SSブログ

今日は世界初の熱気球無人飛行の日です【6月5日】

410px-Early_flight_02562u_(5).jpg
当時の熱気球

 1783年6月5日のこの日、フランスのモンゴルフィエ兄弟が世界初の熱気球無人飛行を成功させます。フランスのモンゴルフィエ兄弟は、兄 ジョセフ、弟 ジャックの2人で、熱気球を発明し、世界で初の有人飛行も行いました。
 6月4日記載(ウィキペディア)もあるのですが6月5日が熱気球記念日ということなのでこの日をとりあげました。

sh 586.jpg

 洗濯物を乾燥させるために火を焚いたとき、その上の洗濯物が上昇する気流でうねってポケットのような形になることに気付き、ジョセフは熱気球を思いついたといいます。
 ニュートンもリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を発見したといいますから、天才と言われる人は目のつけどころが違いますね。

 さて、この熱気球は、原理は簡単で、暖めた空気により浮力を得て飛行します。
 兄弟は、1782年12月14日に最初の実験を行います。約3m四方の枠に布地を張り、下から火を燃やすとものすごい勢いで上昇したのです。
 2kmも漂い続けて村に落下したのですが、空から落ちてきた初めてみるものに村人たちからはお化けだと怖れられ破壊されてしまいます(笑)。

 この成功で、兄弟は気球が自分達の発明であることを世間に公表するために約半年後の1783年6月5日、役人を招待して公開実験飛行を行います。気球の内容量は790m3弱で、総重量は225kgにもなりましたが、袋は高度1600〜2000mまで上昇し、10分間もの滞空飛行に成功します。

 成功すれば今度は人間が乗ってみたくなるのは当然のこと。兄弟は有人飛行を試みますが、ここで問題が発生。当時は人間が空に上がるなんてことはしたことがありません。ましてや空は天使や神様の領域。「人間が空を飛ぶのは不遜ではないか」という聖職者からの意見が出ます。
 神罰が下ると恐れる人々もいたことから、まずは動物で実験してみようということになります(最初は罪人を乗せてみようという案もありましたが、成功したら人類最初の栄光を罪人に与えることになるので却下されます)。

 1783年9月19日。籠に羊とアヒル、それに鶏を乗せた気球は、ベルサイユ宮殿で、当時の国王ルイ16世と王妃マリーアントワネットの前で行われます。高度は460m、8分間の滞空に成功します。

 そして、いよいよ1783年11月21日に世界初の有人飛行を試みます。二人の侯爵を乗せた気球がブローニュの森から飛び立ち、90 mの高さで25分間、約8.8 kmを飛行させました。

sh 587.jpg この侯爵の一人であるピラートル・ド・ロジェという人ですが、翌々年1785年6月15日に自らが考案した新型気球でドーバー海峡を飛行試験中、水素に引火した爆発で墜落、人類初の気球による死者となってしまいます(左図の気球)。


 人々はこの暖めただけの気体を”モンゴルフィエの魔法のガス"と呼んでいましたが、その後、熱気球よりも空気より軽い水素を使った気球の開発も行われていきました。
 これは”飛行船”として開発されていきますが、この水素も後にヒンデンブルグ号の悲劇を引き起こすことになります。

 フランス語や英語では発明者たちの名を取って「モンゴルフィエ」が熱気球を意味する一般名詞となってもいます。

 最近ではエジプトで日本人観光客も巻き添えになった熱気球事故が起きました(ルクソール熱気球墜落事故 2013年2月26日)。 19人が死亡し、熱気球事故として史上最多の死者数を出す事故となってしまいました。
 熱気球は現在では空のスポーツとして各地で様々な大会が行われます。なんでもそうですが、安全管理はきちっと行って欲しいと願います。

 日本では事連盟発足以来同様の事故での犠牲者はおりませんし、安全管理を徹底しています。

→日本気球連盟のHP

a0790_000374.jpg
こんな記事もどうぞ

来たよ(23)  コメント(9)  トラックバック(1)  [編集]
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 23

コメント 9

YUTAじい

おはようございます。
コメントありがとうございます。
ぞうの飼育では実績有る様です・・・神戸の動物園からも出産予定の像預かってました。
by YUTAじい (2014-06-05 08:25) 

hideta-o

ヒンデンブルク号事故は、水素ガスだけでなく、船体塗装に使用した金属酸化物と金属アルミニウムとの混合物(焼夷弾と同じ材料)を含む塗料も原因の一つらしいですね。
by hideta-o (2014-06-05 08:43) 

johncomeback

大変興味深く読ませていただきました(^^)ニコ
by johncomeback (2014-06-05 10:22) 

ワンモア

★ YUTAじい さま
いつも楽しく拝見させていただいてます^^
製作記も楽しみです。

★hideta-oさま
最近では水素よりも塗料に原因があるようですね。
でも水素=危険のイメージが広がって飛行船衰退の大きな要素になってしまったのは残念です。
エコな乗り物なのでまた見直しされて欲しいです。

こんな記事もアップしておりますので宜しければ御覧ください。
【5月6日】ヒンデンブルク号爆発事故と飛行船
http://kyowanannohi.blog.fc2.com/blog-entry-71.html

★johncomebackさま
いつもお世話になっております。個人的に仙台周辺の記事が好きなのです^^
by ワンモア (2014-06-05 13:56) 

楽しく生きよう

2つめの気球と同じような絵を子どもの頃見たことがあります。
by 楽しく生きよう (2014-06-05 17:34) 

おーやん

人間が空を飛ぶのは不遜で神罰を恐れてたなんて、ビックリでした。
熱気球の歴史も面白いですね!
by おーやん (2014-06-05 17:35) 

ワンモア

★ 楽しく生きようさま
こんばんは〜。お身体の回復は順調でしょうか。
気球は夢があっていいですよね。
個人的にはパラシュートや翼がないと不安なのですが(笑)

★おーやんさま
人類が最初に手にいれた空への手段ですので歴史が古いですよね。
是非、おーやんさまのいつもの鋭い切り口で、
いつか記事にしてください。楽しみにしております^^


by ワンモア (2014-06-05 19:17) 

hideta-o

onemoreさま
ヒンデンブルク号の記事、拝見しました。
ところでこの事故ですが、墜落の瞬間の映像や実況中継の音声が残っているのがアメリカらしいですね。
by hideta-o (2014-06-06 20:15) 

ワンモア

hideta-o さま
こんばんは~。さすがアメリカ進んでいますよね。
ヒンデンブルグ号、タイタニック号、スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故などが、20世紀の世界を揺るがせた大事故のひとつだそうです。
by ワンモア (2014-06-06 21:28) 

トラックバック 1

トラックバックの受付は締め切りました
Copyright © 1/144ヒコーキ工房 All Rights Reserved.

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。