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今日は日比谷焼討事件が起きた日。戦争と平和

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 最近、きな臭くなってきましたよね。北関東でも先日、朝からのJアラートにはびっくりして飛び起きました。「警告されても、たかが数分で何ができる」「意味がない」という非難の声もありますが、イスラエル・ユダヤの専門家である児玉直純氏がフェイスブックで、このように述べています。

 イスラエルでは警報が鳴ってからミサイルや迫撃砲弾が飛んでくるまでたった数十秒の場合もあります。しかし各地域や建物にはシェルターがあり、国民はどのように行動すればいいか分かっています。
 Jアラートのことを聞いたイスラエル人の反応は「3分もあるの?」です。
 また迎撃ミサイルも備えてあり、イザと言う時の攻撃力もあるわけです。日本はまだまだ出来ることが国レベルでも国民レベルでも沢山あると思います。
https://www.facebook.com/naozumi.kodama/posts/10155428362462626

 なるほど。国の事情が違えばこうも認識が変わるのですね。自分もTVで状況をじっと見ているだけでしたが、平和ボケしていたかもしれません。もっと危機意識を持たないといけませんね。
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日比谷焼打事件とは

 112年も前の今日、1905年9月5日は日露戦争の終結で賠償に対する不満から「日比谷焼打事件」が起きた日です
 1905年。
日露戦争は東郷平八郎率いる日本海軍がロシア海軍のバルチック艦隊を撃破したことを契機に、アメリカの仲介のもと、日露の和睦交渉が行われることとなりました。日本は戦争に対する多大な軍費への出費から財政が悪化し、かたやロシアでも革命運動が激化していたため、両国とも戦争継続が困難になっていたからです。

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 本当は日本はすでに限界で、戦争を継続する力がもう無かったのですが、それを相手に気づかせてはならぬということで、政府の情報統制により連戦連勝報道がなされ、戦費を賄うために多額の増税・国債の増発もしていました。
 ですので、多くの国民は苦しい内情を知らされておらず、ロシアから多額の賠償金を取ることができると信じていました。これは仕方ないことかもしれませんね。諜報・謀略は戦争の常ですので。
 しかし、ロシア側は本土は攻撃されていないので、あくまで賠償金の支払いを拒否します。日本側の全権を担った小村寿太郎はロシアとの交渉決裂を恐れて8月29日、樺太の南半分の割譲と日本の大韓帝国に対する指導権の優位などを認めることで妥協し、講和条約である
ポーツマス条約に調印しましたが、この内容が国民が考えていた条件とは大きくかけ離れるものでしたので、朝日新聞(9月1日付)に「講和会議は主客転倒」「桂太郎内閣に国民や軍隊は売られた」「小村許し難し」などと書かれるほどでした。要はマスコミが国民の不満を煽り、火をつけたわけです。
 伊藤博文や山本権兵衛など、内情を知っている者たちは、小村の交渉を評価しています。長きにわたる戦争で戦費による増税に苦しんできた国民にとって、賠償金が取れなかった講和条約に対する不満が高まります。「ロシアに完全に勝つまで戦争を継続しろ」という声まで上がります。今の日本からすると考えられない世論だと思います。
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 そして、9月5日、東京・日比谷公園で講和条約反対を唱える民衆による決起集会が開かれましたが、遂に怒りで暴走した民衆たちによって日比谷焼打事件が始まりました。当時の日本も結構過激でした
 暴徒化した民衆は内務大臣官邸、国民新聞社、交番などを襲って破壊します。怒りの矛先は講和を斡旋したアメリカにも向けられ、東京の米国公使館のほか、アメリカ人牧師の働くキリスト教会までも襲撃の対象となり、これ以降、アメリカの反発を買うことにもなります。
 東京は無政府状態となり、翌9月6日、日本政府は戒厳令を敷くことでようやくこの騒動を収めます。この騒動により、死者は17名、負傷者は500名以上、検挙者は2000名以上(このうち有罪となったのは87名)にも上りました。その余波は各地に広がり、神戸(9月7日)、横浜(9月12日)でも暴動が起こりました。日本でもこんな時代があったのですね。

 それにしても日本人の側から「勝つまでやれ」という声が上がるとは・・・。当時の戦争というものは
勝てば多くの賠償金を敗戦国からふんだくることができるし、国力も上がるのが世界大戦までの戦争の常でした。景気が良くなり自分たちの暮らしも良くなり、気に入らない国を懲らしめるためなら戦争をするべしという国もあるということですよね。
「戦争は絶対にしてはならない」というのは世界の共通認識ではないということも知らないといけないかもしれませんね。

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日比谷焼討事件(毎日新聞社「昭和史第3巻 昭和前史・日露戦争」より)Wikipedia

