今年の夏はいつになく猛暑に少雨でスズメバチが大量発生しましたね。刺されると危険なスズメバチですが、よく間違えられるハチに”クマバチ”がいます。
外見上は全然違うのですが、共に大型でスズメバチのことを別称として「クマンバチ」と呼ぶことがあり、これが誤解の原因のひとつと考えられています。
クマバチはかなり大きな蜂ですが、スズメバチとは違って至っておとなしく、近づいて撮影してもほとんど危険はないそうです。
こっちが危険なスズメバチ→
このクマバチですが、大型の身体とそれに見合わない小さな羽から、「航空力学的に飛べるはずのない身体なのに飛んでいる」と言われ、長年その飛行方法は大きな謎だったそうです。
管理人も学生時代に先生から講義を受けたことがあります。
「彼らは、飛べると信じているから飛べるのだ」
という話がとてもおもしろく思いました。
「彼らは自分は飛べないということを知らないから飛べるのだ」という話は一時は真面目に語られたほどであるということです。
このことから、クマバチは 「不可能を可能にする」象徴とされて会社やスポーツチームのエンブレムとしてもよく使用されているそうです。
先生の講義はこの後、「レイノルズ数」の授業になるのですが、このレイノルズ数という概念を用いる事で、長年のクマバチの飛行の謎が解けたとのこと。
これは、簡単に言うと、空気にも粘性力があって、この粘性力と慣性力を流体に値として入れましょうということです。基礎研究にしろ実機の設計にしろ、模型を使った実験ではどうしても埋められないズレが出ていたのはこのレイノルズ数が問題だったんですね。
小さい模型と大きな実機とでは、空気の振舞いが違う、即ちレイノルズ数が異なりますので、模型で得た結果をそのまんま実機にあてはめると、絶対にズレが出ちゃうのでした。空気の粘性力と飛行する物体の重さ、大きさは関係があるのですね。模型でも小さくしただけでは飛ばない理由はここにありそうです。
また、昔の人々たちは鳥や昆虫のように翼を羽ばたかせてみれば飛べるのではないかと数々の試行錯誤を繰り返し失敗をしてきましたが、これも大きさと空気の粘性力が関係していたからなのかもしれません。
このレイノルズ数の重要性が広く知られるようになったのは、20世紀初頭でライト兄弟のフライヤー号初飛行の少し後のことです。それから後は、机上の計算や、風洞実験の精度は飛躍的に高まります。
夢がかなった「青いバラ」
クマバチの似たような話で、「青いバラ」の話があるのですが、青いバラは長年試行錯誤してもどうしても出来ませんでした。そこでこの青いバラの花言葉は「不可能、あり得ない」になっていたほどです。
しかし、ついに2004年、日本のサントリーが青いバラの開発に成功をしました。なんと、かかった歳月は14年!「サントリーブルーローズ アプローズ」の誕生です。
この成功により「青いバラ」の花言葉が変わります。「不可能、あり得ない」→「不可能を可能にする。夢かなう」に変更になりました。なんか素敵なエピソードですよね。
→「サントリーブルーローズ アプローズ」(花言葉「夢 かなう」)
クマバチや青いバラは、高い目標や夢を実現させようと一生懸命頑張っている人に送るエールとして最高かもしれませんね。
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庭のラベンダーが咲いているときには良くクマバチがきました。オトナシイとはわかっていてもその低音の羽音には迫力がありますので近くにくると逃げます。
by conta (2013-11-29 23:02)
★conta さま
ご訪問とコメありがとうございます。
クマバチは大きいから見ると怖いですよね。
by onemore (2013-11-30 00:54)