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デアゴスティーニの41号はBf109K-4(Bf109再び)

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折り返し40機目以降は新規金型なし(′д‵)

 デアゴスティーニ第41号はなんとまたBf109です。うーん、Bf109のK型とのことですが、これは前回発売されたBf109G-10と同じ金型のようです。
 つまり、形は同じで、塗装と冊子だけ変えた感じです。前回の零戦21型の坂井三郎機もそうですが、もしかして売れ行きが悪いから
新しい機体を出せなくなったとか?うーん、どうなのこれ?だめじゃない?
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今回のK型。所属はJG27第3飛行隊機です。
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前回のG型。同じやん

古参兵であるにも関わらず常に一線で戦い続けた戦闘機

 さて、このメッサーシュミットBf109のK型は、個人的に一番好きなヒコーキなので解説を。
 Bf109は、戦闘機というカテゴリでは、世界で一番生産された軍用機で(約3万3千機)、軍用機全体の中でも第2位の製造機数を誇ります(1位はソ連のイリューシンIL-2攻撃機の3万6千機)。
 初飛行は1935年。設計者はウイリーメッサーシュミット氏ですが、実際の重要な基本設計はロベルト・ルッサー氏と言われております。理系の人は必ず習う、完成品の信頼度を決める有名な「ルッサーの法則」はこの人の編み出したものです。

 詳しくはこちらの記事をどうぞ
→隠れた名設計者、ロベルト・ルッサーの功績〜その1

 この1935年前後の年は複葉機の時代から単葉・全金属機という、技術革新の時代で、大きなイノベーションが起きた時期でした。
 日本ですと堀越二郎の三菱九六式艦戦や九七式戦闘機(1936)、イギリスのホーカー・ハリケーンの初飛行、ソ連のI-16(1934)、スピットファイヤ(1936)などが同年代機ですね。隼や零戦は数年後の時代の機体です。

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Bf109とほぼ同世代の各国の戦闘機たち
(左上)日本の九六式艦戦 (右上)九七式戦闘機
(左下)イギリスのホーカーハリケーン (右下)ソ連のI-16


 しかしながら、同世代の飛行機たちが、その性能の限界のために次々と後継機に第一線の座を譲る中、近代化戦闘機の中では、最も古い部類に入るこのBf109は、機体設計に将来性があったためと、戦場の状況が局地・迎撃戦に変化したことで、最も得意な分野での性能を発揮でき、1945年の終戦の時まで、常にドイツ空軍の主力機として第一線で活躍した機体でした。
 折しもナチスドイツの再軍備化宣言とドイツ空軍が正式に設立した年に初飛行したメッサーシュミットBf109は、ドイツ空軍の崩壊と共にその全期間を主役として勤め上げたのです。
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Bf109にまつわる通説と誤解


 メッサーシュミットBf109の特長として、
・一撃離脱に特化した高速戦闘機で格闘戦には向かない。
・航続距離が短くて戦闘時間が少ないためにバトル・オブ・ブリテンでは致命的だった。
・主脚の構造が貧弱で着地事故が多かった。
・構造がシンプルで生産性を重視した設計になっている。
・頑固なドイツ人がこの機体に拘り続け、最後まで使い続けた。
などの一般的な説が出回っています。

 しかし、その噂は半分本当、半分は誤解によるものです。
一撃離脱の戦闘機というのは、たまたまその戦法に向いていた機体で、低速での運動性は実は良かったという話や、主脚の構造はそんなには悪くなかったのですが、生産性や軽量化のための主脚の構造が地上での安定性が悪く、視界の悪さや未熟なパイロットが故障率を上げたなども。
 また、バトル・オブ・ブリテンでの航続距離の短さは技術的には解決していましたし、後継機が現れないBf109を無理して使い続けたという話も、局地戦闘機としては最後まで最高の機体であったというパイロットの証言もあります。
 
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275機撃墜のエース、ギュンターラル氏
彼もまた、Bf109はP-51ムスタングにもひけをとらない
最高の機体であったことを証言しています。