永世中立国であるスイスの防衛意識

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 他国の戦争には参加しないと永世中立国を宣言しているスイスですが、その平和を維持するためにはそれだけの義務と負担を国民が自覚して負っています。
 我が家にも一冊ある『民間防衛』という書籍。この書籍はスイス政府がその住民と国土を戦争・災害から守るためのマニュアルとして、全国の各家庭に一冊ずつ配ったものの翻訳本です(冷戦時代に260万部が配布されたが現在では使われていない)。
 民間防衛とは、防護・疎開・秘匿・情報・消火・補給・衛生・交通・防諜・応急復旧などの項目があるのですが、この本では、戦争や災害などの想定される様々な局面と状況に対応できるよう、官民それぞれが平時から準備すべき事柄が簡潔に具体的にまとめられています。
 今でも非常に参考になると思います。個人的に興味深い内容として、「他国が武力を使わないでその国を侵略する手法とその段階」が書かれていました。

第一段階 「 工作員を送り込み、政府上層部の掌握と洗脳 」
       →買収、賄賂
第二段階 「 宣伝。メディアの掌握。大衆の扇動。無意識の誘導 」
       
→工作員を送り込む
第三段階 「 教育の掌握。国家意識の破壊 」
       →過度な人権教育、組合による教員の労働者化
第四段階 「 抵抗意識の破壊。平和や人類愛をプロパガンダとして利用 」
       →戦争=悪、絶対反対の世論
第五段階 「 教育やメディアを利用して、自分で考える力を奪う 」
       →3Sの推進(映画、スポーツ、性産業)
最終段階 「 国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量移住で侵略完了 」
       →最終段階


 あれ、なんか日本の事を言われているような気が・・・。
もし、自分が敵国の人間ならいきなり戦争は起こさずに、諜報・謀略に時間をかけ「どうすれば被害を最小限に抑えて占領するか」ということをやはり考えると思います。戦争反対を声高に叫んでいる団体は、敵国にとっては好都合で、
第4段階の格好のターゲットにはなるでしょう。
 マスコミや知識人、新聞、TVで語られている背景、フェイクニュースや世論誘導、根も葉もないうわさ話などに惑わされないように正しい観察眼を持ちたいものです。 

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 日比谷焼打事件は、マスコミの報道を鵜呑みにする危険性も象徴されているようです。自己防衛するには個人でやらなくてはいけないことはまだまだありそうですね。

→内閣官房国民保護ポータルサイト

<関連記事>

→ドイツ再軍備宣言!第二次大戦の幕開け
【5月27日】バルチック艦隊撃破!日本海海戦
→「日露・日清戦争」何で勝てたの? 大艦巨砲主義さまのサイト



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コメント 6

ys_oota

日本の置かれている状況は、そのまんま第四段階ですね。日本のメディアは戦前も戦後も問題を抱えてますね。
(´・ω・`)
by ys_oota (2017-09-05 23:57) 

johncomeback

日本のマスコミは低レベルで世界的にも評価が低いですよね。
特にY新聞は完全に政府の犬です(怒)
by johncomeback (2017-09-06 08:51) 

caveruna

Jアラート鳴らなかった。
鳴ったところでどうすることもできないなぁ・・・
by caveruna (2017-09-06 10:24) 

ワンモア

☆ ys_oota さま
 私も読んで唖然としました。完璧にこの通りに進んでいるやん!という感じです。もっと危機意識を持たないといけませんよね。

☆johncomebackさま
 日本のマスメディアって、公平的な報道というよりも自社の思想が偏りすぎてるように思うのです。マスコミも電波法の既得利権のある一大権力ですよね。私は朝日や毎日の報道のあり方にも大いに疑問です(-_-)

☆caverunaさま
 埼玉は鳴らなかったんですよね。Jアラート、びっくりして飛び起きましたよ(´⊙ω⊙`)
by ワンモア (2017-09-06 14:13) 

bpd1teikichi_satoh

北朝鮮の弾道ミサイルが10数分で日本に着弾する世の中、爺の大学時代の物理学科の親友は、今こそ日本が核武装する時だと息巻いていますが、核弾頭ミサイルを互いに撃ち合えば直ぐに第三次世界大戦(終末戦争)が起こりそうで恐怖です。

日本が採用を決めたイージス・アショアの様な弾道弾迎撃ミサイルシステムは非常に高額で、国費を圧迫し兼ねないですし、確実に迎撃する事は非常に難しいです。
by bpd1teikichi_satoh (2017-09-06 17:17) 

ワンモア

☆bpd1teikichi_satohさま
 色々な意見がありますがタブーを恐れずに国防に関する議論をすることは必要だなと感じます。政府も国民も、今まで知らないふりをしていましたよね。
by ワンモア (2017-09-07 09:55) 

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