20世紀に生まれた飛行機も輸送や旅客にと、私達の生活に欠かせないものとなりました。安全を願う日本人の心情から、航空関係の神社が生まれたのも自然なこととは思います^^
さて、その航空にちなんだ神社ですが、大きく2つに分類できると思います。まずは、航空従事殉職者を慰撫するべく建立したパターン。
そして古来の神社の神様のご利益の中から航空に関係した神様を分霊して建立するパターンでしょうか。
殉職者の霊を慰めるべく、合祀して出来た神社には「飛行神社」と「航空神社」があります。
◆飛行神社(京都・八幡市)
1915年、二宮忠八(1866〜1936)という方によって創健されました。日本の航空史上、忘れてはならないのが、この二宮忠八という方。あわやライト兄弟より早く空を飛んだかもしれないと言われているこの方は、もっともっと評価されてもよいと思うのです。
現在では「ライト兄弟よりも先に飛行機の原理を発見した人物」として紹介されていますが、その栄光をライト兄弟に持って行かれたことにより、二宮忠八は飛行機の開発を断念、そして今まで飛行機業界に携わってきて殉職された方々の霊を慰めるべく、自宅の敷地内に「二宮飛行神社」を建立しました。
御祭神は、日本書紀の神様の中から饒速日命(にぎはやひのみこと)を祀ることに。この神様、天磐船という飛行船に乗って、河内国河上の哮峯に天降られたという、古代の空の神様なのです。
飛行神社は、この饒速日命と磐船神社の分霊を正面社殿に祭神として鎮座、右の社殿には航空殉難者の霊を合祀、左の社殿には薬業に関係の深い薬祖神を祀っています。
日本の神様の中でも航空機に関係した神社と神様は、この磐船神社と饒速日命(古事記では邇藝速日命)になります、これ重要ポイント。
鳥居が飛行機でよく使われる材料のジュラルミンで出来ていたり色々と航空関係の展示物が面白いですね。お守りも人気です。
◆航空神社(東京・港区)
こちらは、昭和6年に帝国飛行協会理事会で決定して建立が始まった神社です。今までの航空殉職者325柱を霊爾簿に入れてあります。
昭和38年には羽田航空神社へ分霊します。昭和58年には、従来の祭神慰霊の神社から航空平安祈願の神社へと転換、現在の航空会館屋上に遷座されています。
→https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/enjoy/recommended_place/others.html
ビルの中にある神社というのも新鮮ですね^^
ただし、こちらではお守りは扱っていません。航空会館に出向く必要があります。
ですので、この神社の写真を撮って「落ちない」受験のお守りにするのが流行っているようです。羽田をよく使う方は一度参拝にいかれてはいかがでしょうか^^。
◆羽田神社(東京・大田区)
こちらは、佇まいも本格的な神社です。元々は八雲神社という名前だったのですが、明治40年に「羽田神社」と改称されました。
航空安全を願い航空関係者が参拝に訪れるだけでなく、パイロットやキャビンアテンダント試験の合格祈願に訪れる若者も多い事で非常に有名な神社です。
御祭神は須佐之男命と稲田姫命。商売繁盛、延命長寿、無病息災、旅行安全の神社です。
羽田航空神社が、殉職者のために建立された経緯を持っていることに対して、こちらの神様は、羽田の地域の氏神さまという点が違いですね。
<超番外編>
参拝にはかなりやばい、ディープスポットです。ここはあまりオススメしませんが、一応ご紹介。
◆東峰神社(津田沼航空神社)
ここは、成田空港反対派などによる厳重警備体制ど真ん中の神社です。職質は必須。この東峰神社はこの地区における反対運動を行う人々にとっても運動の象徴ともされています。
一部過激派等による空港施設や敷地への破壊工作や不審者接近を防ぐため、非常に多数の制服、私服警官が常時付近を巡回しており、訪問者は度々職務質問を受けることとなります。
このため、参拝に当たっては身分証を携帯して訪れるなどの注意を要します。
この神社、民間航空のパイオニアだった伊藤音次郎という方が1937年に津田沼町(現在の習志野市)の伊藤飛行機研究所内に空難者を祀るために建立した神社で、「航空神社」という神社名でした。御祭神は、鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)、8名の殉職者たちを合祀しました。
戦後は、伊藤音次郎が成田市東峰地区に入植して農場主になると、1953年11月23日航空神社も移設遷座され、勤労の神とされる二宮尊徳を祭神にした「東峰神社」となります。
成田市東峰地区は戦後に入植、農地開発が行なわれた地域であり、当時この地区には神社がなかったため、以降東峰神社は開拓集落の産土神社となり、東峰地区住民から信仰されるようになりました。(元の航空神社はセメントで埋められています)
