このXF-91という特異な翼を見ると、私は、この日本女性の振り袖姿をイメージしてしまうのです^^;
この翼は「逆テーパー翼」といいます。戦後、F-86セイバーなどに見る、音速に近い高亜音速、遷音速飛行ができる機体に後退翼がもてはやされたのですが、欠点もありました。それは速度の低い領域で起こる翼端失速なのです。
失速とは、飛行機が飛ぶのに必要な揚力を急激に失うこと。下手をすると、錐揉み状態になったり墜落したりする怖い現象なのです。
そこで、この欠点を補うべく研究も進められていましたが、その研究の一環として生み出されたのが、この逆テーパー翼です。翼端を厚く、幅広にしてみたのです。翼の付け根より翼端の方が幅広という、いわばテーパー翼の逆な訳ですね。
ちなみにテーパー翼とは、直線先細翼ともいい、翼端に行くに従い翼弦長が線形に変化する翼平面形状を指します。
このXF-91外見の優雅さとは裏腹に通常のターボジェットエンジンにロケットエンジン×4搭載という強力な推力を有しており、初飛行となった1952年12月9日では、ロケットエンジンも合わせての水平飛行で音速突破に成功するなど、速度面では優秀なものでした。
このまま採用が決まれば、世界初の実用超音速戦闘機となるところだったのですが、航続時間の短さが仇となり不採用になってしまいます。
その他にも、構造的に最も頑丈であるべき主翼付け根部分の断面積が最も小さくなるため、構造的には不利でした。
世界初の実用超音速戦闘機の称号はわずか半年後に水平飛行で音速を突破したF-100に譲ることとなるのです。
逆テーパー翼を持つヒコーキは、後にも先にもこのXF-91ぐらいとなってしまいましたが、翼端失速を防ぐ研究はこの後も続けられ、ウイングレットなどの成果となって、現在は活用されています。
おまけ【今日の風景】
2日連続で、出張で船橋へ出かけておりました。帰りの294号線沿いの田んぼに映る夕焼けが綺麗です。
|
|
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
拙ブログへのコメントありがとうございます。
是非仙台にいらして下さい、ご案内しますよ(*゚▽゚)ノ
by johncomeback (2016-05-26 23:18)
> 構造的に 最も頑丈であるべき主翼付け根部分の断面積が
最も小さくなるため 構造的には不利でした
はい 全く その通りだと思います
翼面積が大きくなると 敵の攻撃も受けやすくなりますね
by タイド☆マン (2016-05-27 00:00)
豚さん・・・ちょっと切なくなりますね^^;
美味しく料理され美味しく頂かれることを祈ります^^
by ちょいのり (2016-05-27 01:16)
ぶーちゃん!(笑)
運転中に、牛とか馬とか動物を乗せた
トラックに遭遇するとテンションあがります^^
by caveruna (2016-05-27 10:15)
確かに
横からの写真を見ると、ウイングルートの薄さにびっくりです。
エルロンが大きいのも目立ちますね!
by ロートレー (2016-05-27 14:13)
★johncomeback さま
是非!福島までは行っているんですけど、仙台は気軽にはいけませんので気合を入れて訪れたいと思います^^
★タイド☆マンさま
この頃のアメリカって大戦末期のドイツ技術者が憑いたかのように変な機体を作りまくっていますよね。
★ちょいのりさま
トラックがびゅんびゅん飛ばしまくるので、もっと優しく運転してあげて〜と願わずに入られませんでした(;´Д`)
★caverunaさま
そうそう、ずっと後ろを走りたくなりますよね(笑)
★ロートレーさま
おっ、さすがロートレーさま分かりますね^^
これはこれで好きなのですが^^;
by ワンモア (2016-05-27 22:58)