ムッソリーニ救出作戦やロンメル将軍の愛機として活躍したFi156シュトルヒですが、日本の三式指揮連絡機も負けてはいません。国産化を予定して輸入するはずだったシュトルヒに対抗して、競争試作として開発されました。
1936年に初飛行したシュトルヒに比べ、5年後の1941年に完成しただけあって、その性能はシュトルヒを上回るものでした。 空中指揮、連絡、弾着観測、偵察などを目的とする、滑走路の整備されていない前線の不整地でも運用可能ないわゆるSTOL性能を備えた多用途機として前線で重宝されます。
シュトルヒと比較すると外見こそ、高翼配置や支柱の構成、主脚などよく似ていますが、シュトルヒのような液冷エンジンは日本では手が及びませんので、そこは得意の(というかこれしか出来ない)空冷9気筒エンジンです。丸型のエンジンですので胴体はシュトルヒとは異なる形状になります。
三式指揮連絡機の優れたところは、地上運搬を考慮した、翼の後方への折りたたみ式です。運搬が楽になるのは前線での評判もよかったようです。
主翼はシュトルヒ同様、前縁全幅に渡る固定スラットを持ちますが、フラップは、シュトルヒのスロッテッド式に対し、ファウラー式を採用しています。その効果は大きく、失速速度は40km/hに抑えられ、離着陸滑走距離の短縮に貢献しました。 離着陸滑走距離は、離陸58m、着陸62mとなり、シュトルヒの離陸62m、着陸68mよりも短いものとなりました(いずれも比較審査時)。風速5m程度の向かい風があれば30m前後での離着陸も可能ということですから凄いですよね。最高速度は179km/hとのことですので、この手の飛行機には最高速度を求めるものではないのでしょう。空飛ぶ自動車として考えると便利な乗り物ですよね。
この模型ですが、マイナー機だけあって流石に模型化は少ないです。
書店で手に入る「日本陸海軍機大百科」ではダイキャストモデルであるのですが、スケールがまちまちなので、コレクションする身としてはちょっと食指が動かないのですが、これは欲しいかも。87号ですので、ヤフオクなどでは入手できるかもしれません。
プラモデルでは、1/144スケールでフェアリー企画からレジン製キットとして発売されています。価格は1,575円でしたが現在は品切れ中。ガレージキットなのでイベント販売でないと入手しづらいキットです。
1/72スケールではチェコのマスターレジンからレジンキットが出ていますがこちらも在庫なしです。
欲しいと思った時にはないパターンが最近多いです(笑)。
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