伊藤音次郎は、航空神社のご神体を津田沼に持って帰っていたのですが、ご子息が、博物館に神社建立をということで、2001年に建立されたのが、成田航空技術博物館の「航空神社」という訳です。
<参考サイト> →ヒコーキ雲HP
◆泉州航空神社(大阪・泉佐野市)
関西国際空港建設を契機として昭和58年12月10日に建設されました。車で20分ほどのすぐぞばです。こちらも京都の「飛行神社」同様に、磐船神社より分霊していますので、正式名称は「泉州磐船神社」となっています。
大空の守護、航空の安全などを願いとして建立。敷地内には様々な航空機関連の資料を展示した航空資料館も併設しています。
お守りはこちらから見ることができます。
→http://senshuiwafune.jp/omamori.html
◆飛不動正倉院(東京都・台東区)東京都台東区竜泉3丁目11−11
通称「飛不動」。古くから病魔や災難を「飛ばして」くれると人々に信仰されていたと伝えられていることから、近年では航空安全の守護神として有名になり、空の安全や飛行道中安泰を祈願する参拝客が多く訪れます。
よく飛ぶようにということでゴルフのお守りもあります^^
◆久我神社 上賀茂神社境外摂社(京都・北区)京都府京都市北区紫竹下竹殿町
八咫烏と化して皇軍の先導を務めたことから、航空安全や交通安全守護の神として、またかつての大宮郷の一部、現在の紫竹地域を主とする氏神としても信仰を集めています。
◆大宰府天満宮 (福岡・太宰府市)福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
菅原道真公を慕い、京から飛んで来たという飛梅伝説から「航空安全御守」という御守りがあり、航空業界の方に人気です
◆矢田坐久志玉比古神社(奈良・大和郡)奈良県大和郡山市矢田町965
矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)は、奈良県大和郡山市矢田町にある神社で別名「矢落(やおち)神社」と言われています。
祭神はここも饒速日命(ニギハヤヒノミコト)。天磐船に乗って空を飛んだという、故事により航空祖神として崇められ、毎年9月20日に航空祭が行われています。
他にも探せば出てくるかもしれませんが、この辺で。ご利益は故事や御祭神によるものが大きいですが、ちょっと拡大解釈も(笑)という気がしないでもありません。
航空会社では、新型の旅客機を導入する際には、神職に出向いてもらい神道祭祀により航空機を祓い清め、航空安全を祈願します。
機内のコックピットには、大抵、航空安全が祈願された御札が貼られています。
最先端の飛行機に日本古来の祭祀が関係している日本って海外から見ると、とても不思議に見えるかもしれませんね。
さて、旅行シーズンのGWが近づいてきました。この機会に交通安全のお守りを求めるのも良いかもしれませんね。
そうそう、お守りは自分で買うより、人から貰った方が効力があるそうで。中古はダメですが、その人の事を思って代理で買ってきたお守りは良いみたいですね。
<参照>NAVERまとめ
→航空ファン必見!!旅行・仕事・就活に持って行きたい航空安全お守りまとめ
<関連記事>
→12月17日は飛行機の日。ライト兄弟と二宮忠八
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結構色々なところに、あるものですね
羽田空港にもあるのですね
by tochi (2016-04-24 20:16)
航空と古式ゆかしい祀りごとはかけはなれたものだと思っていましたが、
関連付けで成り立つ神社さんがあるのですね^^
歴史が浅いとか思っちゃ罰が当たりそうですね~^^;
ボク的には断然!東峰神社に惹かれてしまいますですw
ある意味凄い参道だ・・・(監視カメラに職質付き!)
by ちょいのり (2016-04-25 02:21)
おまもりがかわいい!
by caveruna (2016-04-25 02:27)
北海道から帰ってきました。
今週末は北関東へ出かけます(^-^)
by johncomeback (2016-04-25 14:33)
★tochiさま
羽田空港内にもありますので是非^^
★ちょいのりさま
東峰神社、やっぱり興味ありますよね^^;
実は密かに狙っています(笑)
★caverunaさま
飛行機のお守り、色々な種類がありますよ〜(^o^)
★ johncomeback さま
おぉ、北関東ですか。お待ちしております^^
私は週末は千葉なので不在なんですが・・・^^;
by ワンモア (2016-04-26 01:39)