっくりとできる神社が好きです(^^)
　
☆なんだかなぁ〜!! 横 濱男さま
　ポジティブ思考はとても大事だと思います。ブログを拝見していてもそう思うのです。なんといってもこちらも元気をいただけます(^^)

by ワンモア (2017-05-15 03:51)