「最小の機体に最強のエンジン」というコンセプト

 開発のコンセプトが「できる限りの最小の機体に、できる限りの最強のエンジンを搭載する」というものは、戦闘機としての純粋な性能を引き出すには最良の選択でした。
 第二次世界大戦時における最後にしてかつ、最高の戦闘機として知られているF8Fベアキャットは正にこのコンセプトで生まれた戦闘機です。
 
 しかしながら、その時の要求に応えるには最高の選択であっても、状況に応じてバージョンアップしていくという進化の要求に応えるには、かなりきついコンセプトでもあるのです。
 なにせ、機体が小さいので余裕がなく、エンジンが変わると重心や構造に負荷がかかります。Fw190のようにエンジンが変わる度に胴体や主翼がどんどん延長され、まったく別の機体になるか、次世代機に早々と交代するというのが大半でした。
 また、後継機が出てこないと、零戦のように大戦初期の華々しい活躍から悲惨な結果にその運命を落とされる場合も・・・・。

 しかしながらこのBf109は、基本設計に将来性があったために、苦労はしながらも、事情の変化と共に1000馬力弱の機体から、倍近い2,000馬力級エンジンを搭載した迎撃戦闘機にまで発展していきました。驚異的な進化を遂げた時代の10年間を第一線で戦い続けたBf109は、類のない実績を持った戦闘機でありました。
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最初の量産型のB型(1936)(上)と最終系のK型(1944)(下)
 エンジン馬力もJumo210Dの610馬力→DB605Lの2,000馬力
最高速度も460km/h→725km/hまで進化しました。


最終進化系のK型

 最終進化系のK型に至っては、更に大型になった垂直尾翼、重量増加に伴い大型タイヤを格納するために主翼上面に出来たカバーバルジ、大型化したエンジンを包み込むフェアリングなど、重武装や重量増加に伴い、性能もデザインもどんどん落ちていく日本機に対して、逆にそれが、必要なデザインであると思わせるものがあり、納得の行く機能美を感じさせます。

 フォッケウルフFw190やTa152、世界初の実用ジエット戦闘機のMe262、Me163、He162など、次々と生み出されるドイツの革新的な戦闘機たちの前にも、その性能では劣りつつも生産性の良さと迎撃戦闘力の良さ、歴戦のエースたちの絶大の信頼を受け、ナチスドイツの崩壊の日まで最前線で戦い続けた戦闘機だったのです。

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発売予定は8月22日

 発売予定は8月22日ですが、金型がまるっきり同じな感じなので、売れるのかな?前回の21型に続いて、連続で塗装バリエーション違いはまずいような気がします(;^ω^)
※通販最安店の駿河屋さんでも中古品で「デアゴスティーニ第二次世界大戦傑作機コレクション」を扱いはじめています。掘出物があるかもしれませんよ♪要チェックです。
 価格帯は1,100〜1,400円(税込)くらいです。
→駿河屋【中古】デアゴスティーニ第二次世界大戦傑作機コレクション



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コメント 4

caveruna

なんか久しぶりな感じ(笑)
by caveruna (2017-08-02 00:22) 

Hide

おはようございます!
お帰りなさい・・・ムスタングは好きでした!
by Hide (2017-08-02 00:57) 

johncomeback

いつも拙ブログへコメントありがとうございます。
伊能忠敬ってホンとに凄いですよね。僕も全国を
廻っていますが、何の役にもたっていません(-_-;)
by johncomeback (2017-08-02 07:38) 

ワンモア

☆caverunaさま
 お久しぶりです(笑)、最近、更新されていないなぁと心配していたら、私のRSSリーダーの不調でした(;^ω^)

☆Hideさま
 ムスタング、アメリカって感じが好きです(^^)

☆johncomebackさま
 こんにちは〜。いやあjohncomebackさんのブログは、とても参考になってます。
 これからも全国の綺麗で、かつ面白い写真をお願いします(^^)
by ワンモア (2017-08-02 11:35) 